前にも書いた通り、私の今の仕事は商品の仕分けです。ただ商品出荷先の店名・店番号ラベルを見て、商品のケースをカゴ車やドーリーに振り分けていくだけです。そこだけを見れば、誰でも直ぐにできる仕事です。だから、会社の方でも、外国人バイトや年末応援の学生バイトを、何の事前説明もなく、現場で作業している私たちレギュラーのバイトにどんどん押し付けてくるのでしょう。
でも、たかが仕分けと言えども、やはり固有の作業手順やルールが存在します。商品の積み方、ラベルの貼り方、検品の仕方などについて、それなりに決まり事があります。それらの決まり事の中には、確かに余り意味のない物もありますが、大抵は、それなりに理由があって決められた物です。
それらの決まり事を、いきなりやって来たズブの素人の応援バイト相手に、最初の通り一遍の口頭説明だけで周知しようとしても無理です。そんな時間もないし、説明される方も、これだけの内容を、いきなり一度に言われても頭に入る物ではありません。とりあえずは最初の手順だけ説明して、後は作業しながら覚えてもらうしかありません。
でも、そんな場当たり的なやり方にばかり頼っていると、必ず漏れる部分が出てきます。「大事な事なのに説明していなかった」「その説明が漏れた為に、大きなミスをしてしまったり、労災事故を引き起こしてしまった」という事も、過去に何度もありました。
それを防ぐために、下記のような作業マニュアルを現場の壁に掲示し、レギュラーのバイトにはコピー配布もして、周知徹底させてきたのです。これだけの内容を、いきなり現場にやってきたズブの素人の応援バイトに、最初の通り一遍の口頭説明だけで、周知させる事が果たして可能かどうか。会社の方でよく考えてもらいたいと思います。
農産PC仕分け作業マニュアル
目次
チェックは確実に行う!-------------------1
詰め合わせも間違えないように!-----------2
ドーリーを運ぶ時は必ず縦向きに-----------3
危険箇所に注意!-------------------------4
作業場の整理整頓-------------------------5
仕分けは検品が終わってから---------------6
「加工中」の商品を移動したい場合---------7
店の看板は丁寧に扱おう-------------------8
もし店の番号が分からない場合は?---------9
バーコードシールを貼らなくてもよい店----10
サンキャリーの使い方--------------------11
チェックは確実に行う!
チェックを怠ると、積み間違いを見逃してしまい、後でまた商品を届け直さなくてはならなくなります。
チェックは、10段積むごとに、1段ずつ確実に行って下さい。そして、誰がチェックしたか分かるように、チェックした人の名前をサインし、同じ店のバーコードシールを1番上のケースの真ん中上側に、剥がれないようにしっかりと貼ります。
詰め合わせも間違えないように!
少ないケース同士は詰め合わせて、できるだけ多くトラックに積み込めるようにしましょう。
AとA、BとB等、同じ種類の商品は詰め合わせる事ができます。AとB等、違う種類の場合は詰め合わせできないので注意して下さい。
詰め合わせる時は、同じ店の商品か必ず確認した上で、ケースからあふれ出ないように詰め合わせ、元のラベルは少しずらして貼って下さい。
ドーリーを運ぶ時は必ず縦向きに
ドーリーを、横向きのまま押すと、直ぐに後ろに倒れてしまいます。
その結果、商品を潰してしまったり、人を怪我させてしまったら、大変な事になります。
ドーリーは、どんな時でも、必ず縦向きに運んで下さい。
そして、前方や左右の安全をしっかり確認しながら運ぶようにして下さい。
危険箇所に注意!
床がへこんだり傾いたりしている場所にはテープで×印がしてあります。また、それ以外にも、へこんだり傾いたりしている場所があるかも知れません。
そのような場所を通る時は、運んでいる荷物を倒したり、転んで怪我したりしないように、特に気をつけて下さい。
作業場の整理整頓
作業場に空ケース等の備品が散らかっていると事故や怪我の元になります。
また、日頃から備品を整理し、数量を把握しておかなければ、イザという時に備品が足らなくなります。
ドーリー(オレンジの台車)は10台ずつ、
クレート(グリーンのケース)は20枚ずつ、
きちんと分け揃えて、それぞれ決められた場所に保管しておきましょう。
仕分けは検品が終わってから
まだ検品していない商品を勝手に仕分けしないように!もし、そんな事をしてしまったら、後で商品が余ったり足らなくなっても、調べにくくなります。
検品が終わった商品から仕分けるようにして下さい。「加工中」の札がかかった商品も、まだ検品できませんので、勝手に動かしたり仕分けしたりしないで下さい。
「加工中」の商品を移動したい場合
「加工中」の札がかかっている商品も検品が終わるまで勝手に動かす事はできません。しかし、どうしても邪魔な時は、下記のように、札に載っている表に、引込数と引込者の名前を必ず書いて下さい。そうすれば、後の出来上がり数に引込数を足せば、元々あった数が分かるので検品できます。
店の看板は丁寧に扱おう。
ケースを積んだら、店の看板もケースと一緒に上の方に掛け直して下さい。看板をいつまでもドーリーに差し込んだままにしておくと、ケースの重みで看板が抜けなくなります。無理に引き抜くと看板が壊れ、シールも用意できなくなります。
看板は、なるべく、下から2段目よりも上のケースに掛け直すようにして下さい。
もし店の番号が分からない場合は?
