「たけのこ食べるなら送ってあげるけど?」
「鹿児島のいとこが送ってくれたばかりだから…大きいのを4本も!」
「わかった。今回はパスね。でもね。私のは掘り立てをすぐに茹でるからおいしいのよ」
「たけのこも美味しいけど、鹿児島出身としたらアク巻き!」
私も九州出身なので口にしたことはあるのです。レシピを聞きましたが、食べても作ったことはないそうで、
「もち米をアク汁に漬けて竹の皮で包んでアク汁で煮る。とにかくアク汁がいるから大変だけど」と大体のことを聞きながら、あとはまたまたネット検索だなと考えていました。
アク汁を作るために、草木灰作りから。
でも今回は竹の皮が必要なので、一枚ずつ慎重に剥いでいきます。
よく眺めてみるといろいろおもしろいことがわかってきました。
竹の芽のところを見ると、向かい合った芽がだんだんに開いていくのと、皮が大きくなることと、茎がぐんぐん伸びていくことはほとんど同時のことなのですね。
皮は、こちら側とあちら側と交互に竹を守っているのです。緑の芽が見えるとしたら、その一枚下の皮はちょうどその反対側からくるりと竹の本体を巻いています。
皮を剥き終わり、いよいよ包み始めようとしたら、とんでもないことに。本来なら、乾燥竹の皮を戻して使うらしいのですが、「新鮮なものがあるからそれでいこう」と簡単に考えていましたが、こんなことに。
「3時間も煮る」という作業が待っていますから、破れた皮では役に立ちません。
そこで、前頭葉の出番。新鮮すぎてパリパリしてるわけだから電子レンジでチン。
巻き方にも、芽を下にするとか、横にするとかいろいろな方法があることがわかったので、つまりはどうでもいいと理解しました。実は私は芽を下にして包みました。
一晩漬けたもち米は、思ったよりも色はついていませんでした。
竹の皮をさいたもので結ぶことになっていましたが、竹の皮が短くて用を足しませんから荷造りひもで代用。そして鍋で煮始めました。沸騰してから3時間!
一応、アク巻き完成。
恐る恐る開けてみてショック!
私の知っているアク巻きは茶色というかあめ色でした。皮の黒いところはそれでもやや濃い色ですが、白い方はかろうじてベージュ色。
食べてみましたが、やはり淡白で、「もう少し違った味だったわよね・・・と言い訳するしかないなあ」とがっかりしました。
アク汁が薄すぎたのか、皮が新鮮すぎて皮のアクが足りなかったのか。よくわかりません。
もう一つ問題発生。
ここで一つ困ったことが発生しました。もち米を洗いすぎてしまって、とてもアク巻きだけでは処理しきれない。鍋いっぱいの第一陣が完成したものの成功とはいいがたい。第二陣も煮るにしてもお米が多すぎる・・・
「そうだ!タケノコもあるし竹の皮もあるし。中華粽を作ろう」
定番のチャーシュー・ギンナンはありませんが、干しエビはあったので、結構これはおいしいかもしれないと、捕らぬ狸の皮算用。
中華粽はまあまあの出来だったのですが、メインのアク巻きがうまくできなかったのは痛恨の極み。
気を取り直して、掘りたてたけのこ(ゆで)とアク巻きと中華粽を、川崎の友人宅へ送りました。
ちょっと失敗でごめんなさい。アク巻き第二陣は、煮汁をそのまま使ったせいか、ちょっとは色が付きました。
お口直しにきれいな花を一枚送ります。小鳥のえさのひまわりが咲いたんですよ。