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2022.4.16 『別狩岳』(南・666m)  詰めの細尾根でリタイア

 『別狩岳』は同名で二山ある。

しかも直線距離で10km未満の近距離だ。

そこで北の『別狩岳』、南の『別狩岳』と区別している。

この両『別狩岳』は、

それぞれ三角点を有し、

北の『別狩岳』の点名は、

そのまま「別狩岳」だが、

南の『別狩岳』の点名は「二番川」だ。

南の『別狩岳』は気に入っている山で、

毎年のように登っている。

そんな南の『別狩岳』に今年も登ってみた。

そして初めて敗退した。

 今朝家を出て当別町の「青山ダム」方面に向かった。

途中の「ふくろう湖」では、

氷が融けたところで白鳥が、

シベリアに向かう前に羽を休めていた。

「青山ダム」の手前約2kmの地点に、

災害時通行止めとなる、

大きなゲートがある。

そのすぐ手前に駐車帯があるので、

そこを駐車地とする。

これは絶妙な位置にあり、

積雪期には他に駐車できるところはない。

 7時55分、駐車地をスタート。

素晴らしい快晴だ!

駐車地からすぐそばに見える、

「当別川」に架かる橋を渡った。

この橋は老朽化していて、

崩れやしないかと気がかりだ。

雪融け水で増水した川に落ちると大変なので、

慎重に渡って行く。

そして一段上の大地に上がる。

すると平地の上を送電線が走っている。

これをくぐって樹林に入る。

 このルートははっきりした3つのパートに分かれる。

最初はここから始まる樹林帯だ。

地形が複雑で沢形があちこちに走っている。

第一のパートは、

ルートファインディングの難しさがポイントだ。

もうこのルートを歩くのは何度目か?

昔初めてに登った時、

地形図も何もなしで、

ただ勘に頼って登ったことを思い出す。

そして一発で頂上に立った。

 樹林の中の尾根筋を拾って登って行くと、

突然尾根が左右に分かれる。

地形図上では右手に「288m標高点」がある。

目の前には「586m標高点」までの、

登路の全貌が広がっている。

ここからこの尾根を乗っ越すかたちで、

50mほど下って行く。

そしてここからが第二のパートで、

きつい登りの連続となる。

一旦230まで下った後は、

登り一辺倒で「586m標高点」を目指す。

最初は傾斜がきついのでジグを切り、

その後は直線的に登って行く。

すると背後に樺戸山地の風景が広がって行く。

 苦しさに耐えながら、

一歩一歩歩を出していくと、

460で突然樹林が切れ、

目の前に純白の大斜面が広がる。

雪が多い!

この斜面は通常3月に入ると、

斜度に耐えかねて降り積もった雪がずれ落ちる。

そしてクレバスが口を開ける。

それがもう4月中旬だというのに、

純白の斜面は無傷のままだ。

4月のこんな光景は初めて目にした。

 9時45分、「586m標高点」。

ここからの眺めは素晴らしい!

まず樺戸山地全体を見渡せる。

そして北には増毛山地の山並みが美しい。

また、南側には『別狩岳』から、

「桂沢」(四等三角点)への稜線が伸びている。

 しばし絶景に見入った後は、

第三のパートが始まる。

西に見えている『別狩岳』頂上への細尾根だ。

「586m標高点」から一旦下り、

560で細尾根となる。

今年は雪が多いので、

たっぷりと雪庇が張り出している。

慎重に歩を進めていくと、

ナイフリッジで突然段差に出くわした。

ナイフリッジの雪庇上で、

一段落ち込んでいる。

小さな段差ではあるが、

両側がスッパリと切れ落ちているので、

一段下に飛び降りなければならない。

ところが飛び降りる雪庇には亀裂が見えている。

そこに飛び降りたなら、

雪庇ごと崖下に滑落の可能性大だ。

迷った。

しかしここで滑落したなら、

他人に多大な迷惑をかけることになる。

歳とともに迷惑をかけることも、

一種の恐怖となる。

10時05分、中止。

撤退を決めた。

雪の状況が例年通りなら、

既にブッシュが出ているので、

それを頼りに通過することができた。

雪の多さがこんなところにも影響したのだ。

 下山は同ルートを辿り、

澄んだ空気の中で、

美しい風景を存分に楽しんだ。

そして11時35分、駐車地。

もう雪が締まって歩きやすいので、

予定よりずいぶん速く下山できた。

 

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