脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

H20年第三期実務研修会終了

2008年12月13日 | 二段階方式実務研修会

12月6~7日に、浜松市アクトシティでの実務研修会が開かれました。
牧の原市K川さんPhoto_2

牧之原市からの参加者とお話しました。この実務研修会のごくごく初期に参加なさったM田保健師さんが上司ということで、一挙に当時の気持ちに引き戻されました。

M田さんが、実務研修会のときに、どんなに生き生きと質問してこられたか表情まで思い出されるようでした。
その後のS木保健師さんは、また別の熱心さで研修を受けられたなあと、まるで目の前にいらっしゃるような気持ちになりました。

エイジングライフ研究所の二段階方式実務研修会は、1995年に第1回目が開催されました。

あの頃の保健師さんたちの熱心だったこと・・・

それに比べて、私たちの研修方法には、熱意はあふれていたと思いますがいくつもの不足点がありました。
懇親会場ホテルコンコルド浜松のクリスマス飾りP1000004_2
それを補って余りあるほどに、保健師さんたちは
「どうにかして、ボケを防ぎたい、治したい」思いを持って参加されていたように思います。
世間ではまったく「ボケ予防」という考えがなかった時代です。「治らないのがボケ。予防ができたり、治るとしたらそれはボケでない」ということがはっきり言われていたのですから。

十年一昔という言葉がありますね。でも、「ボケ予防」の必要性が昔のこととは思えません!

実際にだんだんと世の中のほうから「ボケ予防」を求めてき始め、ついには「認知症」という言葉に変えてまで「予防」に脚光が当てられるようになりました。

その間、エイジングライフ研究所も進化を遂げ、マニュアルを整備し、研修会の内容も実務に役立てていただきやすいように工夫を重ねてきました。P1000001

でも、伝えたい内容がたくさんあるのです。
とても簡便な手技ですが、使いこなしていただくためには、理解と実践が必要なのです。
今回、参加なさった方々のうち、「早速使わなくては!」の意気込みの方もいれば、「直接担当はしないのです」という立場の方もいらっしゃいました。
研修を長くやってきて、とても残念なのは、熱心に実践し、こちらも熱心に指導した保健師さんが、突然他部署に異動になったり、やめられたりすることがあるということです。
逆に言えば、現在の業務に直接関係なくても、いつか異動することもあるかもしれません。
牧之原市三人娘Photo_3
また母子であっても、成人であっても、「脳機能」というアプローチを持ってみると違う方法が見つかるかもわかりません。
何より「ボケ予防」を「脳の健康つくりとその維持」という側面から見ると、指導すべきはまさに「ゆりかごから高齢者まで」。

保健師さんの、お仕事の対象は「ゆりかごから高齢者まで」ですよね。
「この手技を学ぶことで、私の仕事に別のやり方があるかもしれないと気づいたような気がします」という感想を聞かせてもらって、 私はとてもうれしかったのです。
長野県上松町Photo_6Photo_4

新規導入でまったく何もわからない状態だったのに、事前学習が功を奏したのでしょうか、よくついてきてくださいました。目の前の介護を求めている高齢者の対応に追われる前に、予防が急務ということをわかってくださったみたいで期待していますよ。
佐賀県多久市Photo_6

多久市からは久しぶりの参加でした。
昔の研修会には多くの不備があったのですが、こうして繰り返し参加してくださると、新しい情報や簡便なやり方などが皆さんに浸透していただけるとうれしくなります。

この研修で理解されたことをがんばって、実践していただきたいと思います。

活動状態を聞き忘れたことが残念ですが、きっと継続されていることと思います。

新潟県十日町市(小さい写真でごめんなさい)Photo_8

事前にテスト実施したケースが、お二人にとって納得いくものだったことが幸いでした。
テストは、生活指導の入り口だということを忘れないで、生活歴を聞きとることを恐れないようにしてください。
K村さんは、中学生のテスト結果を持ってきてくださいました。
MMSは満点。かなひろい43。動物名想起なんと20でした!すばらしい脳機能。若さももちろんですが成長ぶりがとてもとても順調ということです。
長野県東御市Photo_2Photo 
実践がある東御市です。何しろ導入初年度に1000人近くの検査をやってのけたのです。
何をすればいいのかはわかっていらっしゃいましたね。
先輩のK山さんやK津さんが、日常的に使いこなしている環境ですから、N川さんが深くテスト結果を理解しようとしていることや、T屋さんが社会福祉士の仕事にも使えると喜んでくれたことがとても納得できました。
Photo_4 

