脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

「7-38-55のルール」ーコミュニケーションのコツ

2021年05月23日 | 右脳の働き
たまたま読んでいた本で「『7-38-55のルール』とも呼ばれる『3Vの法則』」ということばを見つけました。1971年にメラビアンという人が提唱したそうです。
メラビアン?聞いたこともない!『7-38-55のルール』も初めて見ることば。
『3Vの法則』も知りません。
興味津々。
「3Vの法則」はVerbal=言語情報 Vocal=聴覚情報 Visual=視覚情報の三つのVでした。

ウィキぺディアの解説です。
この研究は好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションについてを(ママ)扱う実験である。感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。

このような解説もありました。
「好意」「嫌悪」「中立」を示す表情の写真を用意し、それぞれの表情と矛盾するイメージの言葉と組み合わせて参加者に見せ、反応を確認しました。たとえば、「ありがとう」という言葉を、「怒りの表情」の写真や「不機嫌な口調」の録音と組み合わせ、参加者に聞かせたのです。このとき、参加者が本来の言葉の意味通り「好意」を感じ取れば言葉そのものの影響力が強く、逆に「嫌悪」を感じれば視覚や聴覚から得た情報が優先されたことになります。
このような実験を繰り返し、人が言語・聴覚・視覚から得られる情報のうち、どれがどの程度優先されるかを確認していったのです。その結果、コミュニケーションには「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」の割合で影響しているという「メラビアンの法則」が導き出されました。

私が知らないだけでビジネス分野ではよく引用されているようです。
そして誤解、誤用もされているということにも興味が惹かれました。「話の内容より第一印象が大切」というように独り歩きしてしまったという!
メラビアンの主張する「非言語情報と言語情報にずれがある場合には、非言語情報の影響力の方が大きく、優先される割合は93%である。非言語コミュニケーションが何より優先というわけではない」ということからは、むしろずれのないコミュニケーションを図る大切さを主張していると思いました。

何年か前のベストセラーに「人は見た目が9割」という本がありましたね。私は読んでいませんが、この言葉は結構独り歩きして「見た目をよくする」または「見目麗しい」ことが大切というような風潮を助長したと思います。「話の内容より第一印象が大切」まして「服装が第一、何なら整形手術も」とは、メラビアンは言ってないのですよ。
メラビアンの法則が誤解されていることに、つけこんだのかもしれません。
今度「『7-38-55のルール』とも呼ばれる『3Vの法則』」ということばに出会ったおかげで、メラビアンの主張は決してそのような意味ではなかったということがわかりました。

脳に入ってくる刺激は、視覚情報が80%、聴覚情報が15%、その他5%といわれています。そして「7-38-55のルール」を聞いた後でこんな課題が出たとします。
1.「嬉しそうに、悲しいことを伝えている」人と
2.「悲しそうにうれしい話をしている」人に出会ったときに、受け取り側はどうとらえるでしょうか?
視覚情報優位ならば1はうれしいこと、2は悲しい話ということになりますがそんなに簡単でしょうか?具体的に考えてみるのですよ。
脳機能からの解釈がスッポリ抜け落ちていますね。伝達法によって、どの脳部位が主に働くかをまとめてみました。

想像以上に、圧倒的ともいえるほど右脳のもつ機能に頼って判断していることがわかります。
とは言いながら、言葉の持つ情報量も現実には無視できるはずがありません。こういう状況の時には、まずは混乱します。そしてどちらに結論付けるかは視覚情報と聴覚情報と、言語情報だけではないような気がしませんか。右脳からの情報と左脳からの情報を受け取った後に、どのように状況判断するかは、実は前頭葉にゆだねられるのです。それはずれがあろうとなかろうと同じです。
コミュニケーションをしているときの、私たちの脳の働き方は、想像するよりもはるかに複雑ということです。

