脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

三沢市活動発表交流会

2007年10月31日 | 認知症予防教室

Misawa
交流会のプログラムです。様子を報告しますが、何しろ写真が不出来で申し訳ありません。
P1000043 にこにこサークルは一番最初の教室です。平成14年から続いていることに脱帽。動きがシャープで皆さんよく合っていることにも驚きました。手作り帽子とネクタイも!

P1000042_2 古間木地区は新聞紙で作った造花の披露でした。大作ぞろいで皆さんの登場の時には会場からどよめきが上がりました。ロビーでの作品展示も好評でした。

P1000040_2 大津地区の盆踊り。盆踊り会場で踊ることも楽しいものですが、舞台で赤い帯を締めて踊った感想はいかがでしたか?合いの手をかけるときには笑顔がこぼれていました。

P1000037 堀口地区は、地域のピアノの先生のご指導を受けています。教室を継続させるには地域の人材発掘も重要な条件です。
赤いベレーと楽譜も素敵ですがハーモニーも素敵で会場からも唱和の声が響きました。

P1000035_2 谷地頭地区は登場人物4人と一番少なかったのです。ところが皆さん舞台の上で堂々と自分の言葉で語ってくれました。
それが素敵でした。教室で習ったわらじにとどまらず、次のステップに進んだことも共通して報告されました。
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平畑地区は音楽に乗せた体操を披露してくれました。かなりな運動量だとおもいましたが、日ごろから継続していらっしゃることがよくわかりました。
P1000029_2 北浜地区は大所帯でした。舞台いっぱいに皆さんが体操されるのは壮観でした。終わったときに思わずこぼれた笑みから、逆に緊張感が伝わってきました。キヨシのズンドコ節、楽しいですね。

P1000021 浜三沢地区のアルゴリズム行進には驚かされました。
テレビで見たとき、「皆違う動きをするなんて、難しい。とてもできそうもない」と思いました。皆さんが見事にバラバラということがわかっていただけるかと思います。会場大喝采でした。衣装もよかった・・・でも体操そのものとそのチャレンジ精神に脱帽。

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最後の下久保地区は手話合唱「青い森のメッセージ
涙が出てきたのは私だけだったのでしょうか?そのくらい伝えるものを、歌も、手話も持っていたと思います。
気持ちを込めるという一点を目標にされたのではないでしょうか?
右脳と前頭葉の連携プレイです。

P1000012当日司会をしてくださった地域包括支援センターのE藤さん。手話の指導をされたんですね。席から一緒にやって下さっていたのを見ましたよ。
「ボケ」予防の講演をしている講師がこんなにボケさせてしまってごめんなさい。どうしても紹介したかったのです。

奥州市の脳元気教室交流会も見てください。
平成17年度交流会もあります。


名づけて三沢方式

2007年10月30日 | 各地の認知症予防活動

三沢市は、去年に引き続きの講演でした。

昨年の講演会の様子
http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20061214

今年も交流会を計画しているということを聞いていましたから、楽しみに伺いました。
Img なんとまあ、全部で9教室も!
とにかく、今年立ち上げたのが8教室。ちょっとひるんだ教室もあったのでしょうか、参加したのが6教室。

企画の段階で「ステージで活動発表をしましょう」と声をかけるときに、保健師さんたちは「大丈夫かしら?無理ではないかしら?嫌がられないかしら?」と遠慮っぽくなるのが通例ですが、教室がうまく運営されていれば(楽しいプログラム、かくしゃく老人のリーダー、ボランティアも楽しく元気)皆さんノリノリでアイディアを出したり自主練習したりするものなのです。
去年の三沢がその通りでした。
継続教室は、時間の都合で遠慮してもらったところもあったのだそうです。でも、会場には元気にいらっしゃっていました。