健保組合と、市町村の保健師さんでは立場は違うでしょうが、「ボケさせたくない」という思いをベースに持って指導してあげましょう。

小ボケがわかるまでは、少し時間がかかるかもわかりませんが、マニュアルBの85pからを何度か読んでください。
一度理解できると、小ボケの方がたくさんいることがよくわかります。

O寺さん、久しぶりに「ボケ予防をやりたい」と訴えてくれる保健師さんに会いました。いろいろな事情があるものです。特に合併があった市町は当然でしょう。二段階方式の手技を磨くことも大切なことですから、無理をしないでやりましょう。

皆さんのお顔を思い浮かべながら、書きました。
今回は、少ない人数でしたし、いろいろな立場の方がいらっしゃいましたが、皆さんの意欲は十分に感じることができました。ありがとうございました。

研修後のレポートをお待ちしています。事前の検査はほとんどの方がやってこられていましたが、研修後というところに意味がありますので、なるべく早く検査されることをお勧めします。


号外ー奥州市千葉キヌさんの手紙

2008年12月11日 | かくしゃくヒント

奥州市江刺区稲瀬としとらんと会の千葉キヌさんからのお手紙です。
「脳元気いきいき交流会」の報告をくださいました。
とにかく読んでみてください。ちな みに、千葉キヌさんは79歳です。 

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Img_0005_5どうですか?
こういう生き方ができたら、少なくとも「脳の健康」は保障済み!という感じではないですか?

千葉キヌさんや千葉謙さんという、全体のことに目を配ることができる方々がいらっしゃるので、 稲瀬はほんとにいい感じ。

お二人に話を聞いたら、もともとみんな仲良しで、協力して事を為すという地域性だといわれましたが。
そういう風に言われるところがさらにまたいい感じ・・・・・

台本(配役)役名に注目、楽しんで工夫していることがわかります。
秋に亡くなった仲間も主役ゴンタの亡くなった妻役として参加しています。若手3人が旅行で抜けたのですが「森の仲間出張会議」、どうしても参加できなかった人たちは「留守番」として、あくまでも全員参加を図っているところなどは感動ですね。キヌさんの優しさでもあり、稲瀬佐野向の優しさでもあるのでしょう。

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千葉キヌさんと電話でお話しました。
①皆さんが舞台慣れして堂々としてること。
②せりふなしで構成していたら、「せりふが言いたい」といわれて、せりふを作ったこと。
③台本を基に、自分のだけでなくみんなのせりふを覚えたこと。
④だから、マイクの手渡しがスムーズにいったこと。
(練習当初は20分かかったのが本番では16分に収まった)
⑤お面や帽子など小道具作りも楽しんだこと。
(今回も、背景画は謙さんの作品だったようですね)
⑥当日は若手3人が旅行で参加できなかった分、余分にがんばったこと。
⑦岩手日日に掲載されたこと。
⑧ビデオ撮影担当者がいるので、反省会をかねた忘年会が楽しみなこと。
⑨公演して「お花」をもらってみんなでランチを楽しんだこと。etc

お手紙もうれしかったのですが、としとらんと会の活動そのものがうれしいのです。
他教室との交流や公演も、たびたびされますように!
皆さんお元気で。風邪と転倒に気をつけて、冬に負けないでください。


