今日初めてウクライナ料理のボルシチを食べました。実は、ニュースでウクライナの事が取り上げられるたびに、ウクライナの料理を一度食べてみたいと思っていました。でも、ウクライナ料理店自体の数が少ない上、コロナ蔓延防止措置で営業休止になっているお店も少なくなく、探すのに苦労しました。また、本格的なウクライナ料理の店は値段が高いので、簡単には手が出ません。そこで、色々探した末に、大阪市中央区の谷町6丁目にある「カフェ・ボーチカ」というお店で、ようやくお目当てのウクライナ料理を堪能する事が出来ました。
この「カフェ・ボーチカ」ですが、本来はロシア料理店なのです。でも、調べたらロシア料理の中にも元々はウクライナ料理だったものが数多くあるので、ここに食べる事にしました。地下鉄谷町線・長堀鶴見緑地線の谷町六丁目駅を降りて直ぐの所にお店がありました。マトリョーシカ(ロシアの木彫り人形)が店の壁を飾り、正面にも看板代わりに置かれているので、場所は直ぐに分かると思います。小さなお店なので、正午の開店と同時に席が全部埋まってしまいました。行くなら早めに行って店の前で並んで待たなければなりません。店の中には阪神タイガースのマトリョーシカも置いてありました。レジの前には、この3月19日から大阪でも封切られるウクライナを舞台とした映画「ひまわり」の宣伝パネルが置かれていました(後に映画の詳しい説明あり)。
私はピロシキランチを注文しました。ボルシチ(赤カブのスープ)とピロシキ(揚げパン)に野菜サラダが付いて税込千円のランチです。ボルシチもピロシキもロシア料理のように思われていますが、どちらも元はウクライナ料理です。まず最初に温かいボルシチが運ばれて来ました。スープと言うよりもむしろシチューに近いボリュームがあります。しかし、煮込み料理のシチューとは違い、野菜も豊富に入っています。キャベツに人参がどっさり入っていて、それ以外に玉葱やパプリカも。白いサワークリームがその上に載っていました。サワークリームとは、生クリームに乳酸菌を加えて発酵させたもので、そう言われれば味もヨーグルトによく似ています。程よい酸味が食欲を引き立てます。
ボルシチを食べ終わったらサラダが出て来て、やがてピロシキも出来上がりました。ところが、メニュー(左写真)のピロシキは揚げパンなのに、出て来たピロシキ(右写真)はパイで包まれていました。同じピロシキでもパイピロシキです。私は揚げパンのピロシキが食べたかったのに。でも、ボルシチが結構な分量だったので、パイピロシキで逆に丁度良かったかも知れません。パイの中にはポテトとビーフストロガノフがぎっしり詰まっていました。サラダの中の小鉢には、そばの実を炊き詰めたものの上にチキンが載せられ、サワークリームが掛けられていました。
ウクライナ料理には、他に餃子やロールキャベツがあります。餃子はロシアでは「ペリメニ」、ウクライナでは「ヴァレーニキ」と呼ばれます。ともに国の代表的な料理です。これもサワークリームをかけて食べます。メニュー左ページの右上がペリメニのスープ、左下がボルシチ、右下が単体のペリメニです。その中で、私はボルシチが気に入りました。野菜も多くて具だくさんなので、これだけで身体が温まります。日本で言えば鍋料理に相当するのではないかと思います。でも、サワークリームがヨーグルトみたいな味なので、コメ料理には合いません。合うのはやはりパン料理です。
以上、今までなじみがなかったウクライナですが、調べたら日本とも意外な所で少なからず接点がありました。何も知らない私が知ったかぶりして解説するよりも、在日ウクライナ大使館の公式ホームページからそのまま紹介した方がはるかに分かりやすいので、そのまま引用します。
