◎朝鮮百人乗り改造バスの構造仕様書
昨日のコラムで、戦前、朝鮮・清津市内を走っていた「百人乗りバス」について触れたので、本日は、同バスの仕様書を紹介する。出典は、一九四二年五月五日発行の『汎自動車・技術資料』に掲載された「朝鮮都市交通の雄 百人乗りバスの構造」(野萱美雄・執筆)である。改造前と改造後が、対照できるように記載されている。改造を担当したのは、朝鮮金属工業株式会社である。
百人乗り改造バスの構造仕様書
種 別 改造前
車名及年式 トヨタ2600年
機 関 6気筒26・3馬力
最大出力 3000回転75馬力
排気量 3390立方糎〈センチメートル〉
最大出力 最高32瓩米〈キログラムメートル〉
車 台 軸距3・6米型トラツクシヤシ
車 軸 2軸4輪
駆動装置 2輪駆動
動力伝達並に減速装置 「トランスミツシヨンギヤー」より「デフレンンシヤルギャー」に伝達す
操行装置 〔記載なし、「前軸2輪を操作す」か〕
前部発条 縦架式1組
後部発条 縦架式2点支持
制動機 足 マスターシリンダー1組油圧式4輪制動
制動機 手 機械式2輪制動
軸 距 3600粍〈ミリメートル〉
轍間 前位 1440粍
轍間 後位 複1650粍
タイヤ 前輪 32×6 8プライ
タイヤ 後輪 32×6 10プライ
種 別 改造後
車名及年式 トヨタ2600年
機 関 6気筒26・3馬力
最大出力 3000回転75馬力
排気量 3390立方糎
最大出力 最高32瓩米
車 台 従来のサイドメンバーを取離し新規に厚さ10粍、高さ180粍、巾90粍のコ型鋼材を以て架装す
車 軸 4軸とし前後方共に2軸8輪車に改造す後部2軸4輪は複輪とす
駆動装置 後軸前方2輪駆動装置
動力伝達並に減速装置 「ミツシヨンギヤー」と「デフレンンシヤルギャー」の中間に3/5の減速ギヤーを装備す
操行装置 前2軸4輪を操作す
前部発条 重連縦架式の2組に変更す
後部発条 縦架式2点支持
制動機 足 マスターシリンダー2組油圧式8輪制動
制動機 手 機械式後部前軸2輪制動
軸 距 5370粍
轍間 前位 1440粍
轍間 後位 複1650粍
タイヤ 前輪 32×6 10プライ
タイヤ 後輪 32×6 10プライ