脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

こんなことがボケるきっかけに!

2012年11月30日 | 正常から認知症への移り変わり

普通の、ごくありふれた認知症は、「高齢者が人生の大きな出来事や生活の変化をきっかけに、それまでその人がその人らしく生活していたその生活ができなくなって、ナイナイ尽くしの生活になるところ」からはじまっていきます。

その出来事や生活の変化の事を二段階方式では生活が変わるターニングポイントという意味を込めて「きっかけ」というのですが、最近「こんなこともきっかけになる!」というケースに出会いましたので、報告します。

70歳過ぎた妹が離婚。
このことをきっかけに、兄である相談者の方が意欲をなくして、趣味もやめ世話役も降りて何もしない生活になり、脳の老化を加速させて小ボケ状態になっていました。

「きっかけ」をいろいろな方から教えてもらううちに、ひとつわかったことがあります。
自分よりも年上の、兄や姉との死別に関しては基本的には覚悟ができている方がほとんどです。
兄を亡くしたことがきっかけでボケていったおばあちゃんがいましたが、
・その兄はほとんど親代わりのように育ててくれたこと、
・未亡人になっての子育てにも惜しみない協力をしてくれたこと、
・病気の進行が早くて思いがけないほど早い別れであったこと、など
お話を聞いていくうちに、悲しみの深さがしのばれる気がしました。

その人が、生活上の変化をどのようにとらえるか、十人十色です。
一般的な傾向を知っておくことは、必要なことですが、その人を理解するには、ちょっと足りない・・・
同じようなことが起きてもその人がその変化や出来事をどのようにとらえているかを知ってあげなくてはいけません。それは「聞くこと」に尽きると思います。

確かに妹が70歳を過ぎて離婚すれば、気がかりではあると思うのですが、それにしても?と思いました。
ところが、お話をよくうかがっていくと、この方の場合は
・妹さんが離婚により経済的に困窮する事が目に見えている。
・それにもかかわらず、援助できる余裕がない。
・さらに、入院中であり、簡単には回復のめどが立たない状態である。
・妹さん夫婦には子供がない。
・一番大切な条件は、本当に仲の良い兄妹だった。

「妹のことが気になって、いつも頭から離れません。子供もいないしこのまま人生を終えるのかと思うと・・・不憫な奴です」

「きっかけ」になったということが、胸にストンと落ちました。

さて生活指導ですが、これは思いがけないくらい簡単ですよ。
「妹さんの事がほんとうに心配で、心配でという生活がもう半年も続きましたね。それだけ気になるときに、趣味も世話役もそれどころではないということはとてもよくわかりますが、今日の脳のイキイキ度チェックの結果はこの半年間の生活のせいで、脳は老化を早めてしまっているということを表しています。ご自分ではどう感じられていますか?」

「そうですね・・・確かに何もしたくないのがいくら何でもと思っています。妹の事を考えているようでいて、考えてないというか、まとまらないというか・・・頭の中に霧がかかっているみたいなんです。これに負けたらいけないということですね」

「その通りです。(脳の機能図を見せながら)体を使うこと、一日1時間の散歩。趣味を復活させること。家の用事も率先してやること。妹さんが精神的に頼れるお兄さんでいてください」
こういう時に、この方のように趣味(郷土史研究、それを小学生に教えること。囲碁)や楽しみを持っている方はほんとにラッキーだと思います。


「何でも書いておけば大丈夫なんです」

2012年11月29日 | 左脳の働き・失語症
先日出会った方の話です。
家族も、ディサービスのスタッフも、みんながみんな「認知症」と思っていたのです。
妻の発言
「とにかくわからせるのが大変なんです。分かってしまえば、やることはそんなにおかしくないのですけど」
私「と、いうと?」
妻「例えば…ゴミを捨てて来てと頼むでしょ。
それがなかなかわからないんです。
トンチンカンなこといったり、知らない振りをしたり。
全くイライラさせられっぱなし!
そのくせ、いったんわかってゴミを捨てに行くと、そのあたりの掃除までキチンとやって来てくれるんです。」
私「他には?」
妻「もう一年も通っているディサービスの名前も覚えられないのに、帰った時に私がいなくても、紙に書いておくと何でもやってくれます。
鍵をあけて、お米をとぐとか、洗濯物を取り込むとか」

身近に認知症の方をお世話した人なら、「これはちょっと違う」と思うはずです。
認知症の人は「いうことはちゃんとしてるのに、やることが変」
ちょうど、逆!