第2次世界大戦時に引き裂かれた悲運の愛を描いたこの映画をご覧になった方は多いのではないでしょうか? 実はこの広大なひまわり畑は,ウクライナで撮影されたものなのです。ソフィア・ローレン扮するジョバンナが,行方不明となった夫マルチェロ・マストロヤンニ扮するアントニオを一面に咲き誇るひまわり畑の中で必死に探している姿は,みなさんの記憶にも鮮明に残っていることでしょう。
撮影現場はキエフから南へ500kmほど行ったヘルソン州と言われています。今でも7月下旬頃にキエフから南下して郊外へ行くと,一面に咲きわたるひまわりを見ることができます。
但し,面白いことに,日本で販売されている「ひまわり」のビデオの説明書にわざわざこう書いてあるのです。
「(映画に出てくるひまわり畑は)ウクライナと信じておられる方には申し訳ないが,ひまわり畑はモスクワのシェレメチェボ国際空港の近くだった。」
この映画が撮影された1960~70年代及びビデオが販売された時代には,ウクライナは旧ソ連の一共和国であり,外国人はクレムリンから80km以上離れてはいけないと言う規則があったため,多くの観光客がウクライナに押しかけるのを当局が恐れたせいかもしれません。
この映画がウクライナで撮影された証拠に,ひまわり畑の中でソフィア・ローレンが老婆に夫の消息を尋ねるシーンがあるのですが,その老婆はウクライナ語で答えています。
ウクライナ南部の港町オデッサが舞台となったこの映画は,ラトビア・リガ生まれのエイゼンシュテイン監督が,モンタージュ技法という言葉を世界に普及させたものとして映画ファンには有名になっています。実はエイゼンシュテイン監督は,1910年代にモスクワの参謀本部アカデミー東洋部で日本語を学び,それがモンタージュ技法に影響を与えたと言うから不思議ではありませんか。
例えば,「水と目の描写は“泣く(泪)”を意味する」といったことこそが「モンタージュ」だと彼の著作で述べられています。また,歌舞伎から「演技の切断」及び「演技の分解」のヒントを得たそうです。
オデッサに行くと「ポチョムキンの階段」と呼ばれるこの映画に使われた階段があります。どこにでもありそうな階段なのですが,不思議なことに階段の下から見上げると,階段と階段の踊り場(数カ所あります)が全く見えず,あたかも長い階段が連なっているかのように見え,また,上から見下ろすと階段部分が見えず踊り場だけが下まで連なっているかのように見えます。残念ながら,現在では踊り場部分が広告になっており,上から下まで広告という味気ない風景になってしまいました。
映画の中で,この階段を転げ落ちる乳母車のシーンがあるのですが,これに似たシーンは,映画「アンタッチャブル」を初め多くの映画の中に見られ,「戦艦ポチョムキン」が映画界にもたらした影響の大きさを測り知ることができます。
ウクライナの「愛のトンネル」は,日本においても有名になっています。2015年には,日本において「クレヴァニ 愛のトンネル」という今関あきよし監督,未来穂香主演の映画が公開されましたが,この映画は実際にウクライナにおいてロケを行っています。
「愛のトンネル」とは,ウクライナの西部リーウネ州にあるトンネルで,木々に囲まれた鉄道路線上のトンネルが美しい景観を作っており,カップルがこのトンネルをくぐると願いが叶うという言い伝えがあります。ウクライナの首都キエフから車で約5時間かかる距離にあり,なかなか訪れることが難しいのですが,写真にあるように緑のアーチが続く不思議な世界を醸し出しています。
映画の題名にあるクレヴァニとはトンネルのある場所の名前で,高校の教師と生徒との不思議な愛の物語の舞台となっています。今関監督によると,撮影にあたって一番悩まされたのがトンネル内の蚊の問題だったそうですが,主演の未来穂香さんは全く苦情も言わずに演技を行っていたそうです。映画にはキエフの中央駅やウクライナの美しい田舎の風景も出てきますので,この映画を見てからウクライナに来られると興味が倍増すると思います。(以上、ウクライナ大使館ホームページからの引用終わり)