ことばの理解は単純です。その意味を知っているかどうかですから。わからなければ教えてもらうところから始まります。そして、なぜその言葉が選択されたのかを考えるのも、話し手を理解するための一助になりますよね。
話し手は伝えたいことを、その右脳を通してアナログ情報の形として、視覚情報や聴覚情報に乗せてコミュニケーションを図ります。そのアナログ情報を受け手の右脳がキャッチできているかどうかという視点は重要です。そのことは、単なる言葉の理解をすることに比べるとすでにはるかに高い段階の作業ですが、もちろん前頭葉がどのように総合判断するか…が最終的なカギ
その人の生きてきた事実そのものがその人の前頭葉を育むことを考えると、コミュニケーションをすることは、想像するよりもはるかに脳を駆使しているといえますね。

2016年にこのようなことを書いていました。

同じディゴでもカメラの構え方ひとつでこれほど印象が変わります。

緑のバックを青い空に変えたら、受ける日差しも変わりました。

感情がこもっていない単なる2枚の写真。この視覚情報の差は、見ただけでよくわかりますが、写真を見せずに言葉を使って誰かに伝えるとなったら至難のことになりますね。
それにもし好き嫌いとか、思い出などの感情を込めるとしたら。写真なしではあまりにも難しいので、写真を見てもらいながら伝えることにします。その時、私たちは言葉を選び、声のトーンや高低や速さを考慮し、表情や身振りを工夫しコミュニケーションを図ると思います。一つずつ考えると大変な作業ですが、「わかってもらいたい」という意志さえあれば、結構苦もなくやってしまいます。
脳ってすごい。
コロナによる自粛は、このような豊かな脳の出番を阻止しているのです。怖いことです。



















2021年5月のStay Home

2021年05月14日 | 私の右脳ライフ
去年の今頃は、来年もまだStay Homeと思っていた人はいたのでしょうか?
去年の記事を読み返していたら、たけのこと格闘したり、7日間のブックチャレンジに挑戦したりして結構楽しそうに日々をくらしていました。
今年も基本的には変わりません。
料理と、庭仕事と。あとは楽しみごとを見つける。
こういうのはどうでしょうか?バラ風呂。友人に写真を送ったら「ペニンシュラホテルのスィート!」と言われました。まさか。
ちょっと角度を変えてみました。
先日のバラ風呂が少なすぎて残念な思いをしていました。夕方どうも雨模様と思って、庭に咲いているバラを全部切り取ってきました。
友人の形見のヒマラヤンポールムスク。咲きそろったので一枝。とてもいい香りがします。
ピンクパンサー、アンジェラ、ペネロペ、ジュランビルなど。冬場の手入れがいいと、いいお花で応えてくれます。

時間があると台所に立っているということをしみじみと自覚させられました。そして作ったものはおいしく食べ残さない。ということで、このStay Home期間に体重は増加してしまいました。
こういうタイプのブリを「丸太夫」というらしいです。長さは頭を落として50センチ位でしたが、幅がなんと28センチくらいあるのです!
刺身、焼き魚、煮魚、照り焼き用に漬け込む。もちろんおすそ分けに大わらわ。5日たったものをにぎりで頂いてみましたが、釣りたてとは違うおいしさを堪能しました。夫と二人だけで、ちょっともったいなかったですけれど。
4月、桜のころに久しぶりに和菓子を作ったら大好評で、うれしくなって何度も挑戦しました。
いつも同じでは、面白くありませんね。全部同じ材料です。
餡はあんこ屋さんで求め、求肥を作って練り込んで練り切りを作る。食紅と抹茶で色づけして、チョチョイと遊べば完成です。
苺大福も作りました。

別バージョン。

外に出ると、やはり花に目が行きます。オニクルミの花。

ヤマボウシ。花びらの形と縁の紅色がキュート。伊豆高原駅。

御衣黄の実は大きく、艶やかさに惹かれてちょっと食べて見たら、予想通り美味しくはありません。鳥たち用にとっておいてあげましょう。
先月ですが、御衣黄の季節の移り変わりです。ニューヨークランプ&フラワーガーデン(4/26)

ちょっと前の御衣黄の花(4/11)

咲き始めの御衣黄の花(4/2)