号外ー奥州市脳元気いきいき交流会

2008年12月11日 | 認知症予防教室

岩手県奥州市江刺区の保健師 I本さんからメールが入りました。
余りにもうれしいメールでしたから、ご紹介します。

高槻先生 ご無沙汰しております。
 奥州市では、今年度も脳元気いきいき交流会を12月5日に開催しました。
 奥州市に合併してから3回目の開催となり、旧江刺市時代からは、通算6回目の開催です。会場も900人入る江刺体育文化会館で行い、総勢450名の参加を得ました。(江刺の庁舎の多目的ホールでは収容できない参加者です。)
 今年度は江刺区から9グループ 胆沢区から3グループがステージ発表を行いました。
 さて、今年のステージ発表は、あの「佐野向としとらんと会」がいつものごとく劇を持っての参加でした。025
 内容は妻をなくした狸が喪失感からぽけーっとした生活をしていました。森の仲間達はそんな狸を元気づけようと演芸会で励まします。狸はこのままではいけないと気づきます。
 生活を大きく変える出来事から、以前のような生活を取り戻すというストーリーは、まさに、私達が脳いきいき教室で伝えていたことでした。この項注目!すごい!
 としとらんと会は、今年岩手県南を震源とした地震の被災地に、2年前の交流会で行った劇(ふるさと)を持って慰問をしています。交流会だけの発表ではなく、しっかりと社会貢献しているグループです。
この項も注目!すごい、すごい!
一番最初の「歌劇東京あの頃の思い出」のとき、千葉謙さんに「公演して回るようになってください」とお願いしたことが実現してるとは!稲瀬の皆さんありがとうございます。

 伊手さわやかグループは、全員で踊りを踊ることとしていたのですが、80代の2人の女性が若い頃覚えた股旅物をステージで踊りたいと、2日前に言い出したのです。プログラムは全て印刷済みでしたが、当日ステージに飛び入りとして上がり、会場を沸かせました。踊り終えたお二人は大満足の顔でした。016_2
 他にも、立っていられない人もみんなと一緒にステージに上がり、椅子に座ったままフラダンスを踊っていました。
 中には、代表の数名で立派な踊りを出したところもありましたが、多くのグループは会員全員がステージに上がるようにしていました。 001

I本さん、ありがとうございました。
江刺市のころからがんばってきました。折々の活動ぶりはブログでもお知らせしてありますから、一応列挙してみました。

江刺市(2005年2月)

江刺市脳元気教室交流会(2006年2月)

江刺市稲瀬としとらんと会(2006年2月)

奥州市脳元気教室交流会①②(2006年11月)

千葉さんの手紙「新聞に載りました」(2007年3月)

江刺市の活動の特徴は
①保健師さんが個別生活指導に専念する。

②健康増進サポーターさんたちの育成と活躍。

③交流会は教室生の自主性に任せる。

④交流会を機に教室同士の交流が始まった。
作品展示は、具体的な交流を促す結果につながった。

胆沢町の皆さんも楽しそうに参加されていますよね。
「負けたくない」というお気持ちもひしひしと伝わってきましたが、そういう気持ちは、目標を高く掲げることになって、終了後の達成感や満足度が大きいでしょう。ただし一番大切なことは「楽しい」という一言ですから!

私は会場に参加はできませんでしたが、あの「脳元気いきいき交流会」の様子はいくらでも想像できます。
ステージの皆さんは一生懸命、真剣になさいますよね。上手だったり、ちょっと・・・だったり。いずれにしても皆さんは上気した満足したお顔で退場されます。
会場から見ている方たちは、もちろん大笑いが巻き起こるのですが、一方で、目頭を抑えている方が必ずいらっしゃいます。

1回目のとき、何人もの保健師さんたちが「嬉し涙」を流していましたねえ。
お年寄りの皆さんが、生き生きと楽しむ姿を見せて下さることは、私たちにとっても喜びなのです。明るい社会の象徴のようなものです。

この取り組みを、全国に広めてあげたいですね。
認知症予防の具体的モデルということを、関係している方々は認識してくださってるでしょうか?
保健師さんたち、ほんとによくここまで引っ張ってくださいました。

 


平泉便りーその2

2008年12月09日 | 二段階方式って?

勉強会の報告です。

二段階方式を導入して、しばらくたつと「生活歴聴取が難しい」という声を聞くようになります。つまりテストもできる、30項目問診票を使って生活実態を知ることもできる、でも生活歴のところが・・・ということなのです。

でも、たまにはこのようなお便りをいただくこともあります。

N県T市 K津さんからのメールです。(2008年9月)

「高槻先生お元気ですか?
  とても感動した!!このことをお伝えしたいです!!
ワクワクして、鳥肌が立ちました。やっている最中はこのことで頭がいっぱいになりました。そこで思い切ってメールします。
  介護予防教室に週1回参加している方の検査を比較した時に、想起から導かれる期間にブレが全くなかったのです!
  私は、予防センターの効果が上がったということよりも、この事実に胸が震えました。先生が、1万件以上の症例から導きだした二段階方式とは、この積み重ねだったのでしょうか?
  先生に伝わったでしょうか?私達って、すごいことをしているんですね!あらためて感じた最近のことです。」

