礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

軍官民の道徳的腐敗に敗因がある(田中耕太郎)

2022-10-31 00:02:15 | コラムと名言

◎軍官民の道徳的腐敗に敗因がある(田中耕太郎)

 昨日は、田中耕太郎『教育と政治』(好学社、一九四六)から、「国民教育と道徳の内面化に就て」という文章を紹介した。
 本日は、同じ本から、「言論界の責任と其の粛正」という文章を紹介する(三三九~三四九ページ)。この文章は、敗戦直後の一九四五年(昭和二〇)九月六日、「大学新聞」に発表された。やや長いので、何回かに分けて紹介する。

  言論界の責任と其の粛正

      一
 降服は我々の目前に否定すべからざる事実となつて出現した。敗戦に関する反省、其の原因の探求が相当突込んで行はれるやうになつた。戦争終結の最後的契機は原子爆弾の使用とソヴイエツト連邦の参戦の事実であるが、此の事実は仮令〈タトイ〉如何に其の影響する所が大なるにせよ皮相的原因に過ぎないのであり、敗因は我が既往十数年或は更に遡つて明治以降の思想的、道徳的、政治的及び文化的状態の中に伏在してゐたのである。此の中〈ウチ〉最も重要なものは道徳的原因である。
 或は云ふであらう。明治以来教育の方針は我が古来の国民道徳に立脚し、国史は国民に國體の精華を教へ、又先人の忠誠愛国の数々の例を示し、教育勅語は暗誦し得るまでに国民の脳裏に刻み込まれてゐるではないか。然るに今次の戦争の進展に伴ひ軍官民の道徳的腐敗、無責任の事実は益々露骨に現はれて来た。それは往々西洋流の殊に英米流の個人主義的自由主義的思想が我が国民を蠱毒〈コドク〉したのだとして説明される。所で其の個人主義自由主義の本元〈ホンモト〉である英米が今次世界大戦に於て示した実力は果して何処から来るのであらうか。仮りにそれは往々説かれた如く物質文明と物量の優越に帰すべきものとしよう。技術上の大発見、大発明は真理の探求に対する献身的情熱なしには行はれ得ない。物量を生ずる資源の開発及び利用、これ亦科学的技術的文明の綜合とを必要とし、それ以外に秩序整然たる人的組織を必要とするのである。物質自体は戦争をなすものではない。物質を動かす人の精神力が戦ふのである。
 況んや我れに我れの神、祖国及び主義あらば彼れにも彼れの神、祖国及び主義がある。我が国民全体として戦争に対する歿我的情熱に於て彼れが我れよりも当然劣つてゐると断言し得たのであらうか。
 我が国は従来、殊に既往十数年間国家の政策上総てを犠牲にして戦備の充実を計つて来た。国の予算の百分率から見て軍事費の総額は英米に比較にならぬ大なるものがあつた。其の以外に教育其の他国家活動の多くのものに就て戦争と云ふことが考へられてゐた。総力戦的思想と訓錬とに徹底してゐた我が国は、此の点で同様の状態にあつた独逸と共に、個人主義的自由主義的と看做され、戦争準備に於て立ち遅れの気味があつた連合国側に最終の勝利を譲らなければならなかつた。
 これ深き反省を要求する事実である。〈三三九~三四一ページ〉【以下、次回】

 近年、「第二の敗戦」、「敗北の三十年」といった言葉をよく耳にするが、その原因を考えると、結局、政財官界の道徳的腐敗と無責任にゆきつくのかもしれない。
 この文章が掲載された「大学新聞」は、一九二〇年(大正九)創刊の「帝国大学新聞」の後身である。一九四四年(昭和一九)、「京都帝国大学新聞」と合併して、「大学新聞」と改題。一九四六年(昭和二一)四月、「学園新聞」を分離して、「帝国大学新聞」に戻す。一九四七年(昭和二二)一〇月に「東京大学新聞」と改題するが、一九四八年(昭和二三)一〇月に休刊。なお、「学園新聞」は、一九五九年(昭和三四)に「京都大学新聞」と改題して、現在にいたっている(ウィキペディア「東京大学新聞社」、「京都大学新聞社」を参照した)。

