樹高 | 25.3m |
胸高周囲 | 16.4m |
推定樹齢 | 2000年代~7200年 |
標高 | 1300m |
場所 | 大株歩道沿い |
登山者の踏圧により根が傷むことがないよう1996年に展望デッキがつくられました。 また、2009年より荒川登山口へは通年(3月~11月)車両乗入規制が行われ、登山口からは往復で10時間程の本格的な登山コースとなっています。
2005年に折れたおよそ1000歳の大枝(全長5m、直径1m)は、数千年を生きる縄文杉の生命力や森の成り立ちを知る手がかりとして「縄文杉いのちの枝」と名付けられ、屋久杉自然館に展示されています。
樹高 | 42m |
胸高周囲 | 13.8m |
推定樹齢 | 2000年余 |
標高 | 1030m |
場所 | 縄文杉登山ルート大株歩道沿い |
おそらく樹姿も素晴らしかったと想像され、その為に材として伐採されてしまったのであろう。一方の縄文杉や大王杉は材に問題があり伐採を免れたとも言う。 大王杉に至っては、木の裏側に試し切りの跡さえも残っている。
ウィルソン株は、縄文杉へのアプローチの途中にあり、ほとんどの登山者がこの切り株の前で一息入れ、さらに奥への縄文杉への道にトライしていく。ここはちょっとした空間が広がっており、まさに一息つくにはもってこいの場所なのだ。ほとんどの方の目的が縄文杉であろうから致し方ないのであろうが、このスギの偉大さにも気づいて欲しいところである。
伐採から400年もの時間が経つが、一向に朽ち果てることもなくその姿をとどめている。いかに屋久杉が優れた材であるかを、身を以て証明しているかのようである。
樹高 | 27m |
胸高周囲 | 12.7m |
推定樹齢 | 2,000年 |
標高 | 1030m |
場所 | 徒歩往復6時間ほど |
残念な事だが、2010年9月9日の夜から10日の朝の間に、高さ2mほどのところから折れて倒伏してしまった。倒れた幹はそのまま放置とし、自然環境教育の場とする旨、林野庁から発表があった。 幹の太さにおいては縄文杉に次ぐ大きさを誇っていただけに、非常に残念である。
樹高 | 24.7m |
胸高周囲 | 11.1m |
推定樹齢 | 3000年 |
標高 | 1190m |
場所 | 縄文杉登山ルート大株歩道沿い |
その道からはスギの背後に残された試し切りの痕跡、空洞内の様子なども伺うこともできた。 この空洞内で登山者による火災が起きたため、その後は前述の登山道一本にまとめられてしまったようである。 縄文杉よりも大王杉のほうが、風格があるように見えるそうです。 全容をなかなか見渡せないため、少々不利な立地条件にも見える。
樹高 | 19.5m |
胸高周囲 | 8.1m |
推定樹齢 | 3000年 |
標高 | 1230m |
場所 | 安房林道沿い |
『自然の不思議・樹木のこと 10(樹木の樹形・枝張りのこと 2)』
『セコイアは、繰返す山火事でも生き残り、混生林から純林になった優れもの』
『地球上で最大の樹木「セコイア」vs 生きていた化石植物「メタセコイア」』
繰り返しになりますが、この歳、傘寿になって、早とちり的ですが、解かったことは、樹形は人間の手が及ばず、自由にのびのびと成長できれば、一般的には、温かい地方では広く・低い『洋傘形』と、寒い地方では、鋭く・高い『円錐形』に大別されるようです。 セコイアも、メタセコイアも、鋭く・高い『円錐形』です。
実生の植物の場合、『根』と『幹・枝』の量には相似比があると言えるそうですので、樹形の空中の枝張りと、地中の根張りは相似に近いと解ってきました。 根張りは、浅根型(メタセコイア・セコイア)と深根型(マツ)があるようです。
特にメタセコイアも浅根型ですので、津波対策の防潮林としては、最前線にマツ、二番線にはメタセコイアが、間には、潮風に強い、マテバシイの木などが、向いているようでは? と、ずぶ素人判断です。 セコイアもメタセコイアも、浅根型ですが驚くほど、樹間距離が小さくとれますし、成長が早いので、防潮林として最適かと思います。
セコイア(浅根型ですが驚くほど、樹間距離が小さい)
ウエブ情報から引用
常緑性の高木であり、大きなものは樹高60–115m、幹の直径 3–9m になる。 樹冠は若い木では円錐状、古くなると不規則になる。
メタセコイア(浅根型ですが驚くほど、樹間距離が小さい)
横浜市三ツ池公園のメタセコイア