「8教室もよく同時に立ち上げたこと!」という私の質問に答えてくれたのがT保健師さん。地域包括支援センターに異動になったことと、この事業を地域包括支援センターの担当にするということが同時進行して、今年から少し新しい形をとることになったようです。
P1000001
その内容は、三沢市に4事業所があるので、それぞれ地域別に2教室を割り当てて、「介護予防教室」の運営を委託するのです。
「検査と生活指導は?」という問には
「それは、すべて市がやります」ごく当然のように答えてくれました。
国保中央会の二段階方式研修会にN保健師さんが参加して始まった三沢市の認知症予防活動。
個別生活改善指導を、活動の中心にすえる精神は脈々と受け継がれていることに感動もし安心もしました。

今年新採用のT保健師さん。先輩保健師さんたちと一緒にテストや生活指導をやった印象を聞いてみると
「おもしろいです。すごいなあとおもいました。」と顔を輝かせて語ってくれました。
三沢出身ですってね。
ふるさとのお年寄りのために、がんばってくださいね。

本年度は市側が指導しながら一ヶ月に2回開催します。P1000003_2 そして来年度は、一ヶ月に1回、事業所のスタッフが教室運営を手伝いますが、あくまでも自主運営するためのお手伝い。このように言い切れるのは、平成14年度から1教室ずつ立ち上げては自主活動として継続ができている自信なのでしょう。
事業所から「リーダー養成講座を開いて欲しい」という要望が出てきているそうで、T保健師さんは「継続教室のリーダーさんたちに講師になってもらってやるつもりです」と、ちゃくちゃくと自主活動への布石が敷かれていっているようでした。

そして来年度は新規教室を4ヶ所開始し、今年と同様各事業所が一ヶ月に2回教室ずつ開催していくという計画を考えているそうです。

今回のような催しを通じて、「自分の地区にはない」という声が上がれば、教室の立ち上げには追い風です。
実際ロビーの作品展示コーナーで、「これ素敵。作ってみたいわ」「この地区ではこんな作品を作ってるんだ!」などという声が聞かれました。
P1000009 P1000008

「教室の運営を事業所に委託して、二段階方式による検査や生活指導は行政サイドの保健師さんが責任を持つ」というやり方は、私がかかわっている中では初めて聞きました。
「三沢方式」といってもいいのではないでしょうか?
期待しています♪


ここで一服、紅葉狩り

2007年10月29日 | 私の右脳ライフ

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青森県三沢市の講演会に行きました。
三沢市は県東部にありますが、青森空港を利用して八甲田十和田ゴールドラインで十和田湖。それからおいらせラインで八戸経由三沢着というルートを考えました。
あわよくば、紅葉を楽しめるかもと少しの期待を込めて。
それから、大学1年生の秋に両親と一緒に東北旅行をしたことを思い出して、ちょうど同じ季節に十和田を訪れることも一興かなとも思って。
センチメンタルジャーニーです。何しろ40年以上も前のこと!
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十和田湖ビジターセンターにあった「錦秋の秋」そのものの風景でした。
やっぱり遊覧船には乗らなくては! P1000080

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蔦温泉に途中下車。蔦沼などを巡る1時間の遊歩道が整備されています。
風もなく、抜けるような青空、水面にきれいに景色が投影されています。

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奥入瀬はちょっとモミジには早かったのですが、滝も渓流も変わることなく流れ続けている・・・と感動しました。
十和田湖畔の乙女の像高村光太郎最後の作品です。
40ウン年前の、あの時は父が私を像の傍に立たせて写真を撮ってくれました。
写真はどこにいったかしら?ですが、あのときのあのシーンはそのままによみがえり、両親とのさまざまなやり取りやそのときの気持ちまでもが立ち上ってきました。
脳ってすばらしい。
「物」は時間で風化していきますが「気持ち」はそのままなんですね。

ここもご多分に漏れず外国人観光客がたくさんいました。
ところが、いわゆるガイドに先導されての団体旅行は、たった一組しか見受けられませんでした。数人のグループ旅行が多いようでしたが、資料と周遊券を手にアクティブに動いていました。車内での居眠りも目立たず、年配の方も写真を撮って、おしゃべりをして「旅」を積極的に楽しんでいる様子が印象的でした。
ちょっと考えさせられました。
「この前、農協の旅行にいったんですけど、さあ、どこだったか?とにかくバスに乗って、大きな旅館で温泉に入って、食べきれないほどのご馳走を食べ、お土産やさんで買い物をして帰りました。」
こんな報告をするお年寄りがとても多いのです・・・