今日は夜にウクライナ侵略反対の反戦デモが大阪でも予定されているそうです。私は翌日朝早くから仕事なので、このデモには参加できませんが、ロシアのウクライナ侵略には断固反対します。今日も地元の駅前で婦人団体が集めていた反戦署名に名を連ねさせてもらいました。同時に、欧米主導の軍事同盟NATO(ナトー:北大西洋条約機構)にウクライナが加盟する事にも私は反対ですが、それを決めるのはロシアのプーチンではなくウクライナの人民です。
ロシアのウクライナ侵略に反対するのも、ウクライナ人民の民族自決権を尊重するからこそです。たとえ、ウクライナの民族運動の一部にネオナチが加わっていたとしても、それを口実に、ロシアのウクライナ侵略を認める訳には行きません。それでは、かつてウクライナを侵略したナチスのヒトラーと同じ立場に成り下がってしまいます。今、日本では、自民党や「維新の会」が、ロシアのウクライナ侵略を口実に改憲を企んでいます。しかし、トランプやプーチンには何も言えずに、「ナチスの手口に学べ」と言い放ち、過去の大日本帝国の侵略も正当化するような彼らに、ウクライナを語る資格なぞあろうはずがありません。戦争反対、侵略反対、核廃絶、脱原発で、世界の人々が団結する以外に、ロシアのウクライナ侵略を阻止する道はありません。それを最後に声を大にして言いたいです。
今日12月22日は冬至です。この冬至に食べると良いとされているのが「冬の七草」です。一年で最も日照時間が短い冬至に、南瓜(なんきん=カボチャ)、人参、蓮根、銀杏(ぎんなん)、金柑、寒天、饂飩(ウドン)の七品を食べる事で、無病息災を祝うのだそうです。「春の七草」は知っていましたが、「冬の七草」は知りませんでした。これらの食品は、「なんきん、にんじん、れんこん…」と、「ん」が二つ重なる事で、昔から縁起物として重宝されたのだそうです。
こうして並べてみると、いかにも縁起物という感じがします。人参、蓮根などは、おせち料理の食材として使われて来ました。銀杏、金柑なども縁起物として重宝されていますね。ただ、寒天はどうかな?寒天の材料は海藻のテングサで、それを夏は心太(ところてん)にして涼菓として食べますが、冬の鍋料理には余り使われないのでは?春雨と形が似ていても、両者は全く別物だし。但し、ウドンについては、これも野菜ではありませんが、昔は「うんどん」と言った事から、寒い冬に体を温める食材として、冬至の時期に食べるようになったと聞きます。
今週末にはまた寒くなるそうです。寒い時は何といっても鍋料理が一番。私も本当は白菜なんか一杯鍋に入れて食べたいのですが、一人暮らしなので、どうしても食材が余ってしまいます。ワンルームのシステムキッチンには、備え付けのワンドアタイプの冷蔵庫しか置けないので、野菜を大量に買っても食べきれないのです。かと言って、スーパーで買う惣菜の鍋セットや、外食チェーンで食べる鍋料理は、具も少ないし、味付けも私にとっては濃すぎるので、なかなか食べる気にはなりません。
そこで、本格的な鍋料理は諦め、それに代わるもので栄養を取る事にしました。昨日の夕食は鶏の手羽先と大根を煮て、余った出汁で溶き卵にして、そこにウドンを入れて昼食に食べました。そして、ウドンの付け合わせに使用した蒲鉾の残りで、今夜の夕食は木の葉丼と豚汁、南瓜の惣菜にしました。その後、近くの銭湯でユズ湯を堪能して来ました。お陰で、ウドン、ユズ湯、南瓜、(豚汁の)人参と、それなりに冬至の一日を実感する事が出来ました。明日の夕食は肉じゃがセットの玉葱・ジャガイモとソーセージでポトフにします。その次はおでんにしようかな?
