知る喜びと、撮る喜びのつぶやき通信  (読める限り読み文章にする。 歩ける限り撮り続ける『花鳥風月から犬猫太陽』まで)

興味のあることは、何でも調べて文章にする。   写真は「光と影」と言われるが、この理解には、まだまだ、ほど遠い.

『植物の根っこの不思議 1(雪根開きとその理由を考え続けて)』 ―雪中の「ポピーの根元の雪解け」と「春山の樹木の雪根開き―

2024-09-16 09:36:48 | 植物・花

『植物の根っこの不思議 1(雪根開きとその理由を考えて)』

雪中の「ポピーの根元の雪解け」と「春山の樹木の雪根開き」

 

ポピーの根元の雪解けが、昔、春山でよく見た樹木の雪根開きと同じ現象だとわかるまでに3年余り経過しました。 それでも『早起きは三文の徳』が幸いしました。

 

3年前のこと、春の雪でした。 朝のニュースで雪積を知り、『おっとり刀』ならぬ『おっとりカメラで』で鶴見から鎌倉の報国寺へ、電車・バスの乗り継ぎで2時間弱かかるので、雪が溶けないよう祈りながら報国寺へ、『雪の竹林』を撮り、さらに『鎌倉―東京大返し』で、雪の桜田門を撮り、その足で寄り道し、撮ったのが、日比谷公園の『雪中のポピー』でした。 それ以来、この根元の雪解けが気になっていました。


ポピーの雪根開き(日比谷公園)

2014/2/11撮影

 

ブナ森の雪根開き(白神山地)

昔、山歩きをやっていた頃に、春山でよく見たのが『雪根開き』でした。

ウエブ情報から引用

 

この現象は、「雪根開き(ゆきねびらき)」とか「根開き(ねあき)」とか、「根回り(ねまわり)」と呼ばれています。 なお、この現象は電信柱にも見られる現象です。 これで夢が壊されました。 実は比較的暖かい地下水を吸い上げている所為だと思っていましたので・・・。

 

いくつかある雪根開きの理由

1.樹皮の温度(warm bark)
樹の濃い色が太陽光を集め、その反射熱が樹の周りの雪を解かす

 

2.樹皮の湿り気(wet bark)
樹に積もっている雪が樹皮を伝って地面に落ち、その際に樹の周りの雪を解かす

 

3.積雪の際の気流(current of air)
地面と垂直に接している物体に雪が降り積もるとき、物体と雪の間に埋まれる空気抵抗が物体周辺に雪を積もりづらくしている

 

4.地熱を蓄える樹木(retain geothermal energy)
地熱エネルギーを蓄えていた樹木が、春の活動と共に熱を発する

 

5.枝が樹の周りに積もる雪を軽減(less snow by branches)
雪が枝に積もり樹木の幹周りに積もる雪の量が少ない

いずれの理由も仮説ではありますが、ありそうで、正しそうな説です。

 

いろいろありますが、雪根開きが起こる理由とは、やはりロマンチックなこれです。 『木の温かさにあります。木は地下水を吸い上げますが、その水が外の空気よりも温かいからです。 そのため、地下水を吸い上げる木の幹の周りの温度が高くなり、いち早く他の雪に先立つように丸くとけるのです。 花・ポピーの場合がこれだろうと納得です。

 

他にも、雪と木の太陽の光の反射の違いも理由の一つです。 雪は真っ白なので、太陽の光をほとんど反射してしまいます。 そのため、太陽の光のエネルギーの影響を受けにくく、雪はなかなかとけません。 一方、黒っぽい木は太陽光によって温められ、この熱によって、幹の周りの雪がとけて、土が見えてきます。 

次は根っこの呼吸復活で生き返った桜の古木と、過剰な水やりで失敗する根腐りを調べます。

(記事投稿日:2021/05/03、最終更新日:2024/09/13、#324)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『自然の不思議・樹木のこと 5(インドの生きている橋)』 『住民たちが生きたゴムノキの根を、編み込み橋を架けた!』

