新聞やネット記事で目にした人もいると思います。
「認知症の人の声に耳を澄ませて―。厚生労働省は20日、認知症への社会の理解を深めるため、当事者が情報発信する『希望大使』の任命式を東京都内で開いた。男女5人が選ばれ、45歳で若年性アルツハイマー病と診断された鳥取市の藤田和子さん(58)は『認知症になっても元気に楽しく生きていけると伝えたい』と語った。」
(紙わざ大賞の作品)
(紙わざ大賞の作品)
どう思いましたか?
身近に「認知症」の人がいない場合は、「早い時点ならこういうこともあるかも。夜中に騒いだり徘徊するようになったら無理に決まってるし。
もしかしたら、認知症って言っても、私が知ってるようじゃないタイプがあるのかもしれない。いろいろなんだろうな」
例えば、今現に認知症のお年寄りを介護している人だったらどういうでしょうか?
現在97歳のお母さん(中ボケ下限からそろそろ大ボケ)を介護している友人に、電話をして意見を聞いてみました。
「本人が認知症と自覚していないと、認知症者として世の中に対して情報発信はできないでしょう。でも、認知症になってしまったら世の中に情報発信することそのものができない。世の中にじゃなく家庭の中だって言ってることが変だもの」
電話の声を聴きながら、私はなんだか「家族の持つ温かさ」を教えてもらったような気がしていました。
この友人は、いつもいつも「言ってることは普通なんだけど。立派なことだって言えるし」といっては、私から「何が言えたとしても、根本的な理解ができてないはずだから、言葉に惑わされないように」とか「言ってることじゃなく、やってることを見てあげて」とか「あなたが思ってる以上に、おばあちゃんの脳はうまく動いてないのよ」といわれています。
そのやり取りを、去年12月に書きました。
「大ボケでも言ってることは筋が通ってる」-ホント?
日常生活の中では、一つ一つ発せられる言葉に揺れ動かされて「おばあちゃんは手がかかるようなことをいろいろしでかしてくれるけど、言ってることはまだまだ普通」といい続けているその友人が
「本人が認知症と自覚していないと、認知症者として世の中に対して情報発信はできない。でも、認知症になってしまったら世の中に情報発信することそのものができない」と答えたのです。
その通りです。
家の中で、それなりの言葉の応酬をすることと、社会に向かって自分の考え、しかも認知症者として希望が持てる発言をすることには、埋めようもない溝があります。溝どころか断層か崖くらい差があります。
日常生活の中では、一つ一つ発せられる言葉に揺れ動かされて「おばあちゃんは手がかかるようなことをいろいろしでかしてくれるけど、言ってることはまだまだ普通」といい続けているその友人が
「本人が認知症と自覚していないと、認知症者として世の中に対して情報発信はできない。でも、認知症になってしまったら世の中に情報発信することそのものができない」と答えたのです。
その通りです。
家の中で、それなりの言葉の応酬をすることと、社会に向かって自分の考え、しかも認知症者として希望が持てる発言をすることには、埋めようもない溝があります。溝どころか断層か崖くらい差があります。
もう一人にも、電話しました。いろいろなレベルではありましたが、6人もの高齢者を介護し、見送ってきた人です。
そのうちの一人は、なんと「亡くなる前の3年間、3年間よ!その間は言葉もしゃべらず、目も明けずだったのよ。それに先立ついつだったら『認知症当事者』として発言できたか・・・。とっても無理。考えられない」
この言葉は、介護してみとった人でないといえない言葉です。
それから、この記事の人は「45歳で若年性アルツハイマー病と診断された「」というと、
「えっ!45歳!」という声が返ってきました。「認知症というとお年寄りのはずだから若いだけでびっくりよねえ。認知症とはちょっと違うんだけど」と私が合いの手を入れました。
「45歳から介護が始まったら、見送るまでが長いなあ~と思って」そこで私が「介護が必要な人が、社会に対して『希望大使』としての仕事ができるかな?」と応じました。これに対しては
そのうちの一人は、なんと「亡くなる前の3年間、3年間よ!その間は言葉もしゃべらず、目も明けずだったのよ。それに先立ついつだったら『認知症当事者』として発言できたか・・・。とっても無理。考えられない」
この言葉は、介護してみとった人でないといえない言葉です。
それから、この記事の人は「45歳で若年性アルツハイマー病と診断された「」というと、
「えっ!45歳!」という声が返ってきました。「認知症というとお年寄りのはずだから若いだけでびっくりよねえ。認知症とはちょっと違うんだけど」と私が合いの手を入れました。
「45歳から介護が始まったら、見送るまでが長いなあ~と思って」そこで私が「介護が必要な人が、社会に対して『希望大使』としての仕事ができるかな?」と応じました。これに対しては
「そうよね。ふつうにボケちゃった人はとっても無理。でも、どこか外国で、立派な人でボケちゃって、でも世界中で講演した人がいたでしょう。あの人はご主人がサポートしてたよね。私が介護した人は、どんなに早い段階でもどれだけサポートしてもできっこないけど」といわれたのです。
まさに正答。
まさに正答。
「希望大使」を任命された方々は「認知症」ではなく「側頭葉性健忘』というべき別の病気の方々なです。
認知症の初期って?
46歳でアルツハイマー型痴呆(当時の表現)と診断されたオーストラリアのクリスティーン・ブライデン さんのことを解説しています。
側頭葉性健忘の方々の一番の特徴は「前頭葉機能」が健全に働いているということです。「認知症者が心情を語る」という場合は、「認知症」ではなく「側頭葉性健忘」の方たちと思ってください。
(経糸も横糸も紙!)
認知症の権威とされる人たち(学者や医師たち)の多くが、クリスティーン・ブライデン さんを認知症(若年性アルツハイマー病または、若年性アルツハイマー型認知症)と主張しています。専門家で権威とされる人達が、というか、世界中で「認知症」は、まだ正しい理解がされていない状態なのですね。
最近は、アミロイドβが犯人ではないのでは?という意見が散見されるようになりました。これは朗報です。つまりほとんどの認知症は前頭葉の出番の少ない生活を送ったために起きてくる脳の生活習慣病なのですから。
46歳でアルツハイマー型痴呆(当時の表現)と診断されたオーストラリアのクリスティーン・ブライデン さんのことを解説しています。
側頭葉性健忘の方々の一番の特徴は「前頭葉機能」が健全に働いているということです。「認知症者が心情を語る」という場合は、「認知症」ではなく「側頭葉性健忘」の方たちと思ってください。
(経糸も横糸も紙!)
認知症の権威とされる人たち(学者や医師たち)の多くが、クリスティーン・ブライデン さんを認知症(若年性アルツハイマー病または、若年性アルツハイマー型認知症)と主張しています。専門家で権威とされる人達が、というか、世界中で「認知症」は、まだ正しい理解がされていない状態なのですね。
最近は、アミロイドβが犯人ではないのでは?という意見が散見されるようになりました。これは朗報です。つまりほとんどの認知症は前頭葉の出番の少ない生活を送ったために起きてくる脳の生活習慣病なのですから。