でも、この「冬の七草」。ウドンも、確かに鍋料理の定番の具ではありますが、野菜(冬の七草)に含めてしまうのはどうかなあ?「堅い事言うな」と思われれるかも知れませんが、私としてはやはり納得が行きません。「冬の七草」って、そんなに軽いものだったんでしょうか?「ん」の発音が二つ重なるから縁起物なんだ、別に野菜でなくても構わない、と言うのであれば、私が撮影した送電線の夜景も、「そうでんせん」と「ん」が二つ重なる縁起物として、是非、「冬の七草」に加えて欲しいですw。臨海工業地帯に電気を送る送電線も、重要なインフラであり、形もまるで海の守り神みたいに堂々とそびえたっているのですから。送電線鉄塔の上のライトなんか、まるでスーパーマンの目のようじゃないですか。送電線夜景も工場夜景と同じで、見るほどに癒されます。
実は、この「冬の七草」の野菜については、前記七品以外にも、色んな組み合わせがあるようです。その一つが、①フキノトウ②福寿草③節分草④雪割草⑤カンアオイ⑥春菊⑦水仙の組み合わせ。これは明治時代に伊藤篤太郎という植物学者が選んだものですが、選定基準が曖昧なので、余り広がらなかったようです。
次に、①三つ葉②春菊③レタス④キャベツ⑤セロリ⑥ほうれん草⑦葱の組み合わせ。こちらは桜の開花予想を始めた大後美保という人が選んだものです。この組み合わせなら、私も完全に納得します。特に三つ葉、春菊、葱などは、まさに鍋料理の定番です。
しかし、「冬の七草」も、これだけ諸説あったとは驚きです。これでは「恵方巻きサンド」のように、適当な歳時記をでっち上げて、商品を売り付ける事も可能になってしまいます。明治時代以降に強調されるようになった「日本の伝統」の中には、このような胡散臭い「伝統」もある事が、よく分かった「冬の七草」でした。
一人暮らしをしていると、どうしても野菜が不足しがちになります。別に野菜が嫌いだからではありません。野菜を買って調理しても一人では食べきれないからです。それに下ごしらえも結構手間がかかるので、ついつい敬遠してしまうのです。特に私の場合は、冷蔵庫は元々賃貸契約で備え付けの安物のツードアタイプなので、冷凍庫は小さな製氷室しかありません。製氷室には冷凍野菜が1パック保存できる程度のスペースしかありません。野菜室もないので野菜を買っても腐らせるしかありませんでした。
「このままでは、慢性的な野菜不足の為に、体の抵抗力が衰え、簡単にコロナにかかってしまう。さて、どうしたものか?そうだ、ゴーヤ(苦瓜)を出来るだけ食べる事にしよう!ゴーヤなら一人でも2日ぐらいで1本食べる事が出来るし、ビタミンも豊富なので、野菜不足が解消できる!」…そう考えた私は、早速ゴーヤ料理に初挑戦する事にしました。
以前、近所の沖縄料理店で食べたゴーヤチャンプル定食が美味しかったので、その定食をまねて、ランチョンミートとゴーヤを炒める事にしました。しかし、ゴーヤだけでなくランチョンミートも今まで調理した事がなかったので、ミート缶の開け方も分かりませんでした。缶詰の上蓋に付いている鍵型の缶切りの使い方も知らなかったので、最初は鍵が取れてしまい缶が開けなくなり途方に暮れてしまいました。
缶の開け方をネットで調べ、鍵を側面の出っ張りに引っかけて巻き取れば、開梱できると分かり、何とか缶を開ける事が出来ました。但し、巻き取る際は、指を切らないように気を付けなければなりません。私はうっかりして少し指を切ってしまったので、次からはミートの代わりにベーコンと一緒に炒める事にしました。ベーコンなら、どこのスーパーやコンビニにも置いてあるし、もっと手軽に調理出来ます。
