NHKの「スーパープレゼンテーション」という番組が面白いです。
色々な分野の研究者やアーティストなどが
自分の専門分野についてプレゼンテーションすると言うシンプルな番組。
どうせ強制的に受診料を払わされるのなら、少しでもいい番組をみて満足したいもの。
テレビをつけた時にやっていたら見ると言う程度ですが、
面白い回に当たるとちょっと得した気分になります。
この前見ていて面白かったのは、「動物にモラルはある?ない?」という動物行動学者の回。
動物の道徳的行動についてがテーマでした。
あくびがうつることってありますよね。
それは共感によるもので、実はチンパンジーにもみられる現象なんだそうです。
うつされやすい人は、自分は共感しやすいいい人なんだと思ってもいいかも。
(チンパンジーすら持っている社会性にすぎないようですが 笑)
また、悲しんでいる動物に対して慰める行動は、ゾウやイヌでも見られる行動として認められているそうです。
確かにゾウやイヌって社会的な動物なイメージがあります。
僕の卒業した中学校では週に1回「宗教」の授業がありました。
理事長も務めていた太ったスペイン人のおじいちゃん神父が受け持っていました。
その中で「理性は唯一人だけが持っているものです。動物に理性はありません」
と言ったことがあり、当時の僕は猛反発していました。
犬にだってやさしい感情はあるし、それゆえに落ち込んでいる飼い主を慰めることができると。
それは考える力、すなわち理性ではないのかと。
もちろん今は神父の言いたかったことはわかるんですが、
動物は本能に従うしかない生き物だと言われて動物好きな僕としてはカチンときていました。
それからおよそ15年。
専門家の中ではそういう犬の行動は当たり前のものとして扱われていました。
昔を思い出しつつちょっと満足しました。
犬が人と一緒に長く生活してきた歴史的な背景には、そういう共感できる能力があったためなんだそうです。
そういえば、今は亡き実家の犬も、臆病で身勝手ではあったけれど「やさしかった」な。
・・やっぱり動物に理性がないとするキリスト教の教義はやや乱暴な気がする。笑
そのプレゼンでは「擬人化」がテーマでした。
動物の中にどれだけ人間的な側面を見出すかと言い換えられるでしょうか。
昔のドラマで、工藤官九郎が「犬は口が聞けないから人の癒しになる」と言わせていたけど
気持ちは理解しているけど口には出さない(ように見える)のがいいのかもしれません。
写真はマイブームのウォンバット。
こんなずんぐりむっくりした見た目だと性格もやさしそうだけど、怒ると怖いらしい。
そこに理性や道徳はあるのやらないのやら。