M山保健師さんP1000004_3

平泉での勉強会の終わりに、M山保健師さんが
「私、生活歴を聞いてみたら皆さん答えてくれたのです。ほんとに自覚していらっしゃるのですね。びっくりしました」
M山さんはごく自然にサラリと言ったのですが、それを聞いた私のほうこそびっくりしました。

「どうやって聞き取ったんですか?」

「テスト結果を基にして、マニュアルに書いてある通りに聞いただけです」
「時期がずれてしまってることを言われることもあるのですが、マニュアルに書かれた時期に合わせるように聞きなおすだけです」
「マニュアルを信じて聞きます。時期を合わせて、体調・心配事・家族の変化など少し具体的に聞くと、不思議なほどスラスラとお話してくれるのです」

結構感動しました。聞き取ってくれたことにも、またそれを喜びと感じてくれている様子にも。これから、M山さんが住民の方々を相手にして生活改善指導をしていくことを想像すると、ワクワクします。

それはM山さんの喜びでしょうし、住民の方から言えば自分らしい人生の完走を実現できるということになります。

平泉町から言えば、幸せな住民が一人増えることと同時に介護負担が重くのしかかってこないということになります。
ほんとに保健師さんは町の宝です。

M山さんの話をしましたが、一緒に勉強した二人の保健師さんも自分たちがかかわったケース(結構たくさんありました)を傍らにフンフンと肯いて聞いてくれていましたから、きっと同じ実感を持っているだろうと思いました。平泉町の宝の紹介!
I藤保健師さんP1000005_3 P1000006_3                       S原保健師さん

講演会前に高橋町長さんとお話をしました。 「保健師さんたちががんばっていること。教室に参加できている方々は原則的に脳機能が維持または改善していること。住民はボケても安心な町ではなく、ボケない町を望んでいるはず」などと矢継ぎ早に話しました。

町長さんは穏やかそうな笑みを浮かべて聞いてくださっていましたが、話が一段落したところで 「ボケを無視できない歳になりましたからねえ」とおっしゃいました。

「町長さんが、今の生活、平泉町長として町のために心を尽くして生活なさっているときには、ボケとは無縁です!」

「ホッ、そうですか!」と破顔一笑されました。

「問題は、町長さんをお辞めになったときです。そのときどういう生き方をなさるのか、そこにボケるかどうかの鍵があります。要は生き方の問題なのです」ここで惜しくも時間切れ。

最後になんだか脅してしまったような気もしましたが、あの高橋町長さんなら、きっとイキイキと人生を生き抜かれると私は見ましたよ!

どこがかというと、理解の早さ・豊かな表情・穏やかな対応・ユーモアのセンス・・・すべて前頭葉が若々しいことを証明していましたから。あの前頭葉なら大丈夫!これからも「体の健康」と「脳の健康」どちらも大切になさってください。

ご活躍をお祈りします。(平泉が世界遺産に認定されることもお祈りします♪)


平泉便りーその1

2008年12月09日 | 認知症予防教室

平泉町では、いろいろと楽しいことがありました。
それなのに、実務研修会がありましたので、報告が遅くなりました。
まずは「いきいき発表会」
講演会に先立って、各地区の認知症予防教室のみなさんの発表がありました。
まず写真を見てください。私の腕では、いきいきさが今ひとつ出ていませんが、前回の発表とは様代わりでしたよ。
14区老人クラブ 玄米ニギニギ体操「外山節」P1000007_2青山センター長もリズムを取っていらっしゃいました。 P1000008_2

戸河内脳いきいき教室 前回紹介しました。扮装の勝利?イエイエ踊りも立派でした。P1000011 P1000015

20区元気か!脳教室 玄米ニギニギ体操「米節」昨日初めて参加した方、よくがんばってくれました。その方を一緒に誘ってくださる教室なのですね。そこが大切です。P1000017 P1000019

4区脳いきいき教室 合唱、歌詞がとても素敵な「磐井の里から」会場からの歌声もなかなかでした。「草津節(替え歌)」は納得の歌詞でした。P1000020 P1000022 スタッフも歌ってました。