次にゴーヤの調理に取り掛かります。ゴーヤは種とワタを取り、皮をランチョンミートや卵と炒めます。最初、シマヤの和風だしの素で味付けして炒めていましたが、1袋10グラム個包装の小袋入りのだしの素でも、一人暮らしの分量では多過ぎて、味が濃くなり過ぎるので、2回目以降は醤油を垂らすだけにしました。醤油だけでは味が薄いと感じたら、麵つゆで味を調節します。最初は苦みが気になりましたが、慣れれば苦にならなくなり、逆に苦みが食欲を引き立てるようになります。
ゴーヤには栄養が豊富に含まれています。まず苦み成分のモモルデシンは胃酸の分泌を促します。食欲不振に陥りがちな夏には持って来いです。その他にコラーゲンの元になるビタミンCや、貧血を防止する葉酸、塩分の取り過ぎを防ぐカリウムなども豊富に含まれています。炒める事で苦みも軽減されます。但し、ビタミンCも炒め過ぎると損なわれますので注意が必要です。逆に食べ過ぎても、胃酸の分泌過多で胃が痛くなったりするので、ゴーヤチャンプルにする場合は、最低でも1日間隔を空けて調理しなければなりません。
ゴーヤの他に豆苗も、野菜不足解消には持って来いである事が分かりました。豆苗とはエンドウ豆の若芽の事です。豆苗にもビタミンCや葉酸が豊富に含まれています。その中でも、骨の形成を助けるビタミンKに至っては、1食分だけで1日の必要量の2倍も摂取できるそうです。値段も安く、1パック使い切っても、トレイに移して水を張り、その中に豆苗を漬け込めば、また芽が出て3回ほど使えるので、非常に経済的で重宝しています(参考)。ゴーヤを炒めた時に使ったベーコンの残りとエノキ茸を、豆苗と炒めて食べたら非常に美味しかったです。
私の部屋はキッチンも冷蔵庫も備え付けの小さな物しかないので、あまり手の込んだ料理は作れませんでした。その上、一人暮らしだと野菜を買っても余らせるだけなので、どうしても野菜が不足しがちになります。しかし、それでも寒い日は鍋料理も食べたいので、1月16日(土)に思い切って白菜を買う事にしました。白菜を6分の1玉買ってざく切りにして冷凍庫に保存し、夕食のおかずに1週間使いました。ツードアの小さな冷凍庫なので、果たして白菜が入るかどうか不安でしたが、何とか押し込む事が出来ました。
1月20日(水)は豚キムチ。この日は冷凍庫の白菜ではなく、スーパーで売っていた白菜キムチを使いました。豚小間と白菜キムチをフライパンで炒めて作りました。副菜は正月雑煮用に買ったチューブの白みそで豆腐のみそ汁にしました。
1月23日(土)は鯖キムチ。豚キムチの豚の代わりに鯖水煮缶を使いました。最初は「鯖とキムチなんて合うのか?」と思いましたが、ネットのレシピには鯖キムチも載っていました。私もそれを見て試してみたら、キムチで鯖の生臭さが消えて美味しくいただけました。
1月24日(日)は白菜のポン酢煮。豚小間と一緒に炊いてポン酢をかけていただきました。小ぶりの行平鍋で炊いたので、本格的な鍋料理と比べたら貧弱な仕上がりになってしまいましたが、これでも食べたらポカポカと体が温まりました。
1月25日(月)はクリームシチュー煮。白菜と粗挽きウインナーを電子レンジで温めた後、レンチンのクリームシチューをかけて、目玉焼きと一緒にいただきました。
1月26日(火)は中華丼。レトルトパックの中華丼の素と白菜で作りました。まず白菜と中華丼の素のうちの「具」をフライパンで約3分炒めた後、「ソース」をフライパンに投入して約1分炒めると、とろみのある中華丼が出来上がりました。冷凍庫に保存していた白菜も、もう霜が付いてだいぶ水っぽくなっていましたが、何とか美味しくいただく事が出来ました。