*このブログの人気記事 2022・10・31(9位の近衛文麿は久しぶり)

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田中耕太郎が敗戦直前に発表した国民道徳論

2022-10-30 04:14:23 | コラムと名言

◎田中耕太郎が敗戦直前に発表した国民道徳論

 最近、必要があって、田中耕太郎の文章をいくつか読んだ。田中耕太郎(一八九〇~一九七四)は、東京帝国大学法学部長、文部省学校教育局長、文部大臣、貴族院議員、参議院議員、最高裁判所長官を務めた商法学者、法哲学者である。
 毀誉褒貶の激しい人物であるが、学者としては傑出しており、『世界法の研究』(一九三二~一九三四)、『教育基本法の理論』などの業績がある。
 本日は、田中が、敗戦直前の一九四五年七月一二日の「大学新聞」に発表した「国民教育と道徳の内面化に就て」という文章を紹介してみたい。出典は、田中耕太郎『教育と政治』(好学社、一九四六年一一月)の一五一~一五七ページ。

  国民教育と道徳の内面化に就て

      一
 戦争自体が道義に立脚しなければならぬのは当然であるが、有効に戦争を遂行するためにあらゆる階層の国民が道義心とその実践において微底してゐなければならぬことは、総力戦たる現戦争が実証してゐるところである。国家が個人の全天分の発揮及び個人に対する大犠牲を要求すること戦争に如く〈シク〉ものはないのである。それは最も崇高な道徳的行為でもなければならぬ。
 ところで我々は従来の戦争と同じく今次の戦争においても一つの矛盾に逢着〈ホウチャク〉した。それは一方前線における各種の多数の英雄的愛国的行動に関する報道が日々の新聞紙面を満してゐるに拘らず、他方銃後の日常生活の各方面に於て利己、怠慢、不作法、不誠実、無責任、更に刑辟〈ケイヘキ〉に触れるやうな反社会的(病理的)現象が跡を絶たないのみか、世間の識者をして公然慨嘆せしむる位増加してゐる事実である。道義に基かなければならず、道義に依つて遂行せられ得る戦争が国民の道徳的水準を低下せしむることが果してあり得るであらうか。若しこれ有りとするならば、我々は深く其の原因について反省しなければならない。
      二
 かやうな病理的現象が他の戦争当事国に比較して特に多いか少いかは私の知るところでない。
 我が国民としては、学校に於て又社会生活に於てあらゆる機会に国家思想と愛国心の涵養のため異常の努力が為政者に依つて払はれ来つたこと世界に類例を見ないところである。近年の國體明徴運動や個人主義自由主義の排撃も必ずや国民道徳の水準の向上を来さなければならぬ筈である。ところでかやうな努力が実を結んだとするならば、今日屢々国民の道徳的水準に就て批判や慨嘆の声を聞くことはまとに異としなければならない。若し批判や慨嘆が理由ありとするならば、我々は深く其の原因に就て省察〈セイサツ〉しなければならないのである。
      三
 我々は従来の愛国運動や精神主義の昂揚が単な〔る〕抽象的口頭禅に終りはしなかつたか、又真に国民個人個人の内面的生活に対し更生的効果を持つてゐたか否かを疑ふものである。今や国民の道徳的教育が全体に亘つて反省せられなければならぬ。我々々は教育勅語に宣明せられてゐる人倫と国民道徳の大本〈タイホン〉を具体的に如何にして実践するかにつき、果して従来の如き文教政策で十分であつたかどうかを謙虚な態度で検討しなければならぬ時期に直面してゐる。歴史の教育は国民を民族の美点に陶酔せしめ、その欠点に対し盲目にするものであつてはならない。愛国心の昂揚は他国民を敵視軽侮し、彼等の長所を学ぶ態度を排斥するものであつてはならない。