「草津節(替え歌)」Img_2 P1000031 

この二つの歌を4区の皆さんに紹介したのが千葉岩雄さん。
「会議で胆沢町の人から聞いたんです。そのときにこれは使える
 と思って。今回発表したんです」
そこで私が「教室があるからこそ、そうやってアンテナを立てることになりますね。地区の皆さんのためでもありますが、千葉さんのためでもありますね」といったら、こんないい笑顔を見せてくださいました。

19区老人クラブ 玄米ニギニギ体操「きよしのズンドコ節」 大きい舞台を想定してフォーメーションを工夫してたのにちょっと残念でしたね。でも想定外の状況によく対応できました!P1000028P1000029

P1000024 宮城県や岩手県でよく見かけるのが玄米ニギニギ体操です。玄米を布製の袋に入れてダンベルのように使います。これを持って体操したり、踊ったりするのです。
どんな色の、どんな模様の生地を使うか?
口を締めるのに使う紐をどういうものにするか?
余り布で作るのが悪いとは言いませんが(”もったいない”を満足させられます)楽しい好みの玄米ダンベルを作ることを脳いきいき教室では勧めたほうがいいでしょう。
色を好き嫌いの基準で決める時には、右脳(と前頭葉)が活性化されますから。このダンベル素敵ですね。


千葉ミヅさんin平泉町

2008年12月04日 | かくしゃくヒント

平泉に行ってきました。 講演と勉強会が目的でしたが、前日の保健師さんとの勉強会で話題になった82歳の千葉ミヅさん。とにかく見てください。P1000034
現在82歳。
戸河内(へかない)の脳いきいき教室のリーダーさんです。
写真は、講演会に先立って行われた「いきいき発表会」でのショットです。付け加えると、「ピースサインをし忘れたので撮りなおしてね」といわれて撮った二枚目の写真です。

前日の勉強会で、担当のM山保健師さんが、最後になって「この方を見てください」といわれました。(この時点では、名前は伏せてテスト結果のみの解釈をします)

私の第一声「82歳でしょ。すばらしい。文句なし。安定的なリーダーさんじゃない?」
M山さん「実はこれが3年前の成績なんですが」と、3年前79歳のときの脳いきいき度チェックの結果も一緒に検討しました。
私「これもまたすばらしい!もともとお元気な方だったのね」といいながら、よくよく見ると、脳機能はすべて改善しているのです。かなひろいテストまで!
79歳だったんですよ!それでも、改善できるんです。
今の状態は60代でしょうか。

そのことは、M山さんはもちろん承知でした。笑いながら「ほんとに助かってます。参加するだけでなく積極的にアイディアを出してくださったり、お仲間に声掛けをしてくださったり。明日もお楽しみに!」

「実は、衣装のアイディアを出してくださったんです。派手すぎじゃないかという意見に対しては年をとってるんだから、踊りが間違っても衣装でカバーしなくっちゃあって。伴奏の曲目もお孫さんに頼んだといってCDを持ってきてくださって、私何もしなくていいんです」
いきいき発表会 P1000012 左が一番恥ずかしそうだったM山さんP1000014                 動きが大胆

「散歩は欠かさないし、図書館に行くといいよって言われます。いろんな本を読むと私の悩みが小さいことがわかるし、小さい子がたくさんいて楽しいしって言われるんです」

「運動教室にも参加されます。大体50代60代の方が多いのですが胸張って。プールのときは水着を買って参加されました」

「積極的で朗らかで、でもでしゃばらないで、ほんとにいいムードメーカー役をやってくださって・・・」P1000033

つまり、M山さんは私にイバリタカッタんですね。 その気持ちよくわかります。
いいリーダーに恵まれると教室全体の雰囲気がとてもよくなります。
お隣にお座りだった戸河内の方ですが、このすばらしい笑顔をご覧ください。後ろの方もいい笑顔!
ここまで人材がそろうと、名実ともに楽しい教室だということがよくわかります。
平泉町保健センター穂積保健師さん青山センター長P1000035

平泉町保健センター長の青山さんが、「認知症の予防活動をすることによって、本来必要とされる介護負担が少なくてすむということの意味をもっと重く見ていかないといけないと思います」といってくださいましたが、予防は軽いほど効果があがります。
この千葉さんの例を見てもわかるように、元気な方ほど教室の効果がはっきりと現れるものです。
ただし楽しんで参加できる、そんなパーソナリティ(つまり、前頭葉)が前提条件ですが。