北海道便りー下川町(安心・支えあいネットワーク構築)

2007年10月29日 | 各地の認知症予防活動

今回の北海道出張は、下川町がメインでした。
下川町は、士別と美深の中間の名寄から車で20分くらいでしょうか、豊かな森を持つ静かな町という印象を受けました。
ところで、冬になると各地からアイスキャンドル祭りの知らせが届きますが、実は下川町が発祥の地なのだそうです。零下30度にもなる冬の寒さを逆手にとって、アイスキャンドルフェスティバルを生み出した町。
それからスキージャンプも有名です。岡部選手や葛西選手を輩出した町。

地域包括支援センターのS下保健師さんからの講演依頼には、興味深いことが書いてありました。
安心・支えあいネットワーク構築Img Img_0001

Img_0002 Img_0003

その講演会開催の主な目的として
①消費者被害防止
②認知症予防を掲げてありました。

今年はじめ、とても大きな消費者被害事件があったのだそうです。
素直で人を疑わない住民気質のせいもあるでしょうし、お年寄りの寂しさに付けこむ巧みな手口のためとも考えられます。
でも、本当に正しい判断ができていたら、そんなことにはならなかったのではないかと思えてなりません。

ここから、追加訂正します。(10月30日)
いろいろ考えてみたのですが、「オレオレ詐欺」とか「振り込め詐欺」とか、聞きます。
私の住んでいる静岡県では、最近「還付金詐欺」が横行しているそうです。
高齢者ばかりでなく、「私は絶対大丈夫」と豪語していた人でもコロッとだまされると聞くと、犯人側のあまりにも計算しつくされた巧妙な作戦の「勝利」を、まず認める必要がありました。

個人の注意で防げるところまでは防ぎ、そのうえで、完全な防止が難しい以上、地域の力も結集して今後は痛ましい被害が出ないようにしなくてはいけませんね。
いつでもなんでも相談できる間柄、そんな地域づくりが大切です。
その地域づくりの核として「ボケ予防教室」を実施されたらどうでしょうか?

消費者被害をなくすためにも、認知症予防が欠かせません。
ボケを予防するには、脳の機能から見て「変化のある生活」「楽しい暮らし」「人とのふれあい」「運動」などがどうしても必要なのだという働きかけが必須です。高齢者だけでなく住民の方々みんなに、理解してもらわなくてはなりません
その具体的な実現の場として「ボケ予防教室」があるのです。
各公区で、教室が立ち上がったら一石二鳥にも三鳥にもなります。

この「安心・支えあいネットワーク」が目指している
   ・高齢者が自立したイキイキとした生活をする
   ・そのための生きがい活動の継続をはかる
   ・地域で、高齢者を見守り声かけをし、親身な相談にのる
   ・閉じこもり防止のための交流の場を作る
   ・ボケ、寝たきり、病気の予防を行政サイドで行う
などは、これからの下川町にとって本当に大切なことだと思います。
「ボケ予防教室」があれば、高齢者や住民の方々が、この理念にそって具体的に行動できると思うのですが・・・

アイスキャンドルフェスティバルを企画したのは、住民有志による町づくりを考えるグループ「コロンブスの卵」の皆さんでしたよね。
あんなに力のある住民の皆さんがいらっしゃるのですから、そして行政側がここまでシステム作りをしたのですから、今度は住民の皆さんがその努力に応えていただきたいと期待しています!

