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神戸屋ウーピーの1日1時間だけのモーニング

2020年12月09日 19時29分00秒 | なにわB級グルメ探訪
 
大阪・新世界のジャンジャン横丁から道路を渡って飛田新地の方に抜ける動物園前商店街の一角に、1日1時間余しか営業していない謎の喫茶店があります。
その喫茶店の名前は「神戸屋ウーピー」。「ウーピー理髪店」の隣にあり、神戸屋のパンを使っているから、そんな名前にしたのだそうです。隣にある理髪店も、息子さんが経営しています。つまり理髪店と喫茶店は同じ身内同士のお店という訳です。いずれにしても変わった名前の喫茶店です。
息子さんの理髪店の方は夜8時ぐらいまで営業していますが、喫茶店の方は年老いたお婆さんの営業なので、朝9時から10時ぐらいの約1時間しか営業していません。後は神戸屋さんのパンを店頭販売しているだけです。
 
だから、私の家のすぐ近くにあるにも関わらず、今までなかなか、その喫茶店に入る機会がありませんでした。そこで、公休日の今日、その喫茶店のモーニングを一度堪能してみる事にしました。
西成あいりん地区の銭湯は早朝6時から営業しているので、まず最初に朝風呂を堪能してから、その喫茶店に行く事にしました。銭湯に行く前の午前8時頃は、まだ喫茶店は「準備中」でした。銭湯から帰って来た午前9時頃になり、ようやく喫茶店の営業が始まりました。
 
 
店内には4人がけのテーブルと椅子がカウンターの前に3組、奥に2組ほどありました。メニューは机の上にはなく、壁に貼ってありました。モーニングサービスも、400円のトーストと500円のサンドイッチの2種類があります。私はトーストの方を注文しました。
店内には地元客と思しきお爺さんとお婆さん、もう一人のお爺さんがいました。もう一人のお爺さんと入れ替わりに、一見の観光客と思しき男性が、奥の4人がけのテーブルに座り、スマホをいじくっていました。
 
やがてモーニングサービスのトーストとコーヒーが出来上がりました。トーストには茹で卵とフルーツが付いています。茹で卵だけならどこにでもあるモーニングですが、フルーツも付いている所は、大阪ではもうここぐらいではないでしょうか。
フルーツは日替わりで今日はマスカット。普段、野菜や果物を食べる機会に恵まれない一人暮らしの非正規労働者にとっては、貴重なビタミン源です。マスカットは皮も柔らかかったので、茎以外は全ていただきました。
 
モーニングを堪能した私は、お会計を済ませて店を出る事にしましたが、レジの右側には何やら見慣れない機械が…。店主のお婆さんに「何の機械か?」尋ねると、「パン切り機」だそうです。そう言えば店頭にも「神戸屋工場直送の食パンを4〜6斤にオーダーカットします。1斤240円」との告知板がありました。今時珍しい喫茶店です。
 
ちなみに、この動物園前から飛田一帯の商店街には、他にも「ウーピー」の名を冠した理髪店が数軒あります。それらはいずれも、この神戸屋ウーピーの隣の理髪店から暖簾分けされて出来た店なのだそうです。
「ウーピー」の名前の由来については諸説ありますが、昭和初期の世界大恐慌の後、創業者が景気付けに、「わーい」とか「頑張れ」という意味の英語「アップ(UP)」をもじった物だとする説が有力なのだそうです。
 
左上写真のレジスター右にあるのがパン切り機。右上写真の赤丸印の告知板が食パンオーダーカットのお知らせ。
 
左が準備中(午前8時前、緑丸印)、右が営業終了(午前10時過ぎ、青丸印)の告知。
 
左は動物園前一番街の賑わい。右はその更に奥(飛田新地側)の動物園二番街にある分家のウーピー理髪店。この分家も神戸屋ウーピー隣の本家からの暖簾分けで店を始めました。
 
第三波のコロナ感染拡大で、通天閣が赤信号に染め上げられ、お膝元の新世界の居酒屋も元気がありませんが、目を南に転ずれば、こちらは居酒屋も相変わらず大賑わいです。その影では、昔ながらの神戸屋ウーピーなどのお店は、後継者難で閉店が相次ぎ、中国人経営の居酒屋に変貌してしまいました。
しかし、中国人の居酒屋なんて所詮「外人部隊」に他なりません。「自分達さえ儲かればそれで良し。後は野となれ山となれ」。日本のブラック企業と同じ発想です。「地域住民との共存・共栄」なんて、これっぽっちも考えてはいません。こんなアコギな商売でも成り立つのも、呑んべいの多い西成あいりん地区だからこそです。他の場所では恐らく見向きもされないでしょう。
 
それに引き換え、神戸屋ウーピーや、その近くの歯医者は、店主が高齢化している事もあり、夕方にはもう店じまいしてしまいます。神戸屋ウーピーに至っては、1日たった1時間しか喫茶店営業していません。
おまけに神戸屋ウーピーは、机の上にメニュー表も置いていなければ、このコロナ感染のご時世にも関わらず、お絞りすら出そうとしません。しかし、それでも店内はそこそこの数の客で意外と賑わっていました。歯医者の方も、診療時間が短い分、すぐに予約で埋まってしまいます。
 
確かに、この調子では、お世辞にも効率的な営業とは言えません。経営的には多分、赤字でしょう。それでも、一定の客からは支持されている。これこそが、地元密着型の商売の強みです。
政府や大阪府知事、大阪市長も、ひたすら外国人観光客のインバウンド需要頼み、コロナ感染拡大リスクと背中合わせのGO TOキャンペーン需要頼みなんかではなく、堅実に商売していたら誰でも儲かり地域も潤う、そんな経済政策を心がけて欲しいものです。動物園前商店街の賑わいが再び蘇る事を願って、この報告を終わります。

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