「白菜は余ったら塩昆布で揉んで漬物にすれば良い」と聞きましたが、いざやるとなるとやはり面倒くさいです。多少割高でも、生の白菜よりもパックに入ったザク切り白菜の方が、保存するのも使用するのも便利です。その代わりと言っては何ですが、白菜が片付いた後に冷凍ほうれん草を買って来ました。冷凍ほうれん草なら、冷凍庫の場所もそんなに取らないし、小出しに使えて便利です。
白菜も残すところもう後1食分だけです。今夜で使い切る予定です。白菜と豆腐、ぶなしめじで湯豆腐にして食べます。明日からは白菜からほうれん草にバトンタッチです。西成に来て2年、自炊を始めて1年になります。まだまだ料理は下手くそですが、レトルトの炒飯やクリームシチューには手を出しても、インスタントラーメンやカップ麺にはいまだ手を出していない事だけが唯一の自慢ですw。
今年はコロナ感染が広がって以降の初めてのお正月。その前まで毎年恒例であった釜ヶ崎あいりん地区の越冬ライブは中止になりました。炊き出しと夜のパトロールは通常通り行われましたが。新春の初詣も、縁日の屋台が出ないので今年はどこにもお参りしていません。そもそも、私たち物流関係の非正規労働者には盆も正月も関係ありません。盆も正月も普段通り仕事がありますし、むしろ繁忙期で大忙しの毎日でした。年賀状なんて書いている暇がないし、正月も出勤で職場で顔を合わすので、そもそも年賀状を出す意味がありません。その一方で、昨年2月に今のワンルームに移り住んで自炊を始めてから初めてのお正月になるので、年始の挨拶でも紹介したお雑煮の写真を中心に、お正月の日常をもう少し詳しく紹介したいと思います。
以前なら年越しの蕎麦はインスタントのどん兵衛の蕎麦で間に合わせていたのですが、今年から蕎麦も自分で買って自宅で作るようにしました。そこで初めて知った蕎麦の安さ!一番安い蕎麦は何と1袋19円!もうお米を買わずに蕎麦を食おうと思ったぐらいです。それとは対照的に、蒲鉾の値段の高い事。普段なら1個98円で売られている紅白蒲鉾は売り場にはなく、代わりに1個500円から千円以上もする迎春用の蒲鉾に売り場が占拠されてしまっていました。スーパーの店員が言うには、正月期間中は従来の蒲鉾は発注をストップして迎春用の蒲鉾しか売らないようにしているとの事。一人暮らしだと量の多い迎春用の蒲鉾なんか買っても余らせ腐らせてしまうだけなので、普通の蒲鉾も売ってくれと店の苦情カードに書いて投函しました。年越し蕎麦は売れ残りの紅白蒲鉾と5割蕎麦、市販のえび天で美味しくいただきました。
それまでは外食中心で正月も餅とは無縁でしたが、昨年に今のワンルームに移ったのを機に、お雑煮を自宅で作る事にしました。私は元々、大根・人参だけの地味な関西の白みそ仕立てのお雑煮より、鶏肉や魚、ミツバなどが入った関東風の済まし雑煮の方が好きだったので、元旦はうどんだしですまし雑煮を作って食べました。しかし、白みそ雑煮も具を色々取り揃えば見た目も鮮やかに美味しくいただける事を知り、チューブの白みそと冷凍和風野菜を買って来て、2日以降は白みそのお雑煮で食べる事にしました。ワンルームで一口コンロのミニキッチン、学生下宿にあるようなミニサイズの冷蔵庫、安物の電子レンジしかなくても、工夫次第で美味しいお雑煮が炊ける事が分かりました。三日目以降も雑煮抜きの白みそでおかずを工夫して作っています。公休日の休みには善哉を作って食べました。