こういうタイプの失語症があることも知っておかないといけませんね。

1・滑らかに話す。
2・が、なにがいいたいかが、こちらに理解できない。
(だから、トンチンカンなことをいう)
3・聞こえているのに、内容がわからない。
(あたかも、英語を聞いているかのような状態なのです)
4・自分が言いたい、その言葉がいえない。
(だから、ディサービスの名前が答えられない)
5・この人のように、聞き取りが悪いのに、読み取り良好という場合もある。

家族は、さすがに症状を理解していましたね。
それが失語症とは知りませんでしたが。

タブレットからです。写真が入れられませんでした(^。^;)



大船渡線

2012年11月20日 | 私の右脳ライフ
大船渡線
大船渡線
大船渡線
平泉へ行くため、一関駅にいます。
東北本線への乗り換えホームはドラゴンレール大船渡線への乗り換えホームもかねています。
大船渡線は、一関から盛(大船渡市)まで走っていたのです、あの3月11日までは。
もう、1年8か月も経っているのですが!


試行錯誤中

2012年11月17日 | 私の右脳ライフ

とうとう、タブレット型端末を入手しました。 都会に住んでいる人には、想像もできないと思いますが、 ipadにしたくとも、電波(と、いう表現でいいのでしょうか?)が届かなくて、ドコモしか使えません!
選択範囲が狭まることは、残念なことではありますが、一方では、楽なことだと前頭葉が喜んでもいます。
電車の中などでニュースや乗り換え検索など、便利に使うシーンもチラッとでてきました。
でも、わからないことがいっぱい!
でも、挑戦あるのみ。
試行錯誤していこう!と、私の前頭葉が決めました。 先ほど熱海で新幹線に乗ってから書き始めましたが、さぁ東京到着までに投稿できるでしょうか?  


ヤマガラ

2012年11月17日 | 私の右脳ライフ

最近寒くなったので鳥に餌をやり始めました。
メジロはミカンが大好きです。
ヒマワリの種にヤマガラとシジュウカラも来ますが、ヤマガラが急に慣れてきました。

個体差があって、すぐに手から餌をとるのもいれば、近くまで来るのにどうしても手に止まれないのもいます。写真は右 手に持った携帯で撮りましたが、シャッタースピードが遅くて大変でした。

でも、人間の前頭葉機能が見せる個人差とは違います。
ヤマガラの判断はほとんど本能レベルでしょうし、前頭葉がする判断は現状だけでなく将来も見据えたことができますね。

過去の体験の積み重ねや自分の価値観に沿って「したいこと」だけではなく「なすべきこと」を決めることもできます。その結果には個人差があるということでしょう。

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ぐるっと回って

2012年11月16日 | 私の右脳ライフ

今日は、私の右脳活性化活動の報告を聞いてください。 

朝の甲府駅 紅葉が見事

P1000018_2前回に報告した木曽町へは、伊東から熱海それから名古屋経由で行きました。

名古屋から木曽福島まで「特急ワイドビューしなの」で1時間半。

帰りは、塩尻まで行き中央線に乗り換えて、八王子、新横浜経由で帰ることにしました。

夕方まで仕事してからの移動ですから、木曽福島発が5時過ぎ。

途中一泊が必要になりますけれど。

夜の甲府駅 水晶のオブジェ
P1000016お楽しみの追加として、帰りに横浜で、恒例の学生時代の友人たちとの「誕生会」を計画しました!

恒例というのは仲間が全員11月12月生まれなので、11月か12月に毎年「誕生会」を楽しんでいるのです。

今回の「誕生会」は、1歳年上の友人と私だけが誕生日が来ていました。

残りの3人は12月生まれということで、年長・年中・年少などと呼び合ったりしました(笑)

武田神社能舞台 輝くような銀杏
P1000021ところで最近は計画はたてやすいですね。

一斉メールでプランを送って、都合をたずねるだけ。今回は何と一度で決まりました。

一泊の場所も、一工夫。
今まで下車したことのない甲府にして、武田神社と甲府城址を訪ねてみましょう…

甲府駅前のホテルに泊まり、早朝から積水寺行きのバスに乗って、終点下車。
甲府市内を見下ろすことができるという言葉通りの景色を堪能して、10分後そのまま甲府駅行きに変わったそのバスに乗り念願の武田神社へ。