もし、店のシールが剥がれ落ちてしまって、どこの店か分からないケースが出てきても、中の袋を見ればOK!袋にも店の番号が書かれたシールが貼られています。
但し、中には店の番号シールが貼られていない袋もあるので、その時は、直ぐに社員かベテランのバイトに報告し、その人たちの指示に従って下さい。
バーコードシールを貼らなくてもよい店
次の一部の店については、元々数が少ない等の理由で、午後からの分については、バーコードシールを貼らなくても良い事になっています。
●2番、5番、72番、135番
●その他の100番台の店
サンキャリーの使い方
オレンジ色のドーリーがない時は、写真のサンキャリー(青色と水色のドーリー」を代わりに使います。但し、サンキャリーのツメは片側(水色の方)にしかないので、①商品を積む時は必ず水色の方を左にして、②商品を運ぶ時も必ず水色の方から手前に引っ張る。青色の方にはツメがないので、絶対に水色の方から青色の方へは押さない事。
以上が、私が自分で作成して現場に掲示した作業マニュアルの全文です。片言の日本語しか喋れない外国人バイトの方にも読めるように、漢字には全てフリガナを付け、小学5・6年生ぐらいの子供でも理解できる文章で、分かりやすく説明するよう心がけて作りました。
それで、今まではこのマニュアルで何とか対応でき、年末も無事に乗り切る事が出来ました。ところが、年明け早々、私が予想もしない事が起こりました。
何と、日本語を全く喋れない外国(ベトナム)人バイトを、派遣会社が私の担当する現場に回してきたのです。今までなら、たとえ片言でも日本語が通じたので、今のレギュラーのベトナム人バイトとも、意思疎通を図りながら仕事をする事が出来ました。でも、先日来た彼は、日本語が一切喋れませんでした。私がマニュアルの文章を指さして、平仮名が読めるかどうか確認しても、全く読めませんでした。
さすがにこれでは、私のマニュアルもお手上げです。私は副所長を呼んで、その彼には別の部署にお引取り願う事にしました。しかし、その別の部署の作業も一段落付くと、もう他にさせる仕事もないので、また私の所に回って来ました。幾ら日本語が喋れなくても、それだけで以て「帰れ!」と言うのも酷な話なので、もう仕方なく、ベテランのベトナム人バイトPさんに、マニュアルの文章をベトナム語に通訳してもらう事にしました。
それでどうにか、その日は無事に仕事を終える事が出来ましたが、私はもう怒り心頭です。だって、私もベトナム人のPさんも、同じたった時給900円のバイトにしか過ぎないのに、そんな低待遇のまま、なぜ通訳みたいな事までさせられなければならないのか!