2022-09-25 12:02:34 | 植物・花

『自然の不思議・樹木のこと 5(インドの生きている橋)』

『住民たちが生きたゴムノキの根を、編み込み橋を架けた!』 

先日2022/09/25)の日経新聞のThe STYLE欄で見つけました『生きている橋』

ウエブ情報から引用

この写真の撮影者の苦労『木の根でつくられた「生きている橋」。 照明を駆使し、長時間露光で撮影した。』が良く分かりました。

『生きているの橋』とは、生きている樹木の根により作られた、簡易な吊り橋の一種。 北東インドのメーガーラヤ州の南部で見られる。 根の橋は、シロン高原の南部に沿った山岳地帯のカーシ族とジャインティア族によって、インドゴムゴムノキの『気根(*)』から手作りされている。 根の橋の多くは海抜50〜1,150mの温暖湿潤気候の広葉樹林の急傾斜地に生育している。

『気根(*)』植物の地表に出ている茎あるいは幹から出て、空気中に現れている根。 ゴムノキ・タコノキ・トウモロコシなどにみられる。

『生きているの橋』は、それを形成する元の樹木が健康である限り、自然に太く、強くなる。 木の寿命が尽きるまで新しい根が成長する可能性があり、橋を維持・強化するためには剪定や手入れをしなければならない。 ひとたび成熟すれば、50人以上の人が渡れるし、最長で150年の寿命を持つこともある。 積極的な手入れをしなければ、多くの場合、崩壊したり、野生化して、使えなくなる。

この橋を架ける準備が凄い。 先ず両岸にゴムノキを植え、15年から30年かけて竹製の仮の足場に沿って、その根を這わせ橋を架ける。 やがて湿度と歩行にうえが固められ根は絡まりあって太く強くなり、この構造は年を経るごとに弾力を増し、最長で150年の寿命を持つこともあるそうです。 

中国の人口14.3億人を、現在14.1億人の「IT大国」のインドは、来年にも抜きそうです。 『生きている根の橋』の維持・活用同様に自然との共存も上手くできているようです。

(記事投稿日:2022/09/25、#575)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『公園のヒマラヤスギに松ぼくリ(スギでもマツ科ヒラマラヤスギ属)』 『ヒマラヤスギは、三ッ池公園では垂直に、芝増上寺では盆栽の如き枝ぶりに!』

2022-03-11 10:51:21 | 植物・花

  『公園のヒマラヤスギに松ぼくリ(スギでもマツ科ヒラマラヤスギ属)』

『ヒマラヤスギは、三ッ池公園では垂直に、芝増上寺では盆栽の如き枝ぶりに!』

 

ヒマラヤスギ 深根型(直根型)

ウキペディア情報から引用 

 

三ッ池公園のヒマラヤスギの松ぼくリ(球果)

ウエブ情報から引用

 

芝増上寺『グラント(ヒマラヤ杉の話)』

ウエブ情報から引用

『グラント将軍松』とも呼ばれています。

正しくは『ヒマラヤスギ』。 樹間距離に関係なく、風光たっぷりの場所に植樹すれば写真のように、松の盆栽風に育ちます。 第18代アメリカ大統領グラント将軍が国賓として訪れたときに、記念植樹したものだそうです。 『やはり、オフィシャルには「松」なのだ』でしょうか。 看板の英文では『・・・planted this 「Himalayan cedar」…』となっています。 『「cedar」は「杉」』。 ということは、はじめから「ヒマラヤ杉」だったようです。

 

近くの三つ池公園のヒマラヤスギやメタセコイアに興味を持ったのは、日本のような台風・津波大国には、これらの『ヒマラヤスギ』、落葉樹メタセコイア、『常緑樹セコイアは、そのどちらも深根型(直根型)で、且つ、樹間距離が小さくても巨木になりますので、防潮・防風林に向いていると思ったからです。 津波に流される小型船舶迄、ブロックできます。

 

三つ池公園のメタセコイア

樹観距離も、想像以上に小さくとれる、防風・防潮には理想的な樹木だと思って眺めていました。

 

謂れのある落葉樹メタセコイア

『当初、「化石」として発見されたために絶滅した種とされていたが、1946年にメタセコイアであることが判明した。 これは中国四川省磨刀渓村の「水杉(スイサン)」と呼ばれたもので、「生きた化石」と呼ばれることも多い。』

 

更には、南米から日本への途上で立ち寄ったカルフォルニア州レッドウッド国立州立公園で見た常緑樹セコイアが印象的でした。

ウエブ情報から引用

世界一の樹高を誇セコイアは樹高世界1位から3位までを独占する。 平均的な大きさは樹高80メートル、胸高直径5メートル、樹齢は400年から1300年ほどで、2200年のものが現在知られる最高齢である。 厚さ30センチに及ぶ樹皮や心材の色からレッドウッドとも呼ばれる。 この樹皮と木質部はタンニンを多く含み、病原菌や白蟻の侵入を拒む。

