小村俊美blog~心・街・釣り・そして日々~

臨床心理士の独り言(小村臨床心理士事務所所長)

ほとんど釣りを中心とした趣味の世界のブログです

臨床心理士の資格

2010年06月03日 | 心理

今、国家資格の議論が白熱しています

 日本臨床心理士会は国家資格化を目指しています。しかし養成大学などからは慎重論も出ていて、今後まだ紆余曲折が予想されます。

 私は20年以上培ってきた「臨床心理士ブランド」は大変大きなものがあると思っています。実際、臨床心理士と名乗った時、以前は「それ何?」と言う反応でしたが、今はほぼ国民的に定着したと思います。

 今、社会福祉士の資格も、8年目に専門社会福祉士、さらに、スーパーバイズ資格を作ろうとしています。先駆者としては栄養士、管理栄養士。医師の認定資格。看護師の分野別資格などさまざまな制度が作られてきました。

 教員も、大学院6年で資格を取り、その後研修資格で上がり、管理教師資格取得者のみが管理職になれるという考えが協議されるようです。

 私は心理の国家資格は医療分野だけで良いのではと思います。経験から医療以外の分野は、純粋な心理技法だけでは解決できる問題は少ないと感じています。

 教育、健全育成、被害者、子育てなどの現場が要請するものもソーシャルワークが入ったものがほとんどです。

 今、議論している横断的国家資格の意味と、社会が要請している横断的資格の意味が異なるような気がしてなりません。

 養成大学も心理的ソーシャルワーク論とか、家族論、地域福祉論などの社会学系の講座を設ける必要があります。

 そうしないと医療以外の分野は社会福祉士の領域に取り込まれるように感じてなりません。実際スクールカウンセラーにもっとコーディネート能力があれば、SSW制度が導入されることも無かったように思います。

 基礎は心理でも、現場で要請されるものをもう一度考えないといけない時期に来ていると思います。