 就中〈ナカンズク〉最も警戒するを要するものは道徳生活め形骸化である。あらゆる善美も若し対世間的の動機に起因するものならば、法律的判断は別論として道徳的に無価値であり、その価値は内心の純潔にかかるといふこと―換言すれば良心の権威―が国民教育に於て特に等閑に委せ〈マカセ〉られるやうになつたことが、正に病弊の根源である。
 かう考へるときに我々は明治以来の実証主義が内心の純潔を強調する宗教から教育を切り離したことを最も重大な禍根と認めざるを得ない。然るに一部極端論者は良心を鋭くすることに役立つところの諸宗教、諸思想例へば儒教カント哲学、基督教更に仏教すらも、それ等が単に外来のもの日本的乃至東洋的ならざるものなる理由を以て排斥し或は白眼視してゐるのである。
      四
 国民道徳の向上には国民に対し最も影響力大なる為政者や各方面の指導者階級の覚醒垂範が必要である。国民は彼等の一部の言動、態度に対〔し〕て内心疑惑を懐きつつも批判を敢てし得ない状況にある。特に国民が彼等から要望するのは強き責任感と思想的節操とである。戦局が現在の重大段階に直面するに至つたのについては、時局担当者の努力に拘らず、善意の失策や誤算が決してなかつたとはいへないであらう。楽観的見込でさへあれば、それにつき確信がなくとも、又はそれに就て後日反対の事実が実現せられても、事柄が重大な場合には決して不問に附せられるべきものではないはずだ。又責任者が責任を感ずる以上は、その責任感を具体的に実現しなければならない。昔の武士は彼等の仕方においてそれを実現したのだ。然るに既往十数年来の熾烈〈シレツ〉な日本精神や愛国運動に拘らず、この重大時局に於てなほ責任の転嫁と国民の健忘性に乗ずる厚顔者流の橫行が跡を絶たない。若しそれが指導者層にありとせば、それこそ国民思想に及ぼす害毒恐るべきものがある。
 時に我々は操弧者〔文筆家〕流を警戒しなければならぬ。我々は綿羊と山羊とを見分けなればならぬ。彼等が過去に於て思想的節操を有してゐたかどうか、時勢迎合の徒であつたかどうかを十分検討し、抽象的愛国主義の言辞に眩惑されてはならない。
【一行アキ】
 あらゆる困難を克服し焦土の上に潑剌たる祖国を再建設する業は国民道徳の内面化を離れては行はれ得ない。それは先づ良心的、自主的な人格の所有者に日本人を作り上げることから発足しなければならない。人格の協調が個人主義自由主義思想として排撃せられたことに従来の病弊が存する。道徳の内面化によつて初めて従来日本精神運動や愛国運動が正しき軌道上に置かれ、完成の緒に就き得るのである。
 識者は私がかやうな自明なことを今更力説するのを片腹痛く感じられるかもしれないが、当然のことが必ずしも適用しない点に現時世相の特徴が存することを考へ合して諒とせられたい。  (二〇・七・一二)

【一行アキ】のところに、「五」とあってもよかったと思うが、原文のままにしておいた。その「五」に相当するところに、「焦土の上に潑剌たる祖国を再建設する」とある。田中が、すでに敗戦を意識していることは明白である。
『教育と政治』の「序」によれば、田中は、一九四五年(昭和二〇)の春、「今日あるを薄々予知」したという。

*このブログの人気記事 2022・10・30(9位に極めて珍しいものが入っています)

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「書き誤り易き漢字」の部には書き誤りが多い

2022-10-29 01:24:12 | コラムと名言

◎「書き誤り易き漢字」の部には書き誤りが多い

 久保天随著の『誤り易き漢字の読み方と正しき用字法』(精文館書店、一九一七)から、「書き誤り易き漢字」の部を紹介している。本日は、その一二回目(最後)。
 いちばん左のカタカナが「読み」。カッコ内は、引用者が付した「現代の読み」。その次が正しい漢字の表記、いちばん右が書き誤った漢字の表記。

