前頭葉の働きの説明をしてみると、なかなか具体的に理解してもらえることは難しいものです。
知人とおしゃべりをしていました。この人は脱サラして立ち上げた会社を一部上場までさせた立志伝中の人なのですが、ハッとするようなことを話されます。
「軽井沢の研修施設に、バーがあるんですが、そのバーの名前が『いないいないバー』っていうんです。
そのバーを利用する人は、順番にカウンターの向こうに入ってバーテンダーにならないといけないのですが、そのバーテンダーが『なんちゃってバーテンダー』といわれるものなんです。」
こういう話は「その次は何?」って興味をそそるでしょ?
そそられない人は、前頭葉の多くの働きの中で少なくとも「ユーモア」に関してはちょっと問題ありかなぁ(笑)
農家の人。魚屋のおっさん。保険屋さん。先生。車の整備工・・・
何でも構わないんだけど、前の人とは違ったものでないといけないし、状況は前の場面を受けてという制約をつけてます。
そのバーテンダーが『なんちゃってバーテンダー』というわけ。」
場の雰囲気を判断したうえで、どんな職業を選ぶか。どんなセリフを言うのか。どういうふるまいにするか。
そして根底にはユーモアを交えて・・・この課題が難しいことは理解できると思います!
状況判断する力も、選択する力も、想像する力も、表現力も、そしてもちろんユーモアも、脳の機能から言えばすべて前頭葉機能。
教え込まれただけではダメ。
かといって知識も必要ですが(左脳)、それ以上にものを言うのは、実際に身体を動かして体験し(右脳)、「よかった」とか「悪かった」などとその評価を重ねてきた(前頭葉)事実が、ものを言います。
いろいろなシチュエーションに対応できる能力を磨く「いないいないバー」の話でした。