穂積さんが教室を導入してもう7年がたつそうです。
先日うかがった横手市と同様、保健師さんたちの印象としては「もってる方が多いですよね」と顔を見合わせていました。皆さん全員の前後比較ができるわけではないのですが、7年間維持できればそれはすばらしいことですね。P1000003

千葉ミヅさんのように「教室」という場が用意されて、そこで始めて発揮させられるような才能(脳力)があって、そうすると年齢に関係なく開花させられることもよくわかりました。

認知症予防教室は、かくしゃく・正常・小ボケまでということを忘れないでください。


鎌田耕治さんin横手市

2008年12月02日 | かくしゃくヒント

横手市で出会った鎌田耕治さんを紹介します。P1000049
横手市のE谷保健師さんが去年から手がけている「まちなかウォーキング事業」の実行委員長をされています。
とても魅力的な方です。
とても70歳を過ぎていらっしゃるようには見えません。
もちろんそのような「見た目」もですが、何より「生き方」がすばらしい!

二人でお話した時間は、教室の始まる直前ほんの5分ほどでしたが、伝わるものが大きかったのです。
そんなに短い時間でしたが意気投合しました。
鎌田さんのように「心と体の健康」を考えていらっしゃると、それはそのまま「脳の健康」を守ることになりますし、その延長線上に「ボケ予防」がごく自然に見えてきます。

「まちなかウォーキング事業」のチラシを見てください。Img_0001_5Img_3

保健師さんとしての思いがたくさん詰まった企画ですね。
その4回目の教室の講師を務めました。
「『心の健康づくり』を拡大解釈して『脳の健康づくり] という観点からお話しまししょう。そうするとボケ予防の話にもつながりますから」とE谷保健師と決めていました。
その教室の前に鎌田さんが発表をしてくださることになっていて、挨拶と打ち合わせをかねての初対面でした。

廊下でのご挨拶のときに開口一番
「退職したときに、さあ、これから何をやるかと考えました」
「スポーツを続けていたこともあって、スポーツを柱にとはすぐに考えましたがどういうやり方がいいのか・・・自分はスキーも陸上も今でもやっていて、マスターズにも出て入賞してるのですが誰でもできるものをと思うと・・・」

そのとき私はちょっとびっくりしました。
第二の人生の始まるスタートのときから、「誰かのために」という視点を持っていらっしゃっることはなかなか得がたいことですから。

小田原ヒルトンホテルのクリスマス飾りP1000004_3

その結論が「横手ウォーキングクラブ」設立だったんですね。

そのときから12年。会員は約100名。
その実績をベースにして「信念です」と前置きされて教室の前に発表してくださいました。
(以下は私の要約ですが、間違いはご容赦を)

信念1.一人より二人以上の道連れウォークが楽しい。
心に与える健康効果。ストレス解消。パートナーに共感してもらい笑い飛ばすことで新しい活力の元が生まれる。
体力つくりとストレス解消の一石二鳥が図れる。

P1000005_2信念2.短距離でもいいから長期間続けること。
そのための三つの工夫①目的を明確に②違うコースで気分転換③仲間と励ましあう。
あくまでも歩く楽しみを損なうことのないように気をつけよう。

信念3.体の健康にも考慮しよう。
空腹時のウォーキングは注意が必要。特に早朝。水分やちょっとした食べ物を用意すること。膝や腰への配慮も。

信念4.自然の中でのウォーキングを原則に。
森林浴の恵みは心にも体にも。
自然観察を加えることで増加する楽しみを知ろう。横手は豊かな自然に恵まれて適当な場所がたくさんある。P1000006_3

どうですか?
E谷さんと、すばらしいカップルが組めそうですね。

廊下で私は鎌田さんに話しました。
「今日の話を聞いてくださると、鎌田さんがどんなにいいことをなさってこられたのかよくお分かりいただけると思います。脳の健康にとってすばらしい生き方をなさっています」

だって、
「生きがいを持って、趣味や交友を楽しみ、運動を続ける」ことは、第二の人生においては脳機能を保つためにはベストチョイスですから。

どうぞこれからもお元気で。横手の皆さんの牽引役でいらしてください。


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