ライレキ           来歴 ×来暦
ラウゼキ(ろうぜき)     狼藉 ×浪藉
ラウドク(ろうどく)     朗読 ×郎読
ラクエキ           絡繹 ×洛繹
ラツワン           辣腕 ×竦腕
ラヘイ            邏兵 ×羅兵
ランシヨウ(らんしょう)   攬勝 ×覧勝
ランゾウ           濫造 ×藍造
ランフ            襤布 ×濫布
ランマン           爛漫 ×爛熳
ランヨ            鑾輿 ×欒輿
ランヨウ           濫用 ×乱用
リウカン(りゅうかん)    流汗 ×流汙
リウサン(りゅうさん)    硫酸 ×流酸
リクワイ(りかい)      理会 ×理解
リツゼン           慄然 ×栗然
リヤウサツ(りょうさつ)   諒察 ×掠察
リヤウニク(りょうにく)   粱肉 ×梁肉
リヤウリ(りょうり)     料理 ×科理
リヨウガ(りょうが)     凌駕 ×陵駕
リンシ            綸旨 ×臨旨
リンラク           淪落 ×綸落
レウイウ(りょうゆう)    僚友 ×療友
レンカ            輦下 ×輩下 
レンシフ(れんしゅう)    練習 ×錬習 
ロクロク           碌碌 ×禄禄
ワイセウ(わいしょう)    矮小 ×侫小
ワイロ            賄胳 ×賄絡
ワウガ(おうが)       枉駕 ×抂駕
ワウセイ(おうせい)     旺盛 ×王盛
ワウライ(おうらい)     往来 ×住来
ワクデキ           惑溺 ×感溺
ワンリヨク(わんりょく)   腕力 ×椀力
ヰカン(いかん)       遺憾 ×遺感

 ラクエキ=絡繹は「人馬の往来が続くこと」。ランシヨウ=攬勝は「景勝地を遊覧すること」。ちなみに、ランシヤウ=濫觴は「物のはじまり」の意である。ランヨ=鑾輿は「天子の車」の意。ワウガ=枉駕は「わざわざ訪ねてくること」。
 以上で、『誤り易き漢字の読み方と正しき用字法』の「書き誤り易き漢字」の部の紹介を終える。実は、この「書き誤り易き漢字」の部には、かなり「書き誤り」(誤記もしくは誤植)が多い。当ブログでは、適宜、訂正しながら紹介してきたが、その訂正が誤りであった可能性なしとしない。明日は話題を変える。

*このブログの人気記事 2022・10・29(8位になぜか土肥原賢二)

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マヒは「痲痺」が正しく「痳痺」は誤り

2022-10-28 04:09:35 | コラムと名言

◎マヒは「痲痺」が正しく「痳痺」は誤り

 久保天随著の『誤り易き漢字の読み方と正しき用字法』(精文館書店、一九一七)から、「書き誤り易き漢字」の部を紹介している。本日は、その一一回目。
 いちばん左のカタカナが「読み」。カッコ内は、引用者が付した「現代の読み」。その次が正しい漢字の表記、いちばん右が書き誤った漢字の表記。

マツサツ(まっさつ)     抹殺 ×沫殺
マツセキ(まっせき)     末席 ×未席
マヒ             痲痺 ×痳痺
マンイウ(まんゆう)     漫遊 ×縵遊
マンエン           蔓延 ×漫延
マンシン           慢心 ×漫心
マンセイ           慢性 ×漫性
マンマク           幔幕 ×縵幕
ミカン            蜜柑 ×密柑
ミソ             味噌 ×味増
メイシ            名刺 ×名剌
メイセキ           明晰 ×明析 
メイボ            名簿 ×名薄 
メンエツ           面謁 ×面暍
モギ             摸擬 ×模擬
モハン            模範 ×摸範
モヤウ(もよう)       模様 ×摸様
ヨウチウ(ようちゅう)    鎔鋳 ×溶鋳
ヨウヘイ           傭聘 ×庸聘
ヨウレツ           庸劣 ×傭劣
ヨビ             豫備 ×預備
ヨロン            輿論 ×興論

