脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

この世に認知症治療薬はほんとうにあるのか?

2020年11月28日 | エイジングライフ研究所から
友人から息せき切った感じで、「週刊ポスト」の表紙写真付きメールが到着しました。表紙を見て納得。
「認知症『世界初の治療薬』がいよいよ認可秒読み!」もちろんDマガジンで読みましたよ。
今回の認知症薬認可については、製薬業界で話題のニュースがよくわかるAnswers News(2019年)に詳しく掲載されていますから、興味がある人は読んでみてください。いったん取り下げられたものが再提出されたのです。
散歩道で発見!

2019年の出来事です。
3月には、バイオジェンとエーザイが、治療薬候補「アデュカヌマブ」の治験を中止すると発表しました。
7月には「認知機能の指標で悪化が確認された」ということで、ノバルティス社などは、3段階ある臨床試験の最終段階、第3相試験に入っていたアルツハイマー病治療薬候補「CNP520」の治験中止を発表した。
世界最大の製薬会社ロシェも「クレネズバム」から撤退しています。
イーライリリーは、もう5年ほど前でしょうか「ソラネズマブ」 撤退を表明しました。30億ドルに上る研究費用、研究者解雇という痛みを伴って。最近ではもっと早期なら使えるかもしれないということで再挑戦しているようですが。
ちょっと検索をかけてみてください。いくつでもアルツハイマー型認知症の治療薬の臨床試験が頓挫してしまったという記事が見つかります。
アルツハイマー相次ぐ開発失敗。それでもアミロイドβを諦め切れない製薬業界(2018年)
大体このような論調が展開されています。
「多くの製薬企業は、アミロイドβ仮説に基づいて新薬開発を進めています。アミロイドβは40残基前後の短いタンパク質で、これが脳内に蓄積して老人斑を形成し、神経細胞の機能障害を誘発していると考えられています。そこで、タンパク質からアミロイドβを切り出す酵素であるセクレターゼを阻害する手法や、アミロイドβに結合する抗体を投与して老人斑を除去する手法などが試されてきました。 しかし、これらの臨床試験結果は、死屍累々というべき状況です」
とうとう、こんな説まで言われるようになってきています。
「アミロイドβ仮説自体を疑う声も強まっています。アミロイドβが蓄積しているのは、アルツハイマー症の原因ではなく結果なのではないのか、認知機能が失われる原因は別にあるのではないか」

二段階方式では、アルツハイマー型認知症を脳の使い方が足りない(特に前頭葉の出番がなくなる単調な生活になる)ことで起きてくる、生活習慣病というとらえ方をします。第二の人生に入った高齢者の話です。使わないことで廃用性の機能低下が起きてくるという考え方です。
アミロイドβにしろ、タウ蛋白にしろ、基本は加齢に伴って生じてくる、そして多分使わなければ、その発生はよりたくさんになる。
アミロイドβが犯人ではなく、結果。
製薬業界は、アミロイドβ犯人説でこれほど行き詰っているのに、このくらいのコペルニクス的転回ができないのでしょうか!
ニセモノ。

30年以上も前のことになりますが、脳外科、のち高齢者脳精密検査外来で働いていたころのことを思い出しました。(以下、昔話は痴呆やボケを使用します)
当時は精神科における老人性痴呆診断に、CTを使い始めたころでした。
厚労省資料にあたって我が国のCT保有台数を調べてみました。1981年1693台、2015年約12000台。2016年の調査では、人口100万人当たりの台数は日本は世界一で101.3台。二位のオーストラリアは53.7台。三位のアメリカ43.5台。
そのCT画像から、多発梗塞巣が目立てば血管性痴呆。萎縮の方が目立てばアルツハイマー型痴呆といわれていました。
脳卒中の既往がある人も当然血管性痴呆とカウントされていましたから、結果日本だけが世界で突出して血管性痴呆が多く70パーセントということになってしまっていました。
さいわいにも血管性痴呆は脳卒中を防ぐことで、予防ができる。高血圧や高脂血症や動脈硬化をコントロールしましょう。糖尿病も予防しましょう。この流れは現在まで続いています。
【血管性認知症についてちょっと解説します。
このような考え方をする専門家はほとんどいないことをまず断っておきます。
認知症というのは、いったん完成された脳機能(ということは知的障害の人は当てはまらないということ)が、全般的に障害されて、家庭生活や社会生活に支障が起きる状態と定義されています。
脳卒中はほとんどが左右脳の片側に起こります。そして障害が確定するとその部位が担当する機能に後遺症が残ります。これは後遺症であって認知症が発症したわけではありません。
脳が全般的に障害されていないことに注目してください。専門家の中には卒中から半年くらい遅れて認知症になると明言される方もいます。その通り!
後遺症に負けて、ナイナイ尽くしの生活を続けるうちに、病気ではない方の脳機能も廃用性機能低下を起こしてしまう。そうすると脳全般の障害が完成してしまうことになるでしょう?これは直接的な脳卒中のせいではありませんよね。
脳卒中を起こしても、たとえ車いすになっても、生き生きとした生活を続けている人たちがいます。この人たちは卒中が起きた部分の後遺症を抱えながらも、その他の脳を病前と変わらずに使い続けているということなのです。このようなしごく初歩的なことすら、明確に区分けることをしていません。

