脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

テストができないということは・・・

2010年01月20日 | 二段階方式って?

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これは、質問されてきたMMSのA4版白紙です。
日付は正確に書かれています。ということはMMSは24点以上が想定されますねから「文を書く」も「図形の模写」も正答のはずです。

「文を書く」:あたまのたいフう(たそう?)しているとこです
マニュアルA71Pを参照してください。一文で一字の誤りは正答ですから、これは正答になります。が、奇妙です。
こういう場合は「一字ずつ押さえながら読んでください」と指示をして、被検査者が間違いに気づけば、ケアレスミスだったということになって、テスターが感じた「奇妙さ」を消すことができます。

「図形の模写」:これはどう見ても、0点です。

こういう場合は「MMSの低下順がおかしい」ということになります。
専門機関に受診していただくのですよ。右脳の機能低下が起きていますがその原因や治療は専門のドクターが決められることです。
私たちの役割は、脳の老化が加速されたタイプの認知症だけを対象に生活改善指導をすることです。

質問された方と一緒に、正答にできないとき(つまり0点のとき)はどんな時なのかをまとめてみました。今日のお話はそのまとめです。

皆さんが脳機能検査を実施していて、正答にできないときどう感じますか?
検査に習熟するまでは「びっくりする」のが普通でしょう。
そして、「どうにか正答になるようにしてあげられないものか」と思うはずです。その時にはこう思うことがほとんどです。
「私の言い方が悪かったから、できなかったに違いない」・・・

そうです「できない」と判定するとき、その理由の筆頭にくるものは
①テスターのやり方が悪い。
声が小さい。早口。教示通りに言わなかった。教示通りでもわかりやすくいうように配慮しなかった。などが考えられます。
でもこれはちょっと気をつければきちんとテスト実施できることなのです!

被検査者が集中ができていないため、脳の能力としてはできるのにできなかった。上の空でテスターの教示を聞いた。これは、被検査者の前頭葉機能低下ということになります。
こういう場合は、再度その項目の検査を行うことで正答する能力があることが確認されます。具体的なやり方はマニュアルAを読んでください。

③脳機能に問題があって、やろうと思ってもできない。
(大ボケの場合は、脳機能低下があってできないが、やろうと思っていない)

④脳機能には問題がないのに、やりたくないからできない。あるいはまじめに取り組まないために結果が正答にならない。
稀には、このようにメンタルな問題がかかわっている場合もあります。

⑤テストに拒否的。例えば、ピック病の方などが怒ってしまってテストにならないこともあります。それでも、できないのは難しい項目に対してであって、できる項目は怒りながらでも正答を答えます。
「幼稚園みたいなことを聞きやがって!鉛筆だろ、鉛筆にきまっとる」こんな感じです。
とはいえ、私はこういう方には二人しか当たったことはありません。

五つ並べましたが、②がほとんどで、たまに③が見つかるのです。
皆さんが体験なさったテスト結果ではどうだったでしょうか?
③がないかどうかを調べることがMMSの目的の一つです。(もう一つの目的は生活のレベルを知ることです)

今日はまじめなお話で、左脳、ご苦労さまでした


年賀状紹介1 右脳全開

2010年01月14日 | かくしゃくヒント

今年も年賀状を紹介しようと思って読みなおしてみました。
やっぱり、「絵(右脳主体)」のあるものが、目につきます。
もちろん、「添え書き(左脳主体)」で、お元気を確認したり、安心したり、驚かされたり。たくさんの情報をいただいて、年に一度のよい情報交換の場だと喜んでいるのですが、ブログでご紹介すると言う条件がつくので一層「絵(右脳主体)」の年賀状に目がいくのでしょう。

本田榮太郎さん初登場は2007年でした。去年の年賀状はこちら

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今年は 83歳におなりですね。
モダンさと力があふれるこのデザイン力、色彩感覚、そしてもちろん技術的なことまで含めて素晴らしいの一語です。
「俺様はトラだぞ~。あの強~いトラなんだぞ」と登場しています。
でも私には、このトラの目が、どこかひょうきんで「ねえ、ねえ、遊ばない?」と訴えてるように感じられるのです。かわいい目だと思いませんか?
偉い人なのに、楽しくてユーモアがあって、まるで本田さんみたい!(詳しくはリンク先の記事をお読みください)
今年も下川町のためにご尽力くださいね。

岩月和人さんImg_4

脳活性化ゲームを考案してくださいました。
そしてエイジングライフ研究所の二段階方式を導入している市町村へ「巡業」と称して、訪問指導してくださっています。
今年もよろしくお願いします。

M田博子さん(小中高校を通じての友人)

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今年は、何と京都での個展が予定されているとか。すごいね!
博子ちゃんは小学校の時から絵が上手でした。卒業以来一度も会ってないけど毎年素敵な年賀状が届きました。版画の集大成でしょうか?
博多から、地震見舞いを言ってくれる友人がいることが私の宝です。