ただ、皆さん、ちょっと元気がなかったかな?と思うのです。
講演会場の後ろがいっぱいになるほど、皆さんたくさん来てくださったのですが、一番前が空いたままでした。後ろに席が取れなくなった保健師さんたちが座って講演が始まりました。一番前にスタッフが座ることは、ふつうありません。

こういうふうに「控えめ」では困るのです。
ボケ予防は、積極的な生き方をしてはじめて実現できるのですから。
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夜の講演でした。宿泊場所の五味温泉含炭酸-重曹泉、つまりラムネのような温泉に着いたとき、ちらちらと風花が舞いました。翌朝起きてみたらこの景色!今年の初雪だったのです。
この雪も寒さも自分のものとして、下川町は続いてきたのですね。
下川の皆さん、保健師さんたちもがんばってください。


北海道便りー美深町(脳と体のリハビリ教室有効率93.7%)

2007年10月24日 | 各地の認知症予防活動

美深町はビフカチョウと読みます。旭川と稚内の真ん中あたりでしょうか。
「あんまり質問も来ないし、細々でも活動が続いていてくれるといいのに」と思いながらお邪魔したのです。
保健センターの和室で、分厚いファイルを抱えてニコニコしている保健師さんを見て
「これは手ごたえを感じていてくれてる」と私もニコニコが伝染してきました。
P1000026 結婚したばかりの渡辺さん。
おめでとうございます♪
末永くお幸せに♪

去年「脳と体のリハビリ教室」をやったんだそうです。
全員のテスト結果の前後比較がきちんとされて、報告書になっていました。(データをもらってこなかったのでうろ覚えです)
成績推移
改善12
維持3
低下1
有効率15/16 93.7%
「テストをやったことで 、普通の教室と違いがでますか?」と質問したら
「ほんとに便利です。テストで苦手がわかるので、ゲームその他教室のとき上手に配慮してあげられます。テスト結果って、ほんとに実体をよくあらわします。
かなひろいテストの成績が不合格の人は、何も決まらない。絵を描くときでも、色も決まらない。そうするとたとえばかなひろいテストの成績がいい人は、『私これにしたけど』とか『これはどう?』などと隣の人の世話をするのです」
「塗り絵をしたら、家で絵を描いて持ってきてくれたんです!そんな人は、やっぱりかなひろいテスト成績がいいか改善していった人ですね」

プログラムにも工夫が見られ、毎回脳機能に基づいた指導もなされていて感心しました。
テスト結果を教室によく取り込んでいるという印象を受けました。

後はボランティアさんの育成が必要でしょう。どうしても自主活動につなげていかなくてはいけませんから。美深のように広くて、家と家の距離があっても、それでも地域ごとの教室が有効です。一箇所に集めると送迎の問題も出ますし、何より「お客さん」になってやってもらうのが当たり前になってしまうからです。
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前日の夕方、美深町に着きました。
下の写真の小野保健師さんが素敵な高広の夫婦滝に連れて行ってくれました。
その後「トロッコ王国」に回ったのですが、まさに車庫の戸が閉じられているところに着きました。
私たちを見て、暖かい北海道訛りで「乗りたいかい?」と訊ねてくれ、思いがけずトロッコ電車に乗ることができました。10月の中旬、毛布をかけて乗ったトロッコ電車。通常往復40分のところ、小野さんの名運転で30分強でした。すばらしい時間をありがとうございました。旅にはこんな楽しみもあります。おすそわけです。

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北海道便りー士別市(5年間小ボケが維持されていたケース)

2007年10月24日 | 正常から認知症への移り変わり

士別市といえば、サフォーク種の羊。前回伺った時には、広大な牧場や羊をたくさん見ました。大地も空も広いところです。
地域包括支援センターができて、保健センターとどのように仕事(ボケ予防)の分担をしたらいいのか、日本中の多くの市町村が、悩んでいます。士別市の場合も、「包括でキャッチできる認知症はかなり進んでしまっている。なおかつ、予防をしなくてはどんどん押し寄せてくる。何かいい手はないものか」保健師さんはそのように悩んでいるようでした。
勉強会には、どちらのセクションからも保健師さんたちが参加してくれました。
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景色のすばらしい旭山動物園
二段階方式のことを全く知らない保健師さんもいるということで、テストの実際から勉強しました。ところで、いろいろな理由で活動が低調になると、手技を知らない保健師さんが増えてきます。活動が継続していると、新人への教育が継続的に行われるものです。そのほとんどは、浜松での実務研修会参加です。(これは義務ではなく、先輩保健師さんが指導してもいいのです)
検査ができても、生活指導のための検査だということはなかなか理解してもらいにくいのです。どうしても「検査結果はいいほうがいい」という考え方から抜け出せない・・・でも、今回はとてもいい勉強ができました。