後遺症そのものが認知症の症状をきたす脳卒中もあることはありますが、数%程度でしょう
一方アルツハイマー型痴呆は、原因がわからない以上予防はない。割合が少なくて幸いだったというふうに言っている専門家もいました。
その後アミロイドβやタウ蛋白犯人説が浮上。最近になって血液検査でアミロイドβ量が測定できることになりましたが、それまでは死後の剖検で確定していたのです。そして現在に至り、一部ではアミロイドβ犯人説そのものが違うかもという段階になってきたわけですね。
ニセモノ。

当時は、おじいさんやおばあさんが「ボケたかも」と思ったら、精神科にかかりました。現在はずいぶん変わってきましたが、当時は受診そのものの抵抗が大きくて、家族にとってあまりにも困った症状、例えば徘徊、昼夜逆転、粗暴行為、弄便などの不潔行為などなどが出てしまってからようやく受診するという状態でした。
つまり、精神科のドクターが診察室で出会う「ボケの患者さん」は、重度の人たちばかり。
それで、話は戻ります。
CT を見て多発梗塞巣が見えれば、こんなとんでもない困った症状を引き起こすのはこの多発梗塞巣が犯人だと思っても自然なことかもわかりません。
多発梗塞巣よりも萎縮が目立てば、こんな脳になったからあのような症状が発現したんだと思うことも、わかる気がします。

閑話休題。
日本で一番最初の脳ドックは、新さっぽろ脳外科病院です。1988年の未破裂動脈瘤を早期に発見するためでした。この病院は学会でも活発に発表されていたことを覚えています。
脳ドックを持っている病院サイドの第一目的は、未破裂動脈瘤や無症候性脳梗塞や血管狭窄などの早期発見でした。(実は見つかったらどうする?という大きな問題もあります)
ところが受診する人の中には、特に高齢者は「ボケてるかどうか調べてほしい」という希望がたくさんあったと聞いています。
CTでは脳の形は見えても、働きは見えません。MRIでも同じです。
そのためには脳機能検査が必要ですが、認知症の早期発見には不可欠の前頭葉検査がないという現状は今でもあまり変化がありません。そこは少し置いておくことにします。
とても興味深いことが脳ドックから見つかってきました。

「ボケてるかどうかチェックしてほしい」と脳ドックを受診する高齢者は、ボケていないということは想定できると思います。むしろかくしゃくとした人たちが、お墨付きをもらいたくて受診したといえるくらいです。
ところが、高齢のその人たちの脳を詳細に調べた結果、多発性脳梗塞も脳の萎縮も見つかってきたのです。
私がその脳ドックの担当者だったら「脳には年齢相応の変化はありますが、『ボケてるかどうかチェックしたい』そこまでおっしゃられるからこそ、ボケてはいらっしゃいません(といえると思います)」後半はモゴモゴというでしょうけどね。だってちゃんと脳機能検査していませんから。
実は、私たちにとっては当然の結末でした。
当時の日本の脳外科で、あれほど脳機能検査をする病院は他にはなかったと思います。術前検査、後遺症の判定、術後の経時的フォロー。
その中で分かったことは、高齢者の脳には、肌の衰えのように加齢変化がみられるということでした。いいかえれば多発梗塞巣や萎縮があっても脳機能は正常という高齢者がたくさんいたのです。これは脳機能検査がほとんど悉皆に行われていたからこそ言えることだと思います。

「ボケていないのに、ボケの原因とされている多発梗塞や脳の萎縮がある」ということが、脳ドック業界から大きな声にならなかったのは、本当に残念です。と書きながら脳機能検査なしで診察だけでは、ボケていないという印象しかないので主張しにくかったのかもしれないと擁護してあげたくもなります。
それからもう30年以上もたっているのですから、認知症がどのように進行していくのかということを、専門家たちはよく見てほしいと願います。
その時に脳機能という物差しを持てば、特に前頭葉機能検査という武器があれば、正常から徐々に進行していく認知症を理解できることになるのです。
その先には…治療薬はあるはずもありません。
以上、アルツハイマー型認知症についての話でした。

