知人からメールが到着。新聞記事に興味を持ってメールをくれたのです。
「仮設住宅の高齢者の36%が認知症か。この割合は厚労省の推計値の28%よりも高く対策が必要である」
私は3.11の時に岩手県で講演中だったこともあって、書かずにはいられなくて帰宅してすぐに書きました。3月20日から3回。
http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20110320
「そろそろ被災地に小ボケが。」2011年9月
http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20110919
「予想的中…」として2011年12月
http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20111217
エイジングライフ研究所のもうひとつのブログは1年たってから書き始めました。膨大なものですが、ブログを開設するに際しては東日本被災地での認知症発症を防ぐためという思いが後押しをしました。
http://blog.goo.ne.jp/kinukototadao
早咲きのシャクナゲ
この記事が出たあと何人もの友人と話しました。
「どう思う?
」と質問してみました。
「だって、あれだけのことがあったのだから、当たり前よね」
「やっぱりねって思ったわ」
「予想はしていたけど、こうして数字を見ると胸が詰まる」
「予備軍を含めて36%?もっと多いんじゃないかしら」
「どういう程度の人たちが当てはまってるのかしらね。もっと軽い人も入れると半分以上じゃないの」
誰一人として、「考えてもいなかった」といった人はいませんでした。
ボケの花
世の中の人たちは、体験的にボケと生活のあり様には強い相関があると考えているようです。
「定年退職したらボケちゃった」とか
「奥さんに死に別れてから、おかしくなったのよね」
「退院してから、始まったみたい」のように言います。
正しい指摘なのですが、もう一つ条件が必要です。
なぜならば、定年退職した人がみんなボケるわけではないし、男やもめはたしかにボケていく人が多いものの、もちろん元気にはつらつと一人暮らしをしている人もいます。
そのもう一つの条件は、その生活上の変化をきっかけにして、生き生きとしたその人らしい生活ができなくなって、趣味も生きがいも交友もなく運動もしない、ナイナイ尽くしの生活を続けていったという条件です。
冬アジサイ(満開!) in J-garden
被災地のことを思うとき、仮設住宅に住んでいらっしゃる
高齢者が、あの震災の後
「趣味も生きがいも交友もなく運動もしない、ナイナイ尽くしの生活」に入っていき、それが継続している様子が目に浮かぶようです。
新聞の記事にも回答者1560人中46%のひと達が、同居していた家族や親族を亡くしていることと、極端に外出が減ったことが書かれていました。
復興が進んでいたとしても、家族や親族を理不尽に亡くした悲しみを乗り越えるには大きな力や時間がいるでしょう。
現実には、復興が遅れに遅れている現状が私たちに届いています。
この方たちに、この状況のまま「生きがいを見つけて、趣味や交友を楽しんで、しっかり運動もしましょうね」とはいえません。
そっと見守るうちに(もしかしたら知らんぷりをしているうちに)・・・そうです。
生活がイキイキとしていない状態が続けば、脳の老化は加速します・・・
こうして、「被災地の仮設住宅の高齢者に認知症が増えている」というニュースになるのです。