一例ケースが見えました。

平成14年と15年に検査が行われていました。どちらも小ボケ状態でしたが低下傾向がはっきり出ていましたので、「さらに低下していることは覚悟しなくては」と、事前に話していました。
検査結果は、小ボケ状態。
なぜ平成14年に脳機能が低下し始め、
なぜ5年も経過しているのに、今年維持しているのか、そこがはっきりしなくては、生活指導したことになりません。青字は本人の弁です。
一人息子が6歳のときに、病弱だった夫が死去。
その後一人で米屋をやって、65歳で年金が入るようになってやめた。
注文の電話もかかってこないし、車の運転はできるし。1年はのびのびと遊んだ

その後息子一家と同居。
しばらくして、ボート場のアルバイトを頼まれた。
初めての体験だったが自然の中で、ほんとうに気持ちよかった。お客さんとのやり取りも楽しかったし、一緒に働いた人はまたいい人で仲良しになった
経営が変わって、ボート場をやめてから、何もせずさびしくて気が抜けたようになって受けた検査が14年。
これで、14年の検査結果の説明ができますね。
次はなぜ持ったのかという点ですが
3年前に習字を始めて打ち込んでいたら、18年4月に先生が急になくなった
話の前半が14年の小ボケから回復させた原動力だろうと見通しを立てます。
そして後半の情報が今日の小ボケの原因でしょう。
そこをはっきりとさせていくのです。

普通のお稽古事レベルでは目覚しい回復は難しいでしょうから
「お習字はどうでしたか」と水を向けます。
短冊に自作の俳句を書きたくて習い始めたのです。先生も熱心に指導してくださった。がんばったほうだと思います。金もたくさんかけたけどね
この人にとって、習字はもう一度生きがいを見つけたと思えるほどの喜びだったということが言葉の端々から感じられます。だから見事に回復し、その生きがいがなくなった今、またもや
脳の老化が加速し始めてしまったということなのです。

保健師さんが新しく始める楽しみごとを、具体的に指導してこのセッションは終わりましたが付録がありました。
高槻さんは、水晶玉を見ながら話すみたいによくあたる」と感想をいわれたそうです。

この話を昨日、延岡市のT保健師さんと話しました。
Tさんが言ったのです。「ほんとにA=B=Cなんですね!高槻さんの話を聞いてもなんだかフーンという感じだったけど自分でやると、ほんとにほんとにA=B=C!」
Tさんももうすぐ「占い師みたい~」っていわれるようになりますよ。
白浜町の保健師さんは「超能力者か?!」っていわれたそうですから。


北海道便りー車中で

2007年10月24日 | かくしゃくヒント

北海道二日目です。
旭川駅前のホテルを8時過ぎに出発、宗谷本線(終点は最北の稚内)で士別へ。
その電車で一緒になった女性二人連れが、魅力的な人たちでした。
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旭川からずーと二人で如何に魅力的な文章にするか、如何に推敲してそぎ落としていくか文章談義に盛り上がっていました。
どちらからともなく声を掛け合って訊ねたところ、4年前の藤原てい先生の文章講座で知り合ったというお二人。音更町から二日がかりで、「どうしても行きたいから来たのです」 その行き先は剣淵絵本の家
「私の小さかったころは、な~んにもなくて、図書館なんて夢のまた夢。でもいい時代になりました。体さえ元気ならいくらでも楽しめるんですから。遊ぶお金くらいはあるしね」
「ウ~ン、脳も元気でないと楽しめませんよ!」
「そりゃあ、そうだ!」と話わかりの早いこと。
「これからも、しっかり遊んでくださいね」という私の言葉に、一枚のはがきが差し出されました。
「多弁な落ち葉。2005年?」と目をやるまもなく
「庭の梅。去年は実をとりすぎて色が今ひとつだめだったの。今年はまだだから。短歌をやってると庭の隅まで気にかかって、そうしたらいいのが撮れました。石が思いがけずよかった」

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作者は左の写真の方。お年は74歳。

いつまでも、人生を楽しんでくださいね!