土屋供生さんImg_0001_5

あまりにも見事な富士山でしたから、ブログ掲載のお許しをいただこうと思って連絡を差し上げました。
そうしたら、何年振りかでお電話でお話しすることができました。

「飛行機から富士山は何度か見ましたが、こんな角度で見えたことはありません。写真集を出されるほどの腕前とは承知してますが素晴らしいですね。」というと
「いろんな条件が重なって撮れたんですよ」とおっしゃいます。

土屋さんは私の大好きなCMの会社にお勤めでした。
♪ネコとアヒルが力をあわせてみんなのしあわせを~まねきねこだぁっく♪
退職のお知らせをかなり前にいただいたことを思い出しながら
「たまには伊豆へお出かけになりませんか」とお誘いしたら
「それが・・・、今はまたちょっと仕事をしているんです。それが結構忙しいものですから・・・」だけじゃなかったのです。
「シャンソンをしていたことは言いましたよね。あれが結構評判が良くてずーと続けています。銀座で歌ってるんですよ」
「どこでも何かありましたら飛んでいきますから言ってくださいね」
「それから、民生委員もやってるんです」

ここで、「そうだネット検索してみよう」と思いついて「土屋供生」と入力。
びっくりしました。
プロのシャンソン歌手TOMOOさんになってらっしゃいました
「彼の歌う百万本のバラは絶品」などというものも見つけました。

写真家土屋供生さんを紹介するサイトもありました。

素敵な第二の人生。右脳に彩られて豊かですねえ。
今年お会いできるといいですね!


続「せいさく」ー脳活性化のテーマ

2010年01月09日 | 右脳の働き

獅子柚子の送り主からメールが届きました。
味の事には触れられていませんが、特筆すべきではなかったということですね。」
イエイエ。「すでに食べたので少々減っています」の表現がまずかったのですね。「少々」ではなく「たくさん」のほうが正確でした。
今日の伊豆高原。梅はわかるとして2010_0109_132300p1000320

パンにつけて、ゆず茶にして、ヨーグルトに入れて、ハムにつけていただきました。

砂糖は80%くらいに抑えてありますので甘すぎずヘルシーです。そして、種のペクチンのおかげでしょう、結構固めに仕上がっています。
激しく「ユズです!」と主張するのではなく、香りも苦みもほのかなところが何にでもマッチするのだと思いました。

サクラまでもが咲き初めて(城ケ崎サクラ)2010_0109_135700p1000321 2010_0109_135800p1000322

もうひとつメールのご紹介。
I市のO寺保健師さんのメールです。

「・・・略。昨年のクリスマスイブに、右脳教室があったので、スポンジは私が作り
生クリーム等を準備して、皆に作ってもらいました。
もちろん、右脳を使って作るんですよと言って…
スポンジがちょっと硬めに出来たのですが、皆、いきいきして
私もしたいと、男性もクリームをつけていました。(4チームで作成)
そしたら、自分たちの作品が一番と皆が言うんです。
どれをとっても甲乙付けられず、結果的には引き分け。
自分たちの作品を、ケータイで写真を撮っていました。
ケーキを作ったのは、初めてとの事で、とても盛り上がりました。
(私は前日作ったスポンジの出来が、今一で、しょぼくれていたのですが…)
みんなの喜ぶ姿で、ホッと胸をなでおろしました。略・・・」

ケーキの飾りつけは、確かに右脳(主体で、もちろん前頭葉はいつも関与しています)ですね!
その証拠が、「自分たちのが一番」といえるところです。
左脳主体の時は、客観的に評価ができるのです。
「これは正解、これは間違い」「これは100点、これは50点」というふうに。

写真がなかったので友人作2009_1224_163300p1000300

もちろん、ケーキ作りでもケーキコンクールの時などは評価が伴います。販売用に値段をつける時なども、デコレーション次第で高値になったりもするでしょう。

そう いうときには、客観的な評価はその通りということで納得するしかない。
左脳は納得するでしょう。

右脳が関与すると、
「評価されなくてもいいの!でも、私はこれのここが好き!」このような展開になるのです。

例えば、計算ドリルを競ったとします。漢字書き取りを競ったとします。
はっきり順番がつくでしょう。
右脳主体の製作であったとしても、誰が見ても「こちらがいい、こちらは劣る」というような結果につながることは、ボケ予防教室のテーマとしては不適切です。
センスや技術の差はありますから、客観的な優劣は付くのですが、材料や製作方法に工夫があれば、優劣は別として
「あなたの作品も素晴らしいけど、私は私の好みで作ったこの作品が好き!」と抱きしめるような結末が期待できます。それが望ましいのです。
考えてみれば、そんなときにこそ「また、やってみよう」と意欲がくすぐられると思いませんか?
遅ればせですが、クリスマス写真 2009_1213_093400p1000271 2009_1213_093300p1000270 ゆうかり工房のフェルト作品とKKくん9歳の作品