この厚い樹皮は、他の広葉樹が燃え尽きてしまうような山火事の際にも木の内部を守る。北アメリカ西海岸に見られるセコイアの純林は、度重なる山火事によりできあがったものと考えられている。』

常緑樹セコイアが単層林で、ここまで気候変動、山火事に対応できたのは、やはり地球の奇跡です。

(記事投稿日:2022/03/11、#490)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『自然の不思議・樹木のこと 8(ブナ・橅の木の名前の由来)』 『用途は広いが腐りやすく、歩合が悪く「分の無い期」の意味で「橅」と!』

2021-10-26 22:36:49 | 植物・花

『自然の不思議・樹木のこと 8(ブナ・橅の木の名前の由来)』

『用途は広いが腐りやすく、歩合が悪く「分の無い期」の意味で「橅」と!』

 

ブナの語源は諸説ありますが、ブナの用途は広いが腐りやすく、歩合がよくないことから「分の無い木」の意味と言われています。 この分が悪い名前返上のために備忘録に纏めました。

木材には、利用しにくい姿のブナには、スギやヒノキのような印象もなく、見てもさしたる印象は受けなかったのですが、60年も昔のことですが、インターハイの登山大会で縦走した蒜山(上・中・下蒜山)で見たブナの木も曲がった幹とギザギザの葉っぱの印象だけが残りました。 普通のブナか、イヌブナかは区別がつきませんでした。

ウエブ情報から引用

その後、随分登山はしましたが、高尾山のイヌブナは、毎回・数十回、見ていますが、今では、『夢のまた夢』になってしまった。 白神山地の四季、春夏秋冬のブナ林の散策です。

ウエブ情報から引用

さて表題に戻ります。 ウエブ情報から引用です。

ブナ(山毛欅、橅、椈、桕、橿、学名:Fagus crenata Blume)は、ブナ科の落葉高木。 落葉広葉樹で、温帯性落葉広葉樹林の主要構成種、日本の温帯林を代表する樹木。 種小名のcrenataは、「円鋸歯状の」を意味する。 中国語で「山毛欅」とは本種ではなく、中国ブナの一種を指す。 「橅」は近年作られた和製漢字で、一般に(日本)ブナの意味に使われている。

温帯の山地に生育する。 ブナは「攻撃的な広葉樹」と評されるほど、ほとんどどのような土壌でも旺盛に繁茂し、密に茂る樹冠によって他の木々の成長を阻害する。 ドイツでは人間が管理せず森の成長を自然に任せた場合、ドイツの大部分はブナ林かブナの混交林になると考えられている。

日本では北海道南部、本州、四国、九州に広く分布し、低山の照葉樹林帯と、亜高山の針葉樹林帯の間にはブナ林が成立する。 雪が多い日本海側の山地と、奥羽山脈の背稜近くでは、天然林に近いブナ林が広範囲に広がっていたが、太平洋戦争後、大規模に伐採されてしまった。 ユネスコの世界遺産に登録された白神山地(青森県・秋田県)のブナ林は、保護運動の抵抗により、まとまった天然林としては最後に残った所である。

ウエブ情報から引用

太平洋側に降りると純林はあまり見られず、ミズナラなど他樹種との混交林を作る。本州中部では、ほぼ標高1,000-1,500 mまでの地域がブナ林となる。 日本北限のブナ林は、一般的には北海道黒松内町のものが有名であるが、実は最北限のブナ林は隣町の寿都町にある。 また、日本のブナの離島北限は奥尻島である。一方、南限のブナ林は鹿児島県高隅山にある。

白神山地以外の広範囲のブナ林としては、岐阜県・石川県・福井県・富山県にまたがる白山、福島県只見町周辺に、広大なブナ林を見ることができる(坪田和人著『ブナの山旅』『続・ブナの山旅』による)。福島県只見町は2018年10月、ブナ林の保全・活用に取り組む団体を集めた「全国ブナ林フォーラム」を開いた。

ブナの果実は多くの哺乳類の餌として重要であり、中世ヨーロッパではブナ林で養豚が行われていた。 日本では2003年は二ホンツキノワグマが多数、里に出てきたことで知られるが、この年はブナの不作の年でもあった。 しかしブナは基本的に毎年不作であり、5-10年に一度豊作になるだけである。 さらに、ブナがより不作だった2004年には出没例は2003年より少なく、全国的に過去に例がないほどのブナの豊作となった2005年にはクマの出没が増加した地域と減少した地域があった。 以上から、ツキノワグマの出没とブナの豊不作は必ずしも相関がないとの説もある。