それ以前に、そもそも、彼らベトナム人バイトは、表向きは、あくまでも留学生として日本に働きに来ている事になっています。日本国内で技術を習得して、将来、自分の国に帰れば、祖国で次代のリーダーとして活躍してもらうべく、日本で仕事を覚えてもらうというのが、留学生制度の建前です。ところが実際は、たった時給900円で、わざわざ日本に来なくてもベトナムでも幾らでも習得できる単純労働の商品仕分け業務に従事させた上、ベトナム人の通訳みたいな事までさせているのです。英会話スクールの講師ですら、時給1500円から2000円はもらっていると言うのに。
これが、安倍政権が推進する「経済のグローバリゼーション」(国際化・自由化・民営化)の実態です。「TPP(環太平洋経済連携協定)で関税などの規制を取っ払い、人と物の往来を促す」という美名の下に、「労働ダンピング」(労働力の値踏み、買い叩き)を行っているのです。安倍政権が鳴り物入りで宣伝する「アベノミクス」や「1億総活躍社会」も、所詮は「外国人労働者や非正規労働者を安くこき使って搾取した金で、富裕層が株価バブルにうつつを抜かし、大企業正社員をわずかばかりの賃上げで手なずけている」だけでしかないのです。それを今更ながら身を以て思い知らされた今年の年末でした。
でも、たかが仕分けと言えども、やはり固有の作業手順やルールが存在します。商品の積み方、ラベルの貼り方、検品の仕方などについて、それなりに決まり事があります。それらの決まり事の中には、確かに余り意味のない物もありますが、大抵は、それなりに理由があって決められた物です。
それらの決まり事を、いきなりやって来たズブの素人の応援バイト相手に、最初の通り一遍の口頭説明だけで周知しようとしても無理です。そんな時間もないし、説明される方も、これだけの内容を、いきなり一度に言われても頭に入る物ではありません。とりあえずは最初の手順だけ説明して、後は作業しながら覚えてもらうしかありません。
でも、そんな場当たり的なやり方にばかり頼っていると、必ず漏れる部分が出てきます。「大事な事なのに説明していなかった」「その説明が漏れた為に、大きなミスをしてしまったり、労災事故を引き起こしてしまった」という事も、過去に何度もありました。
それを防ぐために、下記のような作業マニュアルを現場の壁に掲示し、レギュラーのバイトにはコピー配布もして、周知徹底させてきたのです。これだけの内容を、いきなり現場にやってきたズブの素人の応援バイトに、最初の通り一遍の口頭説明だけで、周知させる事が果たして可能かどうか。会社の方でよく考えてもらいたいと思います。
農産PC仕分け作業マニュアル
目次
チェックは確実に行う!-------------------1
詰め合わせも間違えないように!-----------2
ドーリーを運ぶ時は必ず縦向きに-----------3
危険箇所に注意!-------------------------4
作業場の整理整頓-------------------------5
仕分けは検品が終わってから---------------6
「加工中」の商品を移動したい場合---------7
店の看板は丁寧に扱おう-------------------8
もし店の番号が分からない場合は?---------9
バーコードシールを貼らなくてもよい店----10
サンキャリーの使い方--------------------11
チェックは確実に行う!
チェックを怠ると、積み間違いを見逃してしまい、後でまた商品を届け直さなくてはならなくなります。
チェックは、10段積むごとに、1段ずつ確実に行って下さい。そして、誰がチェックしたか分かるように、チェックした人の名前をサインし、同じ店のバーコードシールを1番上のケースの真ん中上側に、剥がれないようにしっかりと貼ります。
詰め合わせも間違えないように!
少ないケース同士は詰め合わせて、できるだけ多くトラックに積み込めるようにしましょう。
AとA、BとB等、同じ種類の商品は詰め合わせる事ができます。AとB等、違う種類の場合は詰め合わせできないので注意して下さい。
詰め合わせる時は、同じ店の商品か必ず確認した上で、ケースからあふれ出ないように詰め合わせ、元のラベルは少しずらして貼って下さい。
ドーリーを運ぶ時は必ず縦向きに
ドーリーを、横向きのまま押すと、直ぐに後ろに倒れてしまいます。
その結果、商品を潰してしまったり、人を怪我させてしまったら、大変な事になります。
ドーリーは、どんな時でも、必ず縦向きに運んで下さい。
そして、前方や左右の安全をしっかり確認しながら運ぶようにして下さい。
危険箇所に注意!
床がへこんだり傾いたりしている場所にはテープで×印がしてあります。また、それ以外にも、へこんだり傾いたりしている場所があるかも知れません。
そのような場所を通る時は、運んでいる荷物を倒したり、転んで怪我したりしないように、特に気をつけて下さい。
作業場の整理整頓
作業場に空ケース等の備品が散らかっていると事故や怪我の元になります。
また、日頃から備品を整理し、数量を把握しておかなければ、イザという時に備品が足らなくなります。
ドーリー(オレンジの台車)は10台ずつ、
クレート(グリーンのケース)は20枚ずつ、
きちんと分け揃えて、それぞれ決められた場所に保管しておきましょう。
仕分けは検品が終わってから
まだ検品していない商品を勝手に仕分けしないように!もし、そんな事をしてしまったら、後で商品が余ったり足らなくなっても、調べにくくなります。
検品が終わった商品から仕分けるようにして下さい。「加工中」の札がかかった商品も、まだ検品できませんので、勝手に動かしたり仕分けしたりしないで下さい。
「加工中」の商品を移動したい場合
「加工中」の札がかかっている商品も検品が終わるまで勝手に動かす事はできません。しかし、どうしても邪魔な時は、下記のように、札に載っている表に、引込数と引込者の名前を必ず書いて下さい。そうすれば、後の出来上がり数に引込数を足せば、元々あった数が分かるので検品できます。
店の看板は丁寧に扱おう。
ケースを積んだら、店の看板もケースと一緒に上の方に掛け直して下さい。看板をいつまでもドーリーに差し込んだままにしておくと、ケースの重みで看板が抜けなくなります。無理に引き抜くと看板が壊れ、シールも用意できなくなります。
看板は、なるべく、下から2段目よりも上のケースに掛け直すようにして下さい。
もし店の番号が分からない場合は?
