旧古河庭園から駒込六義園に回りました。
実は六義園は、私にとって初めてのデートの場所でした!何か思い出すかもという期待を込めて足を運びます。駒込駅を見ても何も思い出せませんが、この変わりようでは仕方ないと納得。
染井門の前に立ったら「この門、覚えている」とちょっと感動しながら「お庭の中に入ったら…」と期待が膨らみました。
案内に従って正門から入園しました。結論から言うと、何一つ具体的に昔のシーンを思い出す場所はありませんでした。でも十分に楽しみましたよ。覚えてないということは、新鮮な経験ということでもありますから。
柳沢吉保の屋敷であったこと、小石川後楽園とともに江戸の二大庭園と言われたこと、紀州和歌の浦の景勝を写しだしている等々の説明よりも門のそばの鉢植えアジサイに目が行きました。
シーボルトが欧州に持ち帰った、アジサイ。妻の名であるお滝さんからとられたオタクサの名前。
日本アジサイが二種。深山八重。
七段花
庭園は、明るく開放的でした。
中ノ島まで持つ大きな池があります。
見学コースのあちらこちらに和歌の浦との関係や、歌われた和歌の解説やらがたくさんありました。
一巡りして正門前まで戻った時に、Jガーデンの石井さんのロートアイアン作品がこの辺にあるはずだと気づきました。「駒込の鶏料理屋さん」と聞いていましたから。電話って便利ですね。今はネットもありますけど、生の人の声で説明してくれると「行こう」という気持ちを後押ししてくれるようです。
ほんとにすぐそば。何だかドイツみたい。すてきな作品ですね!
お店の佇まいもなかなかおしゃれ。
お料理もおいしかったです。名古屋コーチンの南蛮。鳥のうまさを生かした上品な鳥南蛮でした。
目の前が駒込警察署
その右側に、「お、おぉ日本医師会」。
信号を渡ると「ここに東洋文庫がある!」とこんなことにも喜びが。
ちらっと冷やかした後、なんだか歩きたい気分が続いて、駒込寺町散策。
解説板が何か所も立っています。だいたいが「江戸時代~」から始まります。現代の大都会でもさすがに江戸情緒を感じることができる町なのですね。
お寺の中に、寺子屋ギャラリーもありました。
佇まいもセンス良く。
道路際で発見!
六義園のはす向かいにはフレーベル館がありました。子供が小さかった頃よく手にした本がフレーベル館から出版されていましたので、この発見もうれしかった。その隣にいたドラえもん。
普通のビルにあったシンボル。
景色や花を楽しめば右脳が刺激されます。たまには歴史の勉強で左脳も刺激しながらの楽しい遠足でした。
旧古河庭園のバラも見事でしたが、その前に近所のバガテル公園のバラたちへもご挨拶してきました。
いつもはパスしてしまう、公園の小高い丘の上にあるガゼボ(西洋あずまや)にまず登ってみました。
ガゼボを入れて写真を撮ってみました。
アップも
カクテル。今年のバガテルには、大学時代からの友人のK子さんと一緒に行きました。
初めて所沢のお宅に伺ったときに赤いバラが玄関に咲き乱れていて、北九州工業地帯の真ん中で育った私は初めて一重のバラを見てびっくりしました。そしてその時「カクテル」という名前も教えてもらいました。というような昔話をK子さんにしたら、次々に学生時代のことが話題になって、バラを楽しみながら、胸中ではまた別の感慨にもふけることができました。
「伊豆の踊子」という名前の黄色のバラがあります。開園直後の話だそうですが、パリのバガテル公園で毎年行われる「バラの新品種国際コンクール」に出品された元気な黄色のバラを「伊豆の踊子」と命名して、パリ市から贈られたものなのです。
この花かどうかは記録不備で…
ブルーローズもだんだん増えてきました。
カメラマンの秋山正太郎さんは、バラをとるときには霧吹きでしずくを付けたものだそうですが、今日は雨上がりで、しずくはちゃんとついていました。
葉にしずくがこれだけついてしまうと、ちょっと邪魔かもしれません。
このタイプは香りがいいことが多いですね。
八重もいいけど一重もかわいい。
とても元気に咲き誇っていましたが、その陰には係りの方の努力があるのですね。
5月10日に行ったときの花たちです。
上京のついでに、旧古河庭園に寄りました。
ちょうど、バラが満開だろうと思っていきましたが、全く大当たり。ただ、さすがに東京。大勢の人たちであふれるようでした。
洋館の前庭は、フランス風の左右対称の幾何学的なバラ園が広がっています。
バラはとってもきれいですが、何しろ人がたくさん…
私にとっての旧古河庭園は、洋館とバラ。だいたい旧古河庭園の紹介写真は手前に咲き誇るバラ、その向こうに端正な洋館がそびえているというものですから。
ところで今回行ってみて初めて分かったことがあります。
武蔵野丘陵の端を上手に生かした、心字池を中心にした日本庭園があることと、その庭を作ったのが京都の「植治」だということです。バラ園を下ると別世界が開けます。
去年京都に行ったときに、植治が作った洛翠と平安神宮神苑の庭を見学しました。
明治になったばかりの京都の人々の危機感が琵琶湖疎水を作り、工業化には失敗したものの、その結果南禅寺界隈の別荘群が生まれました。
そこで活躍したのが小川治兵衛(植治)。
歴史的に見ると、水が豊富でなかった京都だからこそ枯山水の名園ができたのです。ところが南禅寺界隈の新しい別荘地には豊かな琵琶湖疎水が引き込まれていますから、池を中心としたり芝生の明るい庭を持ったり、当時としたら斬新な庭がいくつもつくられたということを聞きました。
もちろん、このお庭も池が日本庭園の情緒を高めています。
さまざまな灯篭を楽しみました。
雪見型灯篭
泰平型灯篭
春日型灯篭
東京では珍しく、京都ではポピュラーな石積を使ってみたり。この崩石積は植治の力作と説明がありました。
枯滝を配したり。
むかし「かくしゃく百歳」の方々の調査をした時、東京在住のI島浩さんが言われた言葉を思い出しました。
「昨夜は明け方までウインブルドン選手権を見てしまった」という前置きに続いて「今はテニスはできなくなったけれども、ボク程テニスの試合を楽しんでみている年寄りはいないと思うよ。若い時から80歳過ぎまではやったかな…人生はなにごとも経験だね」
「植治」のことを知識として知っていただけに比べて、去年「植治」の庭を見たという体験が、今日の旧古河庭園の散策を数倍楽しいものにしてくれたなあと実感しました。
確かに体験は重要です。体験しているときには前頭葉が活性化され、それだけでなくその体験が前頭葉をさらに色づけるからですよ。
前ブログでお話ししたように、長男が日本初のイスラム法に合致したファンドを運用し始めたことから、私はイスラム全般に対する興味を持ち始めました。もちろん各地で勃発しているテロのこともありましたけれど。
東京ジャーミィはトルコ文化センターも兼ねている施設です。
私が行った日は、なんと、月に一度のイスラム料理教室(ランチ付。参加費1000円)開催日でした。「本当は予約が必要なのですが、ちょっと聞いてみてあげましょう」と係りの方がご親切に話してくださった結果、参加OKということになりました。
「牛肉とヒヨコ豆の煮込み」と「シェヒリイェリ(セモリナ小麦)入りピラフ」を説明しながらトルコ人シェフが作ってくれます。
トルコ人のシェフは日本語がとても流暢でした。当然のことながら「ハラル」の説明もありました。
「ハラル」は最近急に耳にすることが多くなった言葉ですね。ほんの2年ほど前までは「豚肉やアルコールが使われていない」と「決められた方法で作られた」食材のことと思っていましたが、「ハラル」は「許されたもの」という意味で生活全般に関わっているということは長男から聞いて初めて知りました。
留学生の世話をしている友人からも「イスラム法は過酷な環境で生き延びていくための知恵という意味合いも強い」と聞かされていました。
今、上の「ハラル」にウキペディアへのリンクを張っておきましたが、ウキぺディアですら、食品に偏った解説になっています。
来月のラマダンの時には、毎日300人分の夕食を準備するそうで、そのためにイスタンブールからシェフが二人来日することになっていると説明がありました。それに私の行った5月21日は「ベラートの夜」という聖なる日でしたから、その日の夜は礼拝で、日中は断食で過ごす(その後は食事をふるまう)予定になっているそうです。
大勢に食事をふるまうことは、慣れているわけですから手際よくサーブが始まりました。
食材としての「ハラル」の説明は興味深かったです。「法にのっとった」方法でのというのは、従事する人はムスリムでないといけないから始まって、祈りをささげながら頸動脈を一刀両断、死体をキブラの方向(祈りをささげる方向)に寝かせて血液をすべて出してしまったのち調理する。
銃殺、撲殺、絞殺すべてタブーで、電気ショックの場合は細かく時間まで決められている。
海、川、湖すべて水中で死んだものは「ハラム(許されていないもの)」
と書きながら、あまりの生々しさに、筆が重くなってしまいますが「命あるものの命をいただく」ということを真正面からとらえているということは納得できました。
食事も「体にいいものを摂る」という考えが強いようで「医食同源」の部分もあるようでした。
ラマダンの説明も「食べ過ぎるとおいしくない。たまに食べないでいると胃腸も休まるし、だいいちおいしいです」となりますし、日に5度の礼拝も「食事を3食摂って、おやつと夜食なら体に対して5回。心に対して礼拝5回。同じことです。礼拝を済ますとみんな笑顔になって心地よい。怠ると精神に悪いのです」と実にシンプルな説明です。
食事のあと、たまたま館内説明ツアーがあるということでしたからもちろん参加しました。
食堂から出てびっくり。大勢の方々が待っています。先日、NHK朝の情報番組で東京ジャーミィが紹介されたために、参加者が急増したのだそうです。
解説は、歴史から始まりました。
ロシア革命を逃れて日本に亡命したきたトルコ人たちがこの地に多く住んだために礼拝堂建設の機運が高まり、1938年にこの地に建設されたのが東京回教礼拝堂でした。そして老朽化のため2000年に新築されましたが、その際トルコ本国から水と鉄以外のすべての建材を運び入れ、技術者や工芸職人も来日してイスラム文化の粋を極めたモスクが完成しました。
礼拝堂天井ドーム
金工作品
大理石のモザイク
繊細な細工!とステンドグラス
1階の一画にはトルコの民家の応接間も再現されて、休憩所になっています。
美術品が飾られている棚にはガラスも入ってなくて、普通の家の雰囲気を大切にしているようです。
また別のコーナーには焼き物がたくさんあります。
こんなものも。
お皿を大写ししてみました。
2階に礼拝堂がありますが、そこに行く途中にトイレがあります。一見するとシャワー室のような作りです。礼拝の前には決められた作法で体を清めなくてはいけないために、この場所は用意されているのだそうです。
礼拝の時刻は厳密に決まっていて、ネットで確認できます。
ただ係りの方は「礼拝は見てくださいね。時間はまあだいたいの目安で」と言われました。定刻になると館内に祈りのことば(と思いました)が流れてきます。
これはコーランを唱えているのではなくて、「アザーン」と言って礼拝への呼びかけなのだそうです。私には表現できませんが、異国の音楽、ただし何か懐かしいような心を穏やかにさせる調べでした。私は音楽を聞いたと思っていましたが、「アザーン」を調べてみてあくまでも人の声だけだということがわかりました。
これは音楽ではないことになっています。なぜならば音楽は「ハラム(許されていないもの)」になっているからだそうです。
声明はお経を節を付けてあげるものですね。このアザーンも声明のように「節」がありました。
礼拝中の見学も自由です。説明ツアーでは礼拝の作法も教えてくれました。
とても興味深く、居心地よい時間を過ごしましたが、考えてみたらあくまでも宗教のメッカですよね。敬意と自分の信念をきちんと持って見学するところだと思いました。
東京ジャーミィに行ってきました。と言っても「フムフム」とうなずける人は少ないと思いますが。
ジャーミィは回教寺院(モスク)、イスラム教の礼拝所のことです。
代々木上原にある東京ジャーミィは日本最大級、東アジアでは一番美しいモスクと言われています。
モスクの入り口。なかなか写真に納まりません。
玄関は井之頭通りに面しています。
いくつか「やってみたいことリスト」があるのですが、この東京ジャーミィ見学もその一つでした。存在そのものを知ったのも割合最近で、1年もたっていないと思います。
いろいろな情報は、こちらの関心を持っているかいないかで、通り過ぎるものも留まるものもあるものです。その関心の差はつまりは「前頭葉」の差。
「前頭葉は脳全体の司令塔。その人らしさの源」と、このブログで何度も強調しています。状況を判断し行動を決断します。もちろん軌道修正もします。発想や計画性を生むという風に能動的な面に目が向きがちですが、情報を受け取るという受動的な面でも、前頭葉の中核的な機能要素の一つである「評価の物差し」が決定権を持っているのです。その評価の物差しとは、自分独自の物の見方、感じ方、考え方なのです。3歳児までに吸収した親の背中が見せた価値観とその後の自己体験に基づいて組み立て完成させた自分独自のものなのです。関心が持てるかどうかは、その人の「前頭葉」がその情報をどのように評価するかですね。どのようなものに、どのように関心を持つのか、それをどのように評価するのかを決めるのは、体験の中から作り上げてきた自分独自の「評価の物差し」次第ということになるということなのです。
モスクといえばドーム
ここが礼拝するときの中心になります(大理石を彫っています)
上部のアップ。カリグラフィー(装飾文字)は「あなたがどこを向いてもアッラーの御前にある」
モスクのいたるところに、様々なデザインのカリグラフィーがありました。
イスラムの幾何学文様もたくさん見られます。
モスク入り口のドア
モスク内の柱
これもきれいでした。
モスクへの階段の天井にも。
私たちはコーランと習いましたが、クルアーンと書かれていました。そういえば先日読んだ佐藤優さんもクルアーンでした。
さて私の前頭葉はなぜ東京ジャーミィに反応したかというと、長男の現在の仕事にかかわっています。長男の会社はアジアの成長を日本に取り込むための本邦初のイスラム法(シャリア)適格ファンドを運用しています。
まずは経済発展が著しいマレーシア市場に対して、日系企業のビジネス支援に積極的に取り組んでいるようですが、巨大なイスラム圏への供給を見据えてのことに他なりません。
別府にある立命館アジア太平洋大学のムスリーム研究センターに対し、ムスリムビジネスやムスリム文化を広く研究し、その研究成果の活用が「地方創生」に繋がるよう、資金面での支援をしたことも聞きました。
そのような流れがあって、ひょこっと飛び込んできた東京ジャーミィに深く関心を持ったということなのです。
「瓢箪から駒」みたいな経験もありましたので、それは続きで。
5月の伊豆高原では、アートフェスティバルが繰り広げられます。
伊豆高原に住む芸術家たちがアトリエをオープンにして、作品と滴るような新緑の伊豆高原を楽しんでほしいという思いから始まったと聞いています。
最初から参加なさっていらっしゃる彫刻家重岡建治先生のアトリエ。お天気に恵まれ明るい前庭がすてきでした。
去年はお休みだった…スペース沙羅。
自然な感じのお庭が魅力的。白花タツナミ草が群れ咲いていました。
今年は友人が初参加!彼女は作人ではありません。自分の感性にぴったり合う作品を作る人とその作品を、自分の家に招いてのギャラリー開設です。このような形でもいいのです。
貝殻日記さんの作品(浜辺で拾った貝殻やガラス片を使った作品。私の撮影技術ではとてもお伝えできません)と友人の方のニット作品。
お天気のいい日はお庭でフレッシュハーブティーのおもてなし。向こうのサンドイッチは私の差し入れ。見学する人も受け入れる人もともに楽しもうというのがもともとの精神ですから(笑)
お庭は花が日に日に咲き揃ってきます。
このカモミールは、目と舌で味わいます!
まるでレースのようなオルレア。
こんなお客様も。「春の黒い蝶」と入力して検索したら「ダイミョウセセリ」とすぐに判明。
ちなみに、その後伺った「ミニ蝶のギャラリー」で蝶には「セセリチョウ上科」と「アゲハチョウ上科」しかないと教えていただきました。カモミールが好きなようです。
夏のような陽射しの日もある伊豆高原ですが、さわやかな風を感じていただけたでしょうか。
前から行ってみたかったところがあります。
わたしが住んでいる伊東市の伊東温泉は、源泉数は780本、湧出量国内4位なのです。沢山の共同浴場もあるし大きなホテルもあります。いろいろチャレンジしてみましたが、残っていたお風呂。大東館。
この大東館は、馬場平火山から噴火した火山灰のスコリア層がはっきり観察できる防空壕があることで知られています。
パンフレットによれば「第2次世界大戦が終盤を迎えていた昭和18年頃、陸軍第22工兵部隊(暁部隊三中隊)が敵の空襲や上陸に備えて、国民の避難をはじめ、弾薬や物資の貯蔵を目的に、熱海市網代から伊東市内に約30ヶ所掘られたうちの1つであります。総延長は300mあり、八方に出入口が設けられて、一部にはコンクリートで固められた通路と会議のできる部屋もあり、本部機能をもった防空壕とされております。」
出入り口に近いところには苔が生えています。
これが見たかったのです。本当にスコリア層がくっきりと見えています。
もちろん、源泉かけ流しの温泉は6か所あります。
五右衛門風呂(かけ流し)
露天風呂(かけ流し)
大浴場(かけ流し)
ここのお風呂は、すべて24時間入浴可能。いかにに湧出量が多いかということでしょう。
温泉に行って楽しむことはもちろんいいことですが、もう少しこだわってもさらに楽しいかと思います。そのためには情報を得る努力が必須ということになりますね。
今年の実務研修会は9月3~4日、浜松で実施の予定です。
先日の後家楽(ごけらく)は、下松市の保健師さんからの問い合わせから思い出したことを書きました。
講演会会場で発見
大分県日出町のM石保健師さんからも、別件で問い合わせがありました。
ずいぶん久しぶり。
今回の地震のお見舞いをまず言いました。(幸いにも、大分はそんなに被害はないそうです)それから「その後の予防活動はどうなってますか?」と尋ねてみました。
尋ねながら、日出町のスタートはH15年だったことを思い出していました。
実務研修会を受講したばかりのM石保健師さんを励まして、認知症予防教室の立ち上げをお手伝いしたのです。
エイジングライフ研究所では、認知症予防教室が「単なる歌って、遊んでの従来型のデイサービス」とは違って、あくまでも「脳の健康づくりのための実践・学習場所」であることを大切にしています。
その主張の基本を下にまとめてみましょう。
「この新しい集まりが、自分が恐れてやまない認知症予防のためのものであること。
認知症予防のためには、体の健康に注意するように、脳の健康にも注意が必要であること。
体の健診のように、脳もイキイキ度チェックで年齢相応の老化にとどまっているかどうか調べる必要があること。
もし老化が加速していても、早期であれば脳をイキイキと使う生活に変えれば回復が可能であること。
つまりこの教室は脳の健康を守ったり増進したりする脳の使い方を実践する場所であること」
もちろん教室では「脳の機能」についての解説、右脳・左脳・前頭葉の働きなど学んでもらいます。特に認知症予防には右脳と前頭葉がカギ。
自分らしく生きていくために必須の前頭葉の機能。人生を楽しく過ごすための右脳。これらの機能は学んで理解しても、あまり意味はありません。実践こそがその働きなのです。
「右脳を使いましょう」ではなく「歌ってみましょう」「描いてみましょう」「(作品、料理など)作ってみましょう」「ゲームに挑戦」「体も動かしましょう」社会科見学、ボランティアなどなど「やってみた」時に右脳が動きます。その楽しさや充実感を実感してもらって、教室以外の日常生活を活性化するというのが認知症予防教室の目的です。
今ここに並べあげた目的を、参加者の皆さんに納得していただくための王道があります。それが脳機能検査を行うこと。
教室開始時にまず検査。そして一人一人その人の脳機能に合致した生活(改善)指導をします。特に脳機能の低下がみられる場合(老化が加速している場合)には生活を見直して、何をきっかけにナイナイ尽くしの生活が続くようになったか振り返り、教室で右脳や前頭葉を使う意味を再確認します。
そして、教室終了時にも脳機能検査を行い、改善したかどうか、低下していないかどうかチェックし本人に伝えます。
市町村の保健師さんが認知症予防教室を立ち上げて、次に行き詰まるのは自主活動へのつなげ方、他地区への波及方法などです。この「脳機能」というアプローチを持つと「脳は使ってこそ、活性化する」訳ですから、指導がスムーズに行くことが多いのです。
「脳機能」というアプローチを持つ、そのまた近道は前述したように「脳機能検査を教室前後に実施する」ということです。
それで日出町のその後の報告です。
「それが、予防教室が続いているんです。しかも自主活動で何か所も!」M石保健師さんもうれしそうでしたね。
私は「脳機能検査はやっているのね」と確認します。活動が継続していて、しかも自主活動にまでなるとしたら「脳機能検査」をやっている以外考えられませんから。
「はい。やってます」というお返事が聞けました。
そうですか!よく継続してくれました。どんなに多くのお年寄りの脳の健康を守ったことでしょうか。
脳機能検査はその人その人の生活指導に使うものですが、全体を経年的に見ることも事業のまとめとしたら必要なのですよ。
先輩から、お姉さまの「クイリング展」のお知らせがありました。
会場は三島市の特種東洋製紙のPam(Paper and Materialの資料館とでも言えばいいでしょうか)
立派な建物でびっくりしました。
クイリング作品は写真が写せませんでした。中世、修道院で細長い紙をクルクル丸めて様々な装飾品を作り教会の文物を飾ったものという説明がありました。手の込んだ見事なものです。
主宰なさっている稲葉和子さんは、イギリスのクイリングギルドからも大きく評価されている実力者。コンペでグランプリを何度もおとりになったとか。
Pamの二階には紙に関する博物館だったので、そこも見学。
先輩に「昨日PAMに行ってまいりました。素晴らしい作品たちでびっくりしました!稲葉さんの最初の作品の、両手を挙げた少女は稲葉さんではないでしょうか?それから、つがいの白鶏にハッとして作者を確かめたら、稲葉さん。と、いう訳で堪能させていただきました。」と報告しました。
そうしたらお返事が。
「姉は現在78歳ですが創作意欲は旺盛、高校時代から油絵を描いていたのが役だっているようです。デザインを考えたり技法を工夫したりで、本当に充実しているみたいです」
日本にクイリングを紹介され、普及にも一役買っていらっしゃるようです。まだまだ、お若いですが立派に「かくしゃくヒント」の候補生です。
Pamの展示物は新旧さまざま。古いものにも惹かれました。壁紙です。
東京オリンピックの入場券。1964年の!
紙で作られるものの幅広いこと。手帳やノート。
すてきな紙バッグ。
本も紙製品でした。
友人がみんな都合がつかなくて、一人で行きました。往復3時間でしたが行った甲斐がありました。