新聞を見ていたら「地湧金蓮花が5年ぶりにようやく咲いたので、網代公民館に寄贈。いつでも見学できる」との記事がありました。
大体なんと読むのだろう?
困ったときのパソコン頼りで、調べましたとも。
予習した上で、わくわくしながら網代公民館へ行きました。
ちゆうきんれんかと読む地湧金蓮花
ちょっとがっかりかな・・・
期待しすぎたということもあるのでしょうが、名前負けかも。ただ300日も咲き続けるところは立派です。
駐車できなかったので、写真が撮れませんでしたが、草丈は1メートルくらいの、小ぶりの芭蕉という感じでした。
でも、花の黄色は鮮やかでした。
300日も咲く地湧金蓮花
駐車できなかったというのは、この花をお目当ての車が、道の向こうに見えるのです。
狭い路地でしたから、あわてて出て道を譲らないといけない状況でした。
すれ違いざまに運転している人を見たら、なんと年配の男性。しかも一人。
新聞を読んで飛んできたとしたら、こういう人は、ボケにくい生きかたが身についている人ですよね。
今日の話題は、同じ新聞に掲載されていた読者の投稿記事が気になったのでそちらがメインです。
数年前に脳卒中を起こし後遺症がある夫を介護している方からの投書でした。
投稿の趣旨は、「『康介が苦しい時は、コーチもつらい』という新聞記事を読んで『夫がつらい時は、私も本当に苦しい』ということを夫にわかってもらえない」というもので、確かに暗澹たる思いの毎日だろうと読みながらこちらもつらくなりました。
蝶(死んだ蝶の周りに何匹もの蝶が舞って、あたかも葬式のようでした)
丁寧に投書を読んでいくと、もう少し状況がよく理解できます。
1脳卒中後、左半身麻痺から歩ける距離が20分ほどまでになった矢先交通事故
2そのため、リハビリ目的で施設入所中
3外科・内科など通院が多いが、そのたびに「自宅になぜ帰れない」と一悶着
4その実24時間全生活、目が放せない状態
5夫はどこも悪いと思っていない(から自宅で生活できると思っている)
6夫は「いつもだめというばかり」と妻を責める
7「夫がつらい時は、私も本当に苦しい」ことを夫にわかってもらうのは無理
この方は、後遺症として「高次脳機能障害」といわれています。
左半身麻痺から始まっていますから、脳がダメージを受けたのは、右側ということになります。
ということは、右脳にダメージを受けて、高次脳機能障害といわれたわけですから、はっきりとした右脳障害後遺症があるということになります。
普通に測定できる右脳障害は、構成失行ですから、この方は「形の認知に障害がある」ということになります。
そこからすぐに類推できることは、
洋服が着られない
歩けるならば、道に迷う
片づけができない
掃除が雑
ちょっとした修繕、電球の付け替えでも、壊してしまうようなことを起こす
などの生活上の不便さがおきることが見えてきます。
この方は、麻痺があったものですから、こういう生活上のトラブルはかえってあまり表に出てこなかったと思いますが、右脳障害が理解できていないと、家族は「なぜこんなことができないの!言うばっかりなんだから」ととても落ち込みます。
3月4日のブログ右脳障害後遺症ー右脳が壊れるということから続けて、いくつかまとめて書きましたから復習してください。
極楽鳥花
「形の認知」のように単純なことではない、なかなか測定できにくい「右脳障害」のほうにも目を向けなくてはいけません。
それは、病識がないことや、現状認識のずれがおきることや、相手の感情に配慮できなくなることなどで、実際はこの障害こそが家族を苦しめる原因になりがちなのです。
それなのに、言葉は普通。右脳障害後遺症ー「話す」と「わかる」を参照してください。
話だけ聞いていると、当然のことを要求するかのように訴え、表現は普通の日本語でおかしいところはないのです。
このことで、どんなに家族はつらい思いになることでしょうか!
投稿記事に戻りましょう。
3・5・6は右脳障害による現状の認識のずれが言わせていると考えてみてください。
状況は変わらなくても、傷つき方が違うはずです。
言葉が普通なだけに「わかっているはずなのに、こんなことを言って又私を苦しめる」と思っているはずです。
わかっていないのです。
それもご本人が悪いのではなく脳卒中がそうさせた(後遺症)なのですから。
麻痺に対して、私たちはどうにかしてあげたいと思いこそすれ怒りません。
右脳障害後遺症に対しても、説明できる保健師さんになってください。
そして、夫が病気になっただけでも、悲しい妻を、さらに悲しませることのないようにしてくださいね。