もし、店のシールが剥がれ落ちてしまって、どこの店か分からないケースが出てきても、中の袋を見ればOK!袋にも店の番号が書かれたシールが貼られています。
但し、中には店の番号シールが貼られていない袋もあるので、その時は、直ぐに社員かベテランのバイトに報告し、その人たちの指示に従って下さい。
バーコードシールを貼らなくてもよい店
次の一部の店については、元々数が少ない等の理由で、午後からの分については、バーコードシールを貼らなくても良い事になっています。
●2番、5番、72番、135番
●その他の100番台の店
サンキャリーの使い方
オレンジ色のドーリーがない時は、写真のサンキャリー(青色と水色のドーリー」を代わりに使います。但し、サンキャリーのツメは片側(水色の方)にしかないので、①商品を積む時は必ず水色の方を左にして、②商品を運ぶ時も必ず水色の方から手前に引っ張る。青色の方にはツメがないので、絶対に水色の方から青色の方へは押さない事。
以上が、私が自分で作成して現場に掲示した作業マニュアルの全文です。片言の日本語しか喋れない外国人バイトの方にも読めるように、漢字には全てフリガナを付け、小学5・6年生ぐらいの子供でも理解できる文章で、分かりやすく説明するよう心がけて作りました。
それで、今まではこのマニュアルで何とか対応でき、年末も無事に乗り切る事が出来ました。ところが、年明け早々、私が予想もしない事が起こりました。
何と、日本語を全く喋れない外国(ベトナム)人バイトを、派遣会社が私の担当する現場に回してきたのです。今までなら、たとえ片言でも日本語が通じたので、今のレギュラーのベトナム人バイトとも、意思疎通を図りながら仕事をする事が出来ました。でも、先日来た彼は、日本語が一切喋れませんでした。私がマニュアルの文章を指さして、平仮名が読めるかどうか確認しても、全く読めませんでした。
さすがにこれでは、私のマニュアルもお手上げです。私は副所長を呼んで、その彼には別の部署にお引取り願う事にしました。しかし、その別の部署の作業も一段落付くと、もう他にさせる仕事もないので、また私の所に回って来ました。幾ら日本語が喋れなくても、それだけで以て「帰れ!」と言うのも酷な話なので、もう仕方なく、ベテランのベトナム人バイトPさんに、マニュアルの文章をベトナム語に通訳してもらう事にしました。
それでどうにか、その日は無事に仕事を終える事が出来ましたが、私はもう怒り心頭です。だって、私もベトナム人のPさんも、同じたった時給900円のバイトにしか過ぎないのに、そんな低待遇のまま、なぜ通訳みたいな事までさせられなければならないのか!