北海道便りー岩見沢市(緩徐進行性失語発見!)

2007年10月24日 | これって認知症?特殊なタイプ

久しぶりに北海道に行ってきました。(今日の写真は旭山動物園のものです
.まず、新千歳空港から岩見沢市へ。
ちょうど脳のイキイキ検診の当日に当たっていました。
ふたりいらっしゃっていて、今日始めての方のところに同席しました。娘一家と二世代住宅に住む70歳過ぎの女性でした。
相談のきっかけは、コーラスサークルの仲間が、「一回保健師さんに相談してみたら?私も一緒に相談を受けるから}と勧めてくださったというのです。
P1000007 結論を言いましょう。
見事に小ボケレベルの方でした。
いくつかの会社の経理の仕事を一手に引き受けてやっていたのに、会社の事情もあり、ご自分の年齢のこともあって、次々とやめてしまわれたというのです。それが3年前。
ご主人が亡くなられた後始めたダンス(こういう生き方に注目)も、ずーと続けていたのですが、昨年末から足が痛くなって中止。
検査→30項目→生活指導と順を追ってすすみますが、「お仕事やめてダンスもやめて、脳の元気がなくなってますよ」という言葉に対して「やっぱり。これではいけないと思っていたんです。そうですよねえ」
脳リハビリとして絵手紙教室と水中ウオーク、この二つは保健師さんが具体的参加方法まで話してくれました。それに札幌へのショッピングを勧め一件落着しているところに、もう一人の方が、「半年前に時=5点だったのに今日は0点」という情報が飛び込んできました。
P1000009_2 これまた結論を言います。
緩徐進行性失語。マニュアルCを参照
今ひとつ「失語」という確信は持てなかったようですが、半年前の指導でも、「専門医受診」となっていました!
今まで私の係わった緩徐進行性失語のかたは、全員が入力障害のパタンをもっていましたが、この方はとてもしゃべりにくく(発語障害)、ほんとに言いたいことが言えないのです。
にもかかわらず、「現在、兄弟または親戚(このあたりははっきりしません)が今にも死にそうなので、妻への説明はもう少し先にしてください」ということを一生懸命伝えるのです。
その気配り振りに、居合わせた保健師さんたちは「MMSの点数が低くてもボケじゃない・・・」と顔を見合わせていました。
岩見沢到着が2時半。出発が6時前。あわただしかったのですが充実した時間でした。

保健センターを飛び出す際、書類を忘れて、石井さんにお手数をかけてしまいました。m(^。^)m


ひだまりプールor純金こけしー十日町市川西支所

2007年10月06日 | 各地の認知症予防活動

十日町市川西支所に行ってきました。
実は去年の夏には同じ十日町市松之山支所に伺いましたので、その時のブログ「高齢化率43%」も読んでください。
山深い松之山の風景と、「いう事を一生懸命ききますよ」という素直さがそのまま伝わってくるような皆さんのお顔を思い出しながら、今回もほくほく線十日町駅に降り立ちました。

出迎えてくださった、川西支所健康福祉課の小野塚課長・津端課長補佐(保健師さん)とさっそく「ボケ予防」について話が始まります。
エイジングライフ研究所が主張する「正常者からの予防こそ、予防活動の本体。当然のことながら住民主体の自主活動が目標です。」に対し
小野塚課長「その通り!」
「ただ、雪深い土地柄と、米作中心の農村地帯ということで、住民の方々は保守的・受動的な傾向が強いのではないのでしょうか?」と案ずる私に対して
「それが違うんですよ、川西は」と答えられます。

妻有(つまり)名物、ふのり蕎麦をいただきながら、話が続いていきます。
「ふるさと創生一億円がありましたね。あれで温泉を掘ったんです」
「よくあるパタンですね」Kawanisi004
「そこからがちょっと違います。川西にとって、どのようにこの温泉を生かしていくのがベストなのかを、住民とともにワークショップを開きながら練り上げていったんです。