そういうエイジングライフ研究所の希望を聞いていろいろな手作りキットを開発してくれたのが、ゆうかり工房です。

今日我が庭に咲いていたバラ2010_0109_150300p1000325

もっと簡単に、喜びや意欲に直結するのがゲームでしょう。
岩月脳活性化デザイン研究所がいろいろと試行錯誤しながら高齢者(と子ども)向けのゲームを開発してくれています。
ケーキ作りに挑戦したり、ゲームに興ずることができる高齢者は恵まれていますね。
O寺さん、よかったですね。講演に伺った時、あの地区の高齢者の皆さんからは、意欲満々という印象を受けました。
今年も地域の皆さんと楽しんでください。


年末年始の「せいさく」活動報告

2010年01月07日 | 私の右脳ライフ

「パソコンを使うようになって、変換すれば漢字になるので字を忘れて困る」とよく言われますが、使い方次第でパソコンはとっても便利ですよ。
「せいさく」を変換しようとしたら、パソコンから「製作は実用的。制作は芸術的」と注意がありました。言われてみたら(パソコンは「言いません」ね。「表示される」だけでした)そのように使い分けていたとは思いますが、あらためて使い分けを納得しました。製作は左脳優位、制作は右脳主体ということになりますね。

今日の報告は「どちらも含まれているな」と判断して、あえて「せいさく」のままにしました。

実は年末にたくさん野菜をいただきました。段ボール箱からつぎつぎに顔を出す野菜たちに、自然に笑みがこぼれていったのですが、これが出てきたときにはとうとう「あ2009_1230_085800p1000312_2 2009_1230_085100p1000311_2

さっそくパソコンでユズの勉強

獅子柚子は姿、香りはまさにユズ。ただちょっと大きすぎて、いわばユズの怪物君なのですが、文旦の仲間だそうです。
確かに、むいた果肉は文旦そっくりでした。
「やっぱりマーマレードでしょう」と決めてまたパソコン頼り。レシピをゲットして挑戦しました。
巨大な皮に、ささやかな果肉というのがわかっていただけますか?

私は九州育ちですから、ここまでやったところでザボン漬が懐かしくなりましたが軌道修正はせずに邁進。
「種にペクチンがあるので種ごと煮込む」ことは知っていましたので、種も大切にとりだしました。皮を湯でこぼし、ゆっくりと煮含めて完成。 もう少したくさんできましたが、すでに食べたので少々減っています。2009_1230_092400p10003132010_0107_231200p1000315_2

以上が製作1です。続いて製作2
2010_0107_231400p1000316 大根の割り干しを作りました。
幸い、風の強い日が続きましたからそれはみごとに乾燥しました。

割り干しの切り方を教えてくれた近所のおばあさんが
「だれが盗っていったのか?と思うほど、嵩が小さくなるよ」といった通り、ほんとに小さく乾きました。2010_0107_231600p1000317

以上は漢字で表現すれば「製作」には違いないのですが、作っている本人としたら「ワクワク感」があって、なんだか仕事っぽくないのです。
割り干しを作っている時などは、毎日どこまで乾いたか確認するために眺め、触り、においをかいで・・・
雨模様だとあわてて取り込み、ちょうど生き物を育てているような感じでした。

とはいっても、切り干しや割り干し大根を作るのが仕事の人にとっては、五感を駆使してもこういうような遊びっぽい取り組みにはならないでしょう。脳の使い方というのは結局のところ状況に大きく左右されるということになります。
状況をどうとらえるかは、前頭葉の出番。
仕事の中にも、一工夫して右脳で楽しめるときには楽しむ姿勢はあってもいいと思います。

一応制作と言わせてもらいましょう。
昨秋から「かな習字」を始めました。たまたま展覧会で王朝継ぎ紙を知り縁あって先生に教えていただけることになりました。
「継ぎ紙だけは教えられません。字を書く料紙ですから、かなを学びなさい」ということになったのです。

色や形、紙の材質など、あれこれと組み合わせてみて、「これって右脳が活性化するなあ」と実感しました。

「平安時代のお姫様だったら、和歌の素養をベースに継ぎ紙をするわけだから、それって、左脳も十分関与してることになる。でも、和歌の知識を使いこなすには大変な努力が必要だし、平安時代に生きていなくてよかった」などと「ちぢにものこそ思ひけれ」でした。

2010_0108_001100p1000318ひとつ趣味が増えると興味関心も増えますね。最近買った本です。
「光琳カルタで読む百人一首」
今まではかなで書かれていると「読めないもの」と決めつけて、読みもしませんでしたが、「ちょっと読んでみようかな」という程度に成長しました。そうしたらこのような本に目がいくようになったのです。


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