 マヒ=痲痺は、今日では「麻痺」と書くが、「痳痺」と誤るよりは、まだよい。「痳」の読みは「りん」で、「ま」とは読まないからである。ちなみに、「麻」の正字は、「广」に「𣏟」(なぜか、この字が出ない)。
 ミソ=味噌は、「味曾」と誤りやすい気がする。「曾」は、未曾有の「曾」である。
 メンエツ=面謁は、「貴人に面会すること」。ヨウヘイ=傭聘は、「まねいてやとうこと」。ヨウレツ=庸劣は、「平凡で劣っていること」。

*このブログの人気記事 2022・10・28(8・9・10位に珍しいものが入っています)

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ホサは「輔佐」が正しく「補佐」は誤り

2022-10-27 01:52:58 | コラムと名言

◎ホサは「輔佐」が正しく「補佐」は誤り

 久保天随著の『誤り易き漢字の読み方と正しき用字法』(精文館書店、一九一七)から、「書き誤り易き漢字」の部を紹介している。本日は、その一〇回目。
 いちばん左のカタカナが「読み」。カッコ内は、引用者が付した「現代の読み」。その次が正しい漢字の表記、いちばん右が書き誤った漢字の表記。

ヘイイ            敝衣 ×弊衣   
ヘイカ            陛下 ×陸下
ヘイシフ(へいしゅう)    弊習 ×蔽習
ヘイシヤ(へいしゃ)     蔽遮 ×敝遮
ヘイハク           幣帛 ×弊帛
ヘウカク(ひょうかく)    嫖客 ×剽客
ヘウゼン(ひょうぜん)    飄然 ×瓢然
ヘウタン(ひょうたん)    瓢箪 ×飄箪
ヘウヂウ(ひょうじゅう)   標註 ×摽注
ヘウトウ(ひょうとう)    剽盗 ×漂盗
ヘウバウ(ひょうぼう)    標榜 ×摽傍
ヘキロン           僻論 ×辟論
ヘンイ            偏倚 ×徧倚
ヘンガク           扁額 ×偏額
ヘンケフ(へんきょう)    褊狭 ×偏狭
ヘンニフ(へんにゅう)    編入 ×褊入
ボウケン           冒険 ×冒検 
ホウコウ           奉公 ×捧公
ホウダウ(ほうどう)     報道 ×報導
ホウネン           豐年 ×豊年
ホカク            捕獲 ×捕穫
ボクチヨク(ぼくちょく)   樸直 ×僕直
ボクドウ           牧童 ×枚童
ホケツ            補缺 ×補缼
ホケン            保険 ×保倹
ホサ             輔佐 ×補佐
ボシウ(ぼしゅう)      募集 ×暴集   
ボシヨ(ぼしょ)       簿書 ×薄書
ホツキニン(ほっきにん)  発起人 ×発企人
ボツシウ(ぼっしゅう)    没収 ×歿収
ボンナウ(ぼんのう)     煩悩 ×煩脳

 今回も難語が多かった。ヘウヂウ=標註は、今日では、ヘウチウ(ひょうちゅう)と読む。ヘキロン=僻論は「かたよっている議論」の意味。ヘンイ=偏倚は「一方にかたよること」。ヘンキ=偏奇という言葉もあるが、これは「奇抜でかたよっていること」。ヘンケフ=褊狭は「考えかたが狭いこと」。ボクチヨク=樸直は、朴直と同義。今日では、朴直が使われるほうが多い。

*このブログの人気記事 2022・10・27(10位になぜか『暗黒街のふたり』)

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