それ以前に、そもそも、彼らベトナム人バイトは、表向きは、あくまでも留学生として日本に働きに来ている事になっています。日本国内で技術を習得して、将来、自分の国に帰れば、祖国で次代のリーダーとして活躍してもらうべく、日本で仕事を覚えてもらうというのが、留学生制度の建前です。ところが実際は、たった時給900円で、わざわざ日本に来なくてもベトナムでも幾らでも習得できる単純労働の商品仕分け業務に従事させた上、ベトナム人の通訳みたいな事までさせているのです。英会話スクールの講師ですら、時給1500円から2000円はもらっていると言うのに。
これが、安倍政権が推進する「経済のグローバリゼーション」(国際化・自由化・民営化)の実態です。「TPP(環太平洋経済連携協定)で関税などの規制を取っ払い、人と物の往来を促す」という美名の下に、「労働ダンピング」(労働力の値踏み、買い叩き)を行っているのです。安倍政権が鳴り物入りで宣伝する「アベノミクス」や「1億総活躍社会」も、所詮は「外国人労働者や非正規労働者を安くこき使って搾取した金で、富裕層が株価バブルにうつつを抜かし、大企業正社員をわずかばかりの賃上げで手なずけている」だけでしかないのです。それを今更ながら身を以て思い知らされた今年の年末でした。
入管法の規定や、以前教えてもらった「外国人雇用com」サイトの解説通りだとすれば、多分、実習生だと思います。もしそうであれば、「記事の文章は、留学生ではなく実習生の間違いでした」と訂正すればそれで済むのですが、事はそう単純ではありません。なぜなら、以前、社員に外国人バイトの属性について聞いた所、「留学生の資格で来ているのではないか」という返事でしたから。
もし、留学生であるなら、余り褒められた話ではないですが、勉学や語学習得ではなく単に遊学目的の留学生も、日本人・外国人問わず、少なからずいるのは確かです。そういう人の中には、外国に何年留学していても、ほとんど先方の言葉が喋れない人も少なくないようなので、この記事で紹介した「ほとんど日本語が喋れない外国人」の例も、決して有り得ない話ではないでしょう。
ここで正直に白状しますが、外国人バイトの当日出勤人数すらも、社員は満足に把握していません。現に、副所長ですら、「今日は一体何人来るのだろうか?」と言っているくらいです。そんな状態なので、「外国人バイトは、留学生か、実習生か、派遣か請負か?」という問いに答えられる社員なぞ、おそらくほとんどいないのではないでしょうか。だから、先の社員も「留学生ではないか」と、伝聞の形でしか答えられなかったのでしょう。
本当は当の外国人バイトに直接聞くのが一番手っ取り早いのですが、日本語が喋れるベテランの外国人バイトでも、そういう「込み入った」質問になると、ほとんど日本語が通じなくなります。かと言って、その同じ内容の質問を、相手国の言葉で喋る事のできる社員が、果たしてどれだけいるでしょうか?
しかも、外国人バイトの国籍は一カ国だけではありません。現に私のいる部署でも、ベトナム人に混じってサウジアラビア人の女性が一人います。私、その女性の担当者(派遣会社の社員?もしくは外国人斡旋業者?)から、「今日からこの女性を宜しくお願いします」と、直接挨拶されました。
その女性も、一応は片言ながら日本語を喋れて、平仮名・カタカナも読めますが、他のベトナム人バイトとは違い、同じサウジの出身者が他に誰もいないので、なかなか職場に馴染めないようです。作業手順などはベトナム人バイトから教わるようになっているようですが。
お恥ずかしい限りですが、これが職場の外国人雇用の実態です。私は今まで、グローバリセーションが進めば進むほど、日本人と外国人の間の文化や言葉の壁は取り払われると思っていました。それが「国際化」だと認識していました。ところが実際は、言葉も満足に喋れない人が、日本まで来て、安い賃金で好い様にこき使われるというものでした。
それどころか、外国人バイトが職場に働きに来る事すら、私たち日本人バイトは何も聞かされていませんでした。「気が付いたら、周囲はいつの間にか外国人だらけになっていた」という感じです。
この記事の中で掲げた作業マニュアルも、そんな手探りの状況の中で、私が作り始めたものです。私自身も半信半疑ながら、それでも「無いよりはマシだろう」という、藁にもすがるような気持ちで作りました。
つとめて平易な文章で書いたつもりですが、それでも、結構詳しい手順まで書いたので、かえって煩雑すぎて分かりにくいのではないかと心配でした。ところが、意外とこのマニュアルについては、すんなり理解してくれました。
多分、これについては、外国人バイト担当者(派遣会社の社員?もしくは外国人斡旋業者?)の方からも、何らかの形で指導が入っているのではないかと、私は勝手に推測しています。
どちらにしても、ベテランのベトナム人バイト3名の方については、よく働いてくれるので非常に感謝しています。この3名の方については、「岩手産キャベツ」や「ほうれん草」程度なら漢字も読めるので、検品業務にも携わってもらっています。新人の外国人バイトの教育も、私を補佐する形でやってもらっています。本当は、たった時給900円の低賃金で、こんな事までさせたくはないのですが、他に良い手立てがない以上、背に腹は代えれません。
しかし、そうは言っても、誰が来るか当日のその時にならなければ分からない、バイトの公休日や契約時間も分からないでは、仕事の段取りも立てようがないので、先日思い切って、外国人バイトの勤務表をくれる様に社員に言いました。その時に、バイトの身分を聞いてみたら、やはり留学生でした。仕事をしながら日本語学校に通っているそうです。