「新しい賑わい空間の創出」ということで、町の中心部の再開発を目指しました。千手温泉Kawanisi001 を核に ひだまりプールコミュニティセンタKawanisi002 Kawanisi003も住民とともに意見を出し合いながら作り上げることができました」

「決してお仕着せでない。住民の意向が反映されている。川西の住民は意見や希望を言ったのだ。」ということを強調されるのです。

こういう住民気質は大歓迎。
何がこの気質を育てたのかという話になっていきましたが、結論ははっきりしません。ひとつは街道筋で進取の気性があった点。もうひとつは「住民参加」という行政からの働きかけが継続的に行われていたのではないかということになりました。(このひとつは保健師さんによる保健予防活動だったかもわかりませんね)

ひだまりプールの高齢者対象の水中運動教室参観に行きました。
お若い女性のインストラクター(こういう方々もプールの活用ということで、住民の中から育ってこられたそうです)から
「教室の前と後で変わったことは?」と質問されて、みなさんは
「肩や首のハリがなくなった」「風邪を引かなくなった」などと答えられました。
そこで私が「肩のハリはなくなったでしょうが、生活のハリができたんじゃないですか?」というと、間髪いれずに大笑い。
みなさん、さすがに体も脳も若いんですね・・・これも正常者からのボケ予防活動。

この水中運動教室に参加することは、確かにボケ予防になっています。
エイジングライフ研究所が主張するボケ予防教室との差は、ひとえに脳機能検査が実施されていない点なのです。目的意識や継続性、そして安心感。それらは脳機能という客観的な指標を示すことで、明確化されるのです。

小野塚課長がおっしゃるには、このプールのランニングコストが年間2400万円かかるそうです。
10以上の教室が多くの参加者でにぎわっているのです。「これだけの高齢者が、このプールでイキイキと生きられるとしたら、介護が必要な状態と比較してコスト計算をしていただきたいもの。それでも足りなければ、受益者負担で料金設定を高くしてもいいのでは。だってボケるよりはいいと皆さんは言われますよ」とつい言ってしまいました。

お金といえば、去年、青森県黒石市に行きました。こけし館に連れて行っていただいて純金こけしを見ました。あの「ふるさと創生1億円事業」で高さ約50cm重さ58Kg位のこけしを作ったのですが、財政難で売却の話になったそうです。1億2千万円くらいの価値になっているらしく、損ではないそうですが、住民感情としては悲しいものがあるはずです。
お金の使い方は前頭葉が決めます。経験を生かし、見通しも持った判断をしていきたいものだと思います。

翌日コミュニティセンターのホールで開かれた講演会も大盛況。階段に座る方までいるほどでした。昨日からの事前学習のおかげで、反応のよさは、すぐ納得できました。
十日町市のモデル教室が育っていくことを期待しています。
付録大地の芸術祭 光の館


管理ソフト改訂版・追加

2007年10月01日 | エイジングライフ研究所から

改訂版のお知らせに追加します。
9月末までに、既に購入済みのところには改訂版を送りました。(無料です)
届きましたら、メールかファックスでお知らせください。

Photo_4
「購入済なのに改訂版が届かない!」ところは、ご遠慮なくお知らせください。

byうーさん 伝説の伊豆高原日記

それにしても、いいソフトになっています。
教室管理に関しては、私の考えられる範囲ですがベストだと自負しています。それは、事業評価を強く求められる現状を考慮しているところです。

集団かなひろいテスト不合格群に対しては、生活指導のために個別テストが必須であることは当然ですから、何の変更もされていませんが、集団かなひろいテスト実施後のさまざまなパタンに柔軟に対応して、個別の成績推移をもれることなく評価することができるようになっています。
それが個別成績推移一覧で表示され、教室報告書にも反映されます。

前提として、とにかく「個別テスト・生活指導をする」という覚悟が必要でしょうが。


ブログ村

http://health.blogmura.com/bokeboshi/ranking_out.html