ブナの葉にはタマバエ科の昆虫による虫こぶがつきやすく、26種の虫こぶが知られている。 葉の分解は非常に緩慢であり、その分解が細菌によってなされる環境では土壌は改善されるが、主にキノコによって分解される環境では酸性の粗腐植が作られ、他の土壌生物の土壌を改善する活動を阻害する。 そのため、森の養母とも称えられるが、粗腐植の主要因としてネガティブな評価を受けることもある。

最近、縄文時代が、内外で脚光を浴びていますが、世界に冠たる縄文時代は『定住で「採集・狩猟・漁労で農耕(田畑)なし」』でした。 これは『ブナ林』が重要なファクターだった思います。 ブナ林もっと調べていきたいと思っています。

(記事投稿:2021/10/26、#415)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『自然の不思議・樹木のこと 2(ガジュマルは別称「絞め殺しの木」)』―1本の幹に百本の気根の台湾最大のガジュマルがの防潮・防風林にヒントを―

2021-10-16 18:29:45 | 植物・花

『自然の不思議・樹木のこと 2(ガジュマルは別称「絞め殺しの木)』

      ―1本の幹に百本の気根の台湾最大のガジュマルは、防潮・防風林にヒントを―

ガジュマル(学名:Ficus microcarpa、漢名:細葉榕、正榕、榕樹、我樹丸)は亜熱帯から熱帯地方に分布するクワ科イチジク属の常緑高木。

日本やインド、オーストラリアに生息する常緑樹です。 「『気根(きこん)』と呼ばれる地上に出てきた根を他の植物にからみつけながら体を支え、自然界に生えているものは20mほどとかなり大きいものもあります。

は鳥やコウモリなどの餌となり、糞に混ざった未消化の種子は土台となる低木や岩塊などの上で発芽する。 垂れ下がった気根は、徐々に土台や自分の幹に複雑にからみつき派手な姿になっていく。 

ガジュマルの名の由来は、こうした幹や気根の様子である『絡まる』姿が訛ったという説がある。 気根は当初はごく細いが、太くなれば幹のように樹皮が発達する。 地面に達すれば幹と区別が付かない。 また、成長した気根は地面の舗装に使われているアスファルトやコンクリートなどを突き破る威力がある。 こうした過程で、土台となる木は枯れていく(ガジュマルはいわゆる『絞め殺しの木』の一種である)。

 ウエブ情報から引用

日本では九州の屋久島と種子島以南、主に南西諸島などに分布する。 また小笠原諸島では植栽がなされている。 観葉植物としては本州でも見ることがある。

樹木は防風林、防潮樹、街路樹、生垣として、利用される。 燃やした灰でつくった灰汁は、沖縄そばの麺の製造に用いられることもある。 近年は観葉植物としても人気。 

余談です。 千昌夫の『北国の春』の中国語版のひとつに「榕樹下」というタイトルをつけたものがあり、中国・台湾・マカオでよく歌われる。 この中国曲名の命名に感心。 理由は「榕樹」はガジュマルの近縁種を含めた総称。 「溶ける木」という意味であるが、他の木や障害物の間を縫って成長し、しなやかな気根を多く伸ばすなどして流体のような形状になることがあるため。

 

遺跡 タ・ローム寺院に絡みつく樹木ガジュマル 

カンボジア にある、 アンコール遺跡群と呼ばれる多くの寺院や宮殿などの遺跡群の内のひとつ。

ウエブ情報から引用

 

壮観! 1本の幹と100本の気根の台湾最大のガジュマルがある寺

台湾の西側の海に浮かぶ「澎湖(ポンフー)」は、小さいながらも世界遺産クラスの自然と文化がいたるところにある魅力的な島。 知られざる澎湖の中で圧倒的な迫力を誇るお寺「通梁保安宮(トンリャン バオアゴン)」がある。

ウエブ情報から引用

 

多幸の木『ガジュマル』

この鉢植えの木が、タイの寺院の巨木「絞め殺しの木」と同じ樹木?

ウエブ情報から引用

ホームセンターで見慣れた大型鉢植えガジュマルと、タイのタ・ローム寺院に絡みつく巨大樹木ガジュマルが、傘寿の脳裏では結び付きませんでした。 

(記事投稿日:20211016、#407)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする