「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年にならなくちゃいけないんだ。なにがあろうとさ。そうする以外に君がこの世界を生きのびていく道はないんだからね。そしてそのためには、ほんとうにタフであるというのがどういうことなのか、君は自分で理解しなくちゃならない。」
村上春樹「海辺のカフカ」より
「タフ」という言葉がふと頭に浮かんだ時に連想されたセリフです。
そういえば15歳の主人公はタフになるために旅に出るんだったな。
この話の中のタフというのがどういう意味なのか本当のところは分からないけれど、
この世界を生きのびていくためにタフでなければならないのは誰しも否定しないところだと思います。
15歳の少年に比べればすっかり世俗にまみれた大人になってしまいました。
でもだからこそ自分の中にある程度のタフネスが備わっていることにも気がづきました。
つまらないことで凹み、しょっちゅう引きこもっていた学生の頃を思うと不思議な気もします。
そのころは自分に打たれ強さがあるなんて思ってもみませんでした。
何かを理解した先に獲得したタフネスなのか、
どうにかこの世界を生き抜く中で必要から備わったタフネスなのか、それもよく分かりません。
一つ確かなのは頑迷さというのはあるときには強みになりうるんだろうなということくらいです。
いつの間にか自分がガラッと変わっているのに気が付くのは、なんだか不思議な感覚です。
妻と子供の存在は大きいだろうなと思います。
そう簡単にへこたれるわけにはいかない。