一人暮らしだと、どうしても野菜や魚が不足しがちになります。白菜やキャベツを買っても余らせ腐らせてしまうだけなので、どうしても買うのが億劫になってしまうのです。大型の冷蔵庫があれば業務スーパーで野菜を大量に買って冷凍保存しておけるのですが、洋間5畳のワンルームではそんな場所もありません。元々備え付けのミニ冷蔵庫があるのみです。余り家電を買い揃えても置く場所がないし、消費電力500ワット、千ワットの家電を同時に使用したらブレーカーが落ちてしまうので家電は1個ずつしか使えません。魚を焼くグリルもないので今まで魚料理を作るのを諦めてしまっていました。ところが昨日、安売りの塩鯖とカレイの切り身を買って来て、電子レンジでチンしたら、グリルで焼いたような仕上がりになる事が分かりました。これなら面倒な塩抜きも不要です。もうこれから魚は買ってミニ冷蔵庫の製氷室で冷凍保存しておく事にします。家電を1個ずつしか使えないので、どうしても調理に時間がかかり、おかずが仕上がる頃にはご飯が冷めてしまうのが玉に瑕ですがw。
昨日は通天閣のたもとにある「三吉(みよし)うどん」で天ぷら蕎麦を食べて来ました。うどん1杯170円から売っている立ち食いのうどん・蕎麦屋で、芸能人もお忍びでよく来ると噂のお店です。1杯170円のうどんなら、新世界からジャンジャン横町に入った所にある「松屋」が早朝7時から開いているので、私もよく知っていますが、この「三吉うどん」は私も知りませんでした。私が大抵休みの水曜日が定休日で、開店時間も朝10時ぐらいから夕方4時ぐらいまでしかないので、今まで知らなかったのです。本当は卵も入った天ぷら蕎麦を注文したかったのですが、店内のメニューには無かったので普通の天ぷら蕎麦にしました。出汁が効いて美味しかったです。(後で確認したら店の外のメニューには卵入りの天ぷら蕎麦も載っていました)
皆さんは「シチュー」という料理をご存じでしょうか?「シチューだろ。そんなの誰でも知っているよ」というなかれ。ここで言う「シチュー」は、皆さんもご存じの、ドロッとしたクリームシチューやビーフシチューではありません。塩味の透明なスープの中に、牛肉・玉葱・ジャガイモだけが入った、昔ながらのシチューです。
正しくは「シチュウー」と書くそうです。外国船の船員が日本のコックに教えて広まったのだとか。やがて一般家庭にも広まり、私も幼い頃は母の作ったシチューを夕食によく食べました。難波や天王寺の繁華街に出ると、そこかしこにシチューを食べさせてくれる店がありました。やがて、食生活の洋風化が進み、今のドロッとしたシチューが出回るようになると、昔のシチューの味は次第に忘れ去られて行きました。
以前は新世界でも食べられた昔のシチューも、今では天六の大衆食堂「かね又」でしか食べられなくなりました。私はこの味が忘れられず、今でも公休日には時々この「かね又」に通ってシチューを食べています(当時の記事)。「かね又」に来たら、シチューとご飯に卵焼きと小鉢2品が付いて850円のシチュー定食をいつも注文します。シチューにはソースを少し垂らし、山椒をパラパラっと振りかけます。そうすれば味に更に深みが出ます。葱入りの卵焼きも、外はカリカリ、中はドロッとしていて、何とも言えないくらい美味しいです。
このシチューですが、調味料は塩さえあれば作れるそうです。もう他ではどこも作っていない幻のメニュー故に、今まで作るのを諦めていましたが、塩だけで作れるのであれば、これほど簡単なメニューはありません。薄味なので何度食べても飽きません。寒くなるこれからの季節には、まさに打ってつけの料理です…。
そう考えた私は、一度、自分でも作ってみる事にしました。もし、自分で作る事が出来るようになれば、もう、わざわざ電車に乗って天六まで食べに行かなくても済みます。
シチューのレシピもネットで調べました。シチューに使うのは牛すじ肉です。灰汁(あく)抜きした牛すじ肉と玉葱・メークイン(ジャガイモ)を塩味のスープでコトコト煮込んで作ります。実は、牛すじ肉を煮込むには非常に手間がかかります。柔らかくなるまで最低でも1時間は鍋で煮込まなくてはなりません。普通の鍋では難しいので、たいてい圧力鍋で煮込みます。ところが、自炊を始めてまだ経験浅い私は、そんな基本的な事も知らずに、「塩だけで作れる」という点だけに目を奪われ、無謀にも、この「幻のシチュー」作りに挑戦してみる気になりましたw。
近くのスーパーで、賞味期限切れ間近で2割引きとなった豪州産の牛すじ肉150グラムと、玉葱・メークインを1個づつ買って来ました。一人暮らしなので、余り沢山買っても腐らせるだけです。まず牛すじの灰汁抜きからです。牛すじ150グラムをそのまま鍋に入れ、沸騰するまで煮込みます。
牛すじ肉を煮ると大量の灰汁(あく)が出ます。沸騰するまで煮たら、灰汁を捨てて牛すじ肉を一旦水洗いします。
その後、臭い消しの生姜を入れて、再び牛すじ肉を煮込みます。煮込むのは臭い消しの為で、もうほとんど灰汁は出ません。沸騰したら牛すじ肉を出し、ここで初めて適当な大きさに切り分けます。
次に、玉葱をみじん切りにして、牛すじ肉と一緒に鍋で煮込みます。すると、今度は玉葱から野菜の灰汁が出てきますが、野菜の灰汁は旨味があるので捨てません。そのまま一緒に煮込みます。玉葱がとろけるようになれば、メークインも鍋に入れます。その後、最低でも1時間は煮込まなければ、牛すじ肉に味がしみこみ柔らかくはなりません。
火力の弱いIHのコンロでは、玉葱もメークインもなかなか煮えないので、この2品については、電子レンジで4分ほど先に温めておきました。その後、鍋に適量の塩を入れ、牛すじ肉とコトコト弱火で1時間ほど煮込みます。玉葱とメークインは、既に柔らかくなってホクホクとした食感になっていましたが、牛すじ肉だけは、依然として硬いままです。試食すると、まるでチューインガムのような硬さです。最初はクチャクチャ噛んでいましたが、味もしないし美味しくないので、最後には吐き出してしまいました。
そうやって、ずーーーっと煮込んでいるうちに、ついにIHコンロが悲鳴を上げ始めました。高温注意の警告ランプが点灯し、ピーピーと警告音が鳴り出したので、もう電源を落とさざるを得ませんでした。煮込み始めてから50分経った頃です。後10分で規定煮込み時間の1時間となるので、10分間鍋に付けたまま、食材の様子を見ます。玉葱とメークインは、もうトロトロに溶けてしまい、メークインも砕け散ってしまいました。牛すじ肉も、依然として硬いままでしたが、ようやく味がしみこんで来ました。スープの味も、「かね又」のそれに近くなって来ました。
17時に調理を始め、20時になって、ようやく完成しました。普通の鍋で牛すじ肉を煮込んだら、3時間ぐらいかかるという事を、今回身をもって知る事が出来ました。もう遅い時間になってしまったので、副菜なしで、シチューだけをおかずに夕食を食べました。ご飯は宅配のパックご飯ですが、お米専門のメーカー品(サトウのご飯ではない)なので、結構美味しいです。シチューも塩加減はちょうど良かったですが、牛すじ肉の硬いのには閉口しました。1時間近く煮たので、流石に「チューインガム」ほど酷くはありませんでしたが、それでも、ようやくどうにか食べられる程度の柔らかさにしかなりませんでした。
半分余ったシチューは耐熱ボウルに入れ、翌日の夕食にレンチン牛すじカレーにして、トマトポタージュスープと一緒に食べました。こちらは結構、美味しかったです。