4月ついでに付録。自薦の喜寿記念写真。


5月の右脳訓練-ヒロ画廊伊豆大川・小室山

2021年05月12日 | 私の右脳ライフ
ヒロ画廊は、東京銀座で長く画廊をやっていらっしゃいます。その分室というのでしょうか、新しいおしゃれなギャラリーが伊豆大川にオープンしてたのは2017年。ヒロ画廊伊豆大川ギャラリー
展覧会のたびに伺っています。
作品群にも圧倒されますが、まだお若い画廊主のセンスというか審美眼にいつも驚かされます。

今回は去年に引き続き清水晃展。アバンギャルドの旗手としての活動を、60年代より継続している方ということを伺いました。
一見したとたんに、何か不安になるというか安泰や平安とは対極的な心理に光を当てられる。制作者の苦しみに心が向けられて、気が付けば私の中にもあるのかもしれない…というような気持にさせられます。このコーナーも展示にさらなる工夫が凝らされて、この世から彼岸という象徴的なアピールが加えられていました。(二度伺いました)
今年は、玄関ホールのこの展示と、まず対面します。

「高井富子『まんだら屋敷』公演のための砂利の衣装」
なんと「『踊らせないぞ』っていう考えがあった」と!
古い正絹の振袖に、小石や貝殻がくっついているのです。重くて着にくいだろう、この年代物の振袖が破れてしまうのではないかしらとちょっと気になったところで、ふと思いつきました。もし破れたとしたら、それこそが制作者の狙いどころ。その時に感じる私の心の状態を含めてすべて作品…

なかなかに幅広く、とても私の筆の力では表現できませんので、一度いらっしゃることをお勧めします。


小室山山頂が快適に改装されたというニュースが入ってきましたので、友人といきました。

リフトで5分。降りたところが、リッジウオーク。
小室山リッジウオークMISORA
全長166.3m、稜線(リッジ)に沿った起伏のあるループ状の木製遊歩道。標高321mの頂上からは富士山、相模灘、房総半島、伊豆七島、天城連峰など360度が一望でき 「Cafe●321」もオープン。という宣伝文句に嘘偽りはありませんでしたよ。
東向きに座ると真正面に大島が、北方向には富士山が、西には天城連山がくっきりと見えました。眼下は川奈ゴルフコースです。
カフェにも行きますよね(笑)

行けば、飲みますよね(笑)

眺望に満足してリフトで降りました。

リフト乗り場で出会った、つくしちゃん。日に焼けたらいけないと帽子を被せて貰っていました!

Stay Homeといっても出かけると、脳は刺激されますね。
帽子をかぶったイヌのほかにも、駐車場への道を進んでいると、亀発見。あまりにも動かないので、しばらく見続けました。置物ではありませんでした。この程度のことでも楽しいものですね。





2021年母の日覚え書き

2021年05月09日 | 私の右脳ライフ
今年の母の日は、変化に富んでいました。
ほんとに久しぶりに孫が帰省したのが、1週間前。彼女は顔を見せつつ一緒に遊ぶというつもりだったと思いますが、帰省そのものが何よりの祖父母孝行ということはどこまで意識していたでしょう?節制しつつその日を迎えてくれたそうです。短い時間をどう使うか、頭をひねって待ちました。
最近マイブームのロクワット西伊豆と伊豆ホテルにランチに行って、もう1日はお弁当をもってニューヨークランプ&フラワーガーデンに行きました。

雲もなく快晴の空、青い海、白い波がしらと、ブランチの舞台としたら最高。結構がんばって作った手作りローストビーフと野菜たくさんのおいしい食事を楽しみました。
いつもはこのくらいの眺望なのです。

ところが前夜の強風でたおれたルピナスに「これも面白いねえ」とつぶやいた孫の言葉を耳にしたとき「そうかもしれない」と撮った写真です。

後からみると確かに自由な動きから、なんだか音楽が聞こえそうな気もします。何に対しても「面白い」という気持ちで対応すると新しい発見があるという体験でした。
「眼にいっぱいのバラをみたい」という希望で、河津バガテル公園へ。バラにはちょっと早いこともあって、お客さんは少なく密な状態は全然ありません。

お日さまの光を受けて輝いていました。

バラには青空がよく似合います。

夜は、近所のグランパル公園のグランイルミを見に行きました。いつも誰かを案内して行きますが5回目でした。同行者の年齢によって喜ぶところが違います。それにしても行くたびに規模が大きくなって新しいことが加味されていることに驚きました。

