◎強烈な個性を持ち、あらゆる行動をとる特異な相手方
昨日のコラムの続きである。昨日コラムでは、籠池泰典さんが、その著書『国策不捜査』(文藝春秋、二〇二〇年二月)で、Aさん(赤木俊夫さんの仮名)に触れている箇所を引用した。本日は、赤木俊夫さんが、その「手記」で、籠池さんと思われる人物に触れている箇所を紹介してみよう。引用は、『週刊文春』二〇二〇年三月二六日号、三三ページより。
本件事案は財務省(以下「本省」という。)の担当窓口は、理財局国有財産審査室(主に担当の杉田補佐、担当係長等)です。
杉田補佐や担当係長から、現場である財務局の担当者に、国会議員からの質問等の内容に応じて、昼夜を問わず資料の提出や回答作成の指示(メール及び電話)があります。
財務局は本省の指示に従い、資料等を提出するのですが、実は、既に提出済みのものも多くあります。
通常、本件事案に関わらず、財務局が現場として対応中の個別の事案は、動きがあった都度、本省と情報共有するために報告するのが通常のルール(仕事のやり方)です。
本件事案は、この通常のルールに加えて、国有地の管理処分等業務の 長い歴史の中で、強烈な個性を持ち国会議員や有力者と思われる人物に接触するなどのあらゆる行動をとるような特異な相手方で、これほどまで長期間、国会で取り上げられ、今もなお収束する見込みがない前代未聞の事案です。
そのため、社会問題化する以前から、当時の担当者は、事案の動きがあった際、その都度本省の担当課に応接記録(面談等交渉記録)などの資料を提出して報告しています。
したがって、近畿財務局が、本省の了解なしに勝手に学園と交渉を進めることはありえないのです。本省は近畿財務局から事案の動きの都度、報告を受けているので、詳細な事実関係を十分に承知しているのです。
このうち、下線を引いた部分「強烈な個性を持ち国会議員や有力者と思われる人物に接触するなどのあらゆる行動をとるような特異な相手方」が、籠池泰典のことであると思われる。
なお、この引用部分で重要なのは、この事案について、「本省」が近畿財務局の動きを詳細に把握していたことを、赤木さんが強調しているところであろう。ここはいわば、この「手記」のツボである。【この話、続く】