イチョウとともに化石植物といわれる遺存種で、当初は日本を含む北半球で化石として発見されるのみで、絶滅した植物と考えられていたが、20世紀半ばに中国南西部で自生していることが確認された。
1949年に日本政府と皇室が、それぞれメタセコイアの挿し木と種子を譲り受け、全国各地の公園、並木道の街路樹、校庭などに植えられている(とにかく成長が早いのに驚かされる)。
発見地の中国では、各地に植栽が奨励されたが、道路の並木としてだけでなく、造林木としての伐採利用も期待された(北京国際空港から北京市内への高速道路の両側の並木)。
(記事投稿日:2023/04/07、#643)
『自然の不思議・樹木のこと 9(樹木の樹形・枝張りのこと 1)』
『「国営昭和記念公園」の樹木は樹間距離が大きく、自然な樹形・枝張りに近い』
『街路樹、屋敷林、人工林を見慣れ、この公園の樹形・枝張りで、目から鱗』
この度、この歳、傘寿になって、早とちり的ですが、解かったことは、樹形は人間の手が及ばず、自由にのびのびと成長できれば、一般的には、温かい地方では広く・低い『洋傘形』と、寒い地方では、鋭く・高い『円錐形』に大別されるようです。
アメリカネムノキ(台風・大風に備えた樹形、その木何の木で有名)
ウエブ情報から引用
モミノキ・針葉樹(雪の重さと寒さに耐え、太陽光を求め、円錐形に)
ウエブ情報から引用
先日(2023/03/28)広大な『国営昭和記念公園、季節を問わず、散策が楽しい!』に行ってきました。 一日では、四分の一回るのがやっとでした。 とにかく広い公園で、カメラぶら下げての散策には2-3日かかりそうです。 公園は『緑の回復と人間性の向上』をテーマに1978年(昭和53年)度より建設省の手で施設整備が進められ、1983年(昭和58年)広大な、約70haで開園した後、レインボープールや子供の森、日本庭園、砂川口、盆栽苑等次々と施設が整備された。
この公園は立川基地跡に開設されており、レクリエーション施設としての面もあるが、立川市と昭島市の広域避難場所の一つに指定されている。 防災関係機関が所在する立川広域防災基地が公園に隣接している。
この度、広大な『国営昭和記念公園』の散策で気が付いたことは、表題の通りです。 世界の20数ヶ国で、ボーッと、見てきた樹形のこと、この歳、傘寿まで、気にも留めませんでした。 その樹形の理解と記憶は『樹冠』と言われるくらいですので、半球形(球形で代表される)と円錐形でした。
見慣れた樹形は、人工林の北山杉に代表されるような徹底した『人工下枝払い』が圧倒的に多い中で、本当に珍しいのは、①北米の巨木・セコイアは『自ら下枝払い』をするそうですが? ②バオバブの樹形、と合わせて今後の課題です。
これまで、いつも見ていた大半の『樹形』の風景は、人間に剪定・矯正されたもので。 人間の都合で『半球形(球形で代表される)と円錐形』になれなかったようで、まさに標題『「国営昭和記念公園」の樹木は樹間距離が大きく、自然な樹形・枝張りに近い』、『街路樹、屋敷林、人工林を見慣れ、この公園の樹形・枝張りで、目から鱗』でした。
『国営昭和記念公園』の代表的なケヤキの樹形
全容
幹と根回り
これから勉強するために、樹形のこと、ウエブ情報で、少し調べて備忘録にしました。
樹木が本来持っている自然な樹形
樹木には樹種によって特徴的な形、「樹形」があります。 代表的な形は円錐型と卵型です。
これらの形に、
- 盃型:ケヤキやムクノキなど
- 円柱型:ポプラやイタリアンサイプレスなど、
- 傘型:イタリアカサマツなど
以上で、樹形のパターンとしてはほとんど網羅できている。
イタリアカサマツ;老木になると途中の枝が失われ、先端の枝のみが茂り傘状となる。umbrella pine, parasol pineの別名はその成長した老木の外観に因る。
樹木の地上部は幹と枝葉で構成されていますので、樹形はそれらの成長の仕方によって特徴が生まれます。 一般に、針葉樹は1本のまっすぐな幹をもつ円錐形の形になるものが多い。 それは、先端の芽(頂芽)が側芽よりも強く伸長する性質を持つ針葉樹が多いからです。
円錐形の樹形が特徴的なヒマラヤシーダ
ウエブ情報から引用
これに対して、広葉樹は頂芽優性が弱い。 このため、側芽も頂芽と同じように良く伸びて幹や枝がたくさん分岐していく結果、卵型になっていきます。
きれいな卵型の樹形(スダジイ)
ウエブ情報から引用
「頂芽優勢」の性質は、植物ホルモン「オーキシン」の作用(頂芽を伸長させ、側芽の伸長は抑制する)であることが知られていますが、進化の過程でどうして樹種による違いが生まれたのかを説明するのは簡単ではありません。
ただ、基本的には、太陽の光を最大限に得られるように枝葉を広げること、倒れず折れない構造的な強さを持つこと、受粉と種子散布の戦略に合致すること、生育環境(気候・気象・土壌・生態系)に適応することなどの要素の兼ね合いによって最適な形が選択された結果と考えて差し支えないでしょう。
たとえば、寒冷地や高緯度の地域に多く見られる針葉樹。
その円錐形の樹形は、多雪地域で雪を自然に落とすのに(合掌造りの屋根のように!)役に立ちそうですし、高緯度の地域で低く上る太陽の光を最も効率的に受けることができる形に見えます。
一方で、雪や風などの外力や光が当たる方向のような環境的制約がないのであれば、全方位へ均等に枝葉を広げられた方が光の獲得に有利なはずです。 日本の太平洋側に分布するヤブツバキが卵型の樹形で10m以上に成長するのに対して、日本海側の多雪地帯に分布するユキツバキは下枝が良く伸びて枝分かれし、樹高も2mほどにしかなりません。 このようなユキツバキの樹形は、多雪地域の環境に耐えられるように適応した結果であることが知られています。
台風の通り道となる沖縄では、低いところからよく分岐して下枝を横へ大きく伸ばし、その下枝をさらに気根で支える、ガジュマルやアコウのような樹木が分布しています。 これらの樹形は重心を低く下げて強風でも倒れにくい形です。
ウエブ情報から引用
重心を低くして強風に耐える樹形(アコウ)
(記事投稿日:2023/03/30、#642)
『自然の不思議・樹木のこと 7(どんぐりは1万余年の縄文時代を支えた)』
『「どんぐり背比べ」より『どんぐりの種類比べ』の方が相応しい)』
『ヒトのためにも、クマのためにも、縄文人が護ってきた「1万余年続いた縄文人の生活の
知恵」、「ムラ(村)・ハラ(原)・ノハラ(野原)と「自然混交林」を護っていきたい』。
ウエブ情報から引用
先日(2022/09/28)日経新聞文化蘭で、宮国晋一氏の『どんぐりはオンリーワン「同じ種でも木によっては多彩、根気強く観察25年」』を拝見しました。 すぐに思い出したのは二点;
- 縄文人は定住で『採集・狩猟・漁労で農耕(田畑)なし』に対して、古代エジプトは定住で『農耕(田畑)あり』)があった)ことから、1万余年も続いた縄文時代と木の実・どんぐりのこと。 縄文時代の日本は「広葉樹林」が広まり、そこから収穫できるどんぐりは供給量が多く、縄文人の食文化に大いに貢献したとも考えらえています。
- 熊はドングリを飽食すれば豊富な脂肪が身体に着き、その後、木の穴などで冬眠します。 そして冬眠の間にメスのクマは1~2頭の子グマを産みます。
でも、ナラ類の結実にはほぼ一年ごとに豊作と凶作の周期があります。 またブナは5年またはそれ以上の間隔でしか豊作になりません。ドングリに依存する冬眠前のクマは、凶作の年には窮乏生活を送ることになります。 時には人里に現れるケースが多発しています。
どんぐりは形も大きさもほぼ一様で差がないので、背比べをしても優劣が決められないことから、『どんぐりの背比べ』とは、どれもこれも似たり寄ったりで、抜きん出た者がいないことのたとえです。 『どんぐり』は漢字で『団栗』と書く、『背比べ』は『背競べ』とも書きます。 日本語は詩歌・文学には素晴らしい言語です。
宮国晋一氏のエッセイ『どんぐりはオンリーワン「同じ種でも木によっては多彩、根気強く観察25年」』からの抜粋・引用です。
『コロンとした丸い形、細長い形、指の先ほどの小サイズ――。 秋の公園で地面に落ちているどんぐりをじっくり観察してみると、驚くほど多様な形をしている。 一見別の種類に見えて、実は同じ種類の場合も多い。 そんな個性の豊かさに引かれて、25年間収集を続けている。
どんぐりとはブナ科の果実の俗称で、コナラやクヌギなど、国内に22種が存在する。 だが、同じ種でも木ごとにつける実は多様で何百、あるいは何千と種類がある
野山に自生する木には、単調で似た形の実がなる場合が目立つ。 一方、公園や緑地に生えている木は、それぞれ全く異なる形状をしたどんぐりをつけることが多いようだ。 なぜ、場所にとってこんな違いが生じるのか。 私は人間が木を選別してきたことが関係していると考えている。』
人のためにも、クマのためにも、縄文人が護ってきた『1万余年続いた縄文人の生活の知恵』・『ムラ(村)・ハラ(原)・ノハラ(野原)』と自然混交林を護っていきたいものです。
(記事投稿:2022/10/19、#588)