チームラボ・ボーダーレスと富士五湖巡り

2020年11月18日 | 私の右脳ライフ
久しぶりの東京でした。
気持ち的には不要不急の遠出は控えていますが、仕事があったので上京しました。
一泊必要なスケジュールでしたから、わざわざお台場に泊まって、かねてから私の中での懸案事項、チームラボ・ボーダーレス体験を実行することにしました。
もう一つのチームラボ・プラネッツは去年体験済みでしたから、楽しみ楽しみ。
フジテレビ

月並みですが、夜のレインボーブリッジからお台場海浜公園。

夜景を見ることがないので、夜景にも心そそられます。
さて朝になりました。
チームラボ・ボーダーレスは大観覧車の下にあります。

入場チケットはネット予約、そのままQRコードを受け取って会場で提示するというシステムです。慣れると簡単便利ですね。
予約するときに、一緒に行った夫から「どんなところ?」と聞かれました。「うーん。体験型美術館。固定的でなくて変幻自在な色と音の空間を楽しむ。とにかく行って見てもらわなくっちゃあ」
ここで報告しようとして、またハタと困りました。
動画でないと、ちょっと無理。いくつか動画をあげておきます。
チームラボ・ボーダーレス
同行者は、最初は思いがけず感動していました。
珍しくカメラを構えて。これは全く想定外!

この展示は大きな風船に触ると色が変わります。スタッフに声をかけられてチャレンジ。「お!変わった!」その後に「あなたの色は変わらないのですか?」と聞いていたような。どこか触った?

お絵描きタイム。これは「やろうよ」と誘われました。塗り絵のように線描きされているオオサンショウウオにクレヨンで色づけたものをスタッフに渡すと、取り込まれて動くらしい…普通の紙にしか見えませんでしたけれど。

オオサンショウウオ by Tad

オオサンショウウオ by Kinuko

自分が色付けたオオサンショウウオが、床や壁をもともとプログラミングされているものや、他の人たちが描いたものに混じって、自由自在に動き回る。見ている方からはほとんど予想もつかない動き方です。
オオサンショウウオ
ところが各会場を回っていくうち、「出口はどこ」「さあ、もう次行こう」と言いだし、さらには「これは子供のためのものだ!」「なんだか酔ったような気がする」
まあ、そういう気持ちもわからないではないし、その時点で2時間近くは遊んでいましたから、納得してExitを探しました。単純に進んでいけば出口という作りとは根本的に違う!探さないとわからないのです。
出口を出たところが大観覧車乗り場。ダメ元と思って「観覧車乗らない?」と言ったら「乗らない」と。ま、これは想定内でしたけど。

近未来的なお台場の景色を楽しみながら、この日曜日〜月曜日に、子どもが幼稚園時代のお友達ご夫婦と、一緒に行った富士五湖巡りを思い出していました。お付き合いは40年は続いています。
ホテルは山中湖畔。チェックイン後の日没。

翌朝の山中湖から望む富士山は、友人が「すごいスペクタルショーを見せてもらった」と大喜びしてくれました。湖面から立ち上る朝霧の動きが素晴らしかったのです。

11月15~16日でしたから、紅葉にはちょっと遅いかなと思ったのですが、十分に楽しむことができました。
御殿場旧岸邸

忍野八海。外国人観光者がいないと落ち着いて景色を満喫できます。

湧水の湧き出し口を始めてみました。ニジマスがいっせいに奥に向かっています。一緒に行った石野さんから「魚は流れに逆らう習性がある」と教えてもらいました。

企まずしてこのような写真が撮れました。

河口湖久保田一竹美術館

本栖湖(千円札の景色!)
石野さんたち、いかにも仲良しですねぇ。
手を握り合ってるかと思って、よくよく眺めて見ました。残念。シャイなお二人さんですこと。

さあ、この連続した変化にとんだ4日間の体験。どちらがより脳を活性化させてくれたでしょうか?ここから先は、全く個人差で決まってくることです。
お台場での体験は非日常。ずっと行きたかったところですし、とても刺激的でもありました。
チームラボ・ボーダーレスでの体験は間違いなく、ほとんど未体験(私は昨年チームラボ・プラネッツに行っていましたから、多少は経験しています)で想像もできない、びっくりさせられる世界に身を置くことになるのです。そこで脳が活性化させられることは間違いありません。
行ったことがない人はぜひお出かけください。不思議体験に満ちています。
一方、親しい友人と景色をめでたり、とりとめもないおしゃべりをしたり、昔話に興じたりしている時間は、穏やかでゆったりしていた時間ですが、思い起こしてみるとき、暖かく充実した思いで胸が満たされます。
このようなときにも、脳は活性化されているのです。
自分らしく脳(前頭葉ですね)をイキイキと使い続けることが、認知症予防なのですが、そのやり方には様々な道があることに改めて気が付きました。
自分の前頭葉が「この時間は楽しくて、あっという間に時がたったなあ」と判断するときにこそ、間違いなく脳は活性化されています。
石野さんたちをもう一度。ところでこの二日間