もう一つのイベントは、庭のバラを全部摘んでバラ風呂。残念ながらこれだけしかなかったんです。
この家に20年住んでいますがバラ風呂は初めて。半世紀の年齢差があるからこそ、喜んでもらえることは何かと「前頭葉」を巡らせて、普段考えもしないようなことを思いつき「ちゃんと香りがしたよ。微かにだけど」と喜ばれ、おかげで私たち祖父母もバラ風呂の経験も楽しめました。

さて、母の日本番。
まさに昨今の母の日プレゼント!ネットを使って送られてきた三者三様のプレゼントの報告です。
朝のメールに、ふふふと心温かくなりました。

高校の後輩といってもまさに親子ほどの年齢差。T田隆子さん。
私が母校戸畑高校の天籟同窓会関東支部長をしたときに、天籟同窓会本部事務局を担当してくださっていました。
そのご縁で、ネットでのやり取りがずっと続いています。パン作りはほとんどプロ。その他生活全般に心を配って丁寧に生きていることが伝わってきます。時々、ブランチとかおやつとかオンラインプレゼントが届くのです!
そして今日もこの後ネットでのおしゃべりが続きました。実はこのやりとりこそが私の脳をとても活性化させてくれるのです。
T田さん。ありがとうございました。
次男からは果物詰め合わせが到着。

なんと私が暮らした静岡県西部で生産されるマスクメロンの最高峰「クラウン印」。宮崎に仕事に行ったとき、樹上で完熟させて落ちてくる実をネットで受けると教えてもらいびっくりした「太陽のタマゴ」。愛媛「美生柑」はつい先日名前を知ったばかりでした。

「母の日おめでとう」の電話も来ました。「とってもおいしい。ひと味違うみたい」と報告したら「そうでしょう?」といかにも自信ありそうな返事でした。
後で考えてみました。サイトがもう決まっていて継続的に注文しているに違いありません。私がポケマル(生産者と消費者を直接つなげる)グローバルフルーツ(高校後輩が経営する輸入果物の会社)で注文するように。
コロナ下でネットでの買い物が増えたと耳にしますが、おなじみのお店ができていくのではないでしょうか。たんにネットで見つけて、値段だけを見て手あたり次第に注文するのではなく、その店のコンセプトへの共感や人とのつながりがその根底にあることがとても興味深い…人はいつでも人との交わりを求めるものだということなのでしょうね。
長男からはこういうメールが届きました。

右上の「怪しいリンクではありません」とわざわざ注意書きをしてくれているリンクを開くと、左のgifteeのサイト(2020年誕生日の覚え書きの最後に初体験gifteeの説明をしてあります)。
今回は右下のように八天堂のとろける食パンが届くようになっています。配達期間は1か月はあったようでしたがさっそく名前や住所など記入して注文確定。
同年齢の友人の多くは、メールとネット検索、稀に買い物という人が多いのですが、「電話がつながらない!」と騒がれている今回のコロナワクチンの予約にしても、ネットが使えると多分すぐにできると思うのです。伊東市は明日8:30受付開始、電話は9:00開始のためまだ実行はしていませんが、使い慣れておくことで、ワクチン予約位なら手助け不要のはずです。
このような場面で、高齢の方々が使いやすいような工夫は当然必要です。でも高齢者の方が「もうこの歳なので不要とか無理」と拒否してしまったら、それは自分たちで狭い世界を生きていく道を選択したことになります。あまりにももったいない。高齢になるほど必要という考え方だってできるくらいです。病気などで活動が制限されたときには、何よりの味方になってもらえるのですから。
と、いうとネット礼賛者のように思われるかもしれません。でもこういう生々しくその人を感じることができるプレゼントに感動することも事実です。どれだけの時間をかけてくれたのでしょうか?長男のお嫁さんが伊勢型紙を彫ってくれましたぁ。浮き上がってる!
パルスオキシメーターも使ってます。99とか98とか、たまに96とか。そのままにしておくと変化するんですね。





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