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2021.7.18 『敏技沢』(ぴんぎざわ・271m)  美しき緑の山へ

 日曜の朝、むかわ町有明の、

小高い伐採地で目覚めると、

辺りは真っ白なガスに包まれ、

その湿気が不快なほどだった。

車中泊ではどうもよく眠れず、

それがだんだん億劫になってきた今日この頃。

しかしそのためのハイエースであるから、

今後も車中泊による山旅は続けて行く。

 伐採地から「有明林道」入口に移動して準備。

『敏技沢』には昨年の12月にひとりで登っている。     

   

そのときこの辺りの景観に惹きつけられ、

次はHiromiを連れて登ると決めていた。

 5時55分、「有明林道」入口を徒歩でスタート。

前回はこの先1kmほどの土場まで車を入れたのだが、

今回は林道の入口から歩くことにした。

そしてそれで正解。

歩き出して300mほど進むと、

林道に横たわる倒木があった。

 林道を歩いて最初に現れる分岐を、

右の古い作業道に入る。

すると間もなく広い土場が現れるが、

もう草が生い茂っていた。

それを横目で見ながら、

作業道を登って行く。

この作業道は既に荒れ放題で、

車の乗り入れは不可能だ。

次第に雑草が覆い出す作業道を進んで行くと、

左前方に見えるカラマツの林が美しい。

更に歩を進め短い林を抜けて伐採地に出る。

すると素晴らしい風景が広がる。

広い伐採地に背の低い笹が密生し、

木の切り株を全て覆い隠している。

正に緑一色だ。

雑草や笹がガスに覆われたあとで、

多量の水分を葉に蓄えているので、

下半身だけ雨具を着用していた。

雨具は林道歩きで暑苦しかったのだが、

雑草や笹の中に入ると、

そこに蓄えられた水分が、

下半身を冷やしてくれた。

美しい風景を見渡しながら登って行と、

Hiromiが足元に転がる、

動物の頭骨を見つけた。

エゾシカだろうが、

こういうものは極力目にしたくない私。

そして作業道を離れ、

シカ道を利用して傾斜を上げる。

すると背後には緑一面の美しい景色が、

みるみる広がっていく。

あちこちで目にしてきた伐採地だが、

ここの美しさは格別だ。

 地形図上の「185m標高点」に立つと、

この伐採地の全貌が見渡せた。

そしてここから細尾根を行く。

ほとんど藪のない尾根の上には、

きっちりと登山道のように、

シカ道が刻まれている。

これもまた美しい尾根だが、

そこには猟銃の薬きょうがいくつも転がっていた。

ハンターがここまで入ってきて猟をしているのだ。

 小さなアップダウンを繰り返し、

7時05分、四等三角点「敏技沢」

このピークから数キロの尾根歩きを経て、

「潮鼈」(三等・うしおべつ・275m)を往復するのが、

今年の秋にやってみたいことの一つだ。

 また美しい細尾根のアップダウンを経て、

「185m標高点」へ。

そして広い緑の海に吸い込まれるように下る。

 8時05分、駐車地。

この山は今後も何度となく、

繰り返して登ることになるだろう。

そんなことを予感せずにはいられない山だ。

 まだ時間は早いが、

気温が既に30℃近くまで上がっている。

速やかに帰途に着き、

帰宅してエアコンが効く室内で、

2時間もぐっすりと寝込んでしまった。

大変疲れた老体であったことを、

あらためて自覚した次第だ。

ただ、夕方Hiromiとの「反省会」は欠かせないけどねえ・・・

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