甲府城址(舞鶴公園) 富士山が!
P1000024_29:08発の「スーパーあずさ」に乗るまでに、甲府駅そばの甲府城址へも行きました。

整備事業中でしたが、素晴らしい天気に恵まれ、とても幸せでした。

甲府城址での写真です。よく遊んだものです。

再建なった稲荷櫓
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オベリスク                           アルプス遠望

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木曽町便り

2012年11月11日 | 認知症予防講演会

木曽町へ行ってきました。
木曽町での講演は、福島、日義、開田と各地区を回って、今回は木曽御嶽山のふもとの三岳地区。
いつものように予想の倍くらいの皆さんがいらっしゃってくださいました。P1000011
それだけで、保健師さんたちがうれしそうです。

マスコミの対応を見ていると、認知症の予防とか早期発見ということに関しては、その実態はさておいても、言葉のレベルではかなり浸透してきていると思います。
そんなに「口にしにくい」という感じはなくなってきていますね。

ところが、実際にはいまだに「ボケは恥ずかしい」とか「なるべくなら隠しておきたい」というような雰囲気が残っている地区もあるのです。
山間部だったり、人間関係が濃密な地区にはそのような傾向は確かに色濃く残っていると思います。

「改善が図れるのだから早期発見が大切」ということをとにかく強調しなくてはと考えて講演を始めました。
太極拳クラブの皆さんの演武
P1000013太極拳の演武の後、公民館が実施している「みんなの合校(がっこう)」の活動報告がありました。

「みんなの合校(がっこう)は、社会教育と学校教育の一部を共有し、一体となって取り組む教育学習活動」と資料に説明がありましたが、おもに学校施設を利用すること、参加者(50歳代後半から)はいつでも学校に立ち寄れること、授業参観の日も設けられているなど、興味深い取り組みでした。

中学生とは花の定植作業、スポーツ交流。
小学生とは、音楽会や運動会参加。
幼稚園児とは豆まきに参加などなど。修学旅行などもあります。

御嶽教信者のお墓霊神
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興味深い活動なのですが、参加者が固定してしまっていると伺いました。そこが残念な点だと思います。この活動は、右脳刺激のカリキュラムを意識的に入れることと、自主活動化することで、認知症予防教室に衣替えすることができるはずです。

協調性には富んでいても、新しいことや「遊び」には少し消極的というような地区の傾向があるのかもしれません。

子供たちの育成や、学校をサポートすることが目的にあげられていて、会場の参加者の方からも、参加の理由として「学校のためになるから」という発言がありました。

「このように社会的な活動、他人の役に立つというボランティア活動は、まさに積極的な認知症予防につながることがわかっていただけるはず」というふうに講演を始めました。

こもれびの滝
P1000003_2いつものように会場の皆さんは「ボケるくらいなら死んだほうがいい」と言われました。

「長生きをすることは、人類の希望の一つなのだから、長生きをすることは悪いことではありません。けれども、皆さんがボケるくらいなら死んだほうがいいとまで思っているのに、ボケてしまって、昼夜も家族もわからず胃婁で栄養を保って生きていくことをどう思われますか?」

「なかなか、マスコミの声になってこないのですが、今高齢者にかかる金額は年間10兆円とも言われています。このままでは国が成り立たない・・・」

「認知症予防は、自分や家族のためだけでなく、国のためにも必要不可欠です」
三岳のもみじ
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過激に話を進めていきましたが、かなり高齢の方が多かったにもかかわらず、ほとんど居眠りもなく、とてもよく聞いてくださいました。

もちろん問題提起だけでなく、エイジングライフ研究所がいつも主張している、
「ボケるかボケないかは生き方の問題。脳の使い方に立ち戻って生き方を考えてください。
仕事の左脳、趣味の右脳そして体を動かすときだって運動の脳が必要です。
さらには、それらを統括する前頭葉。脳全体を生き生きと動かし続けることこそが認知症予防に直結します」とこれからの生き方も明らかにしたつもりです。

さぁ、三岳地区で認知症予防を目的とした教室が立ち上がってくれるでしょうか?
キーパーソンになれそうな方ともお話しできましたが・・・・・
楽しみに待ちたいと思います。


ブログ村

http://health.blogmura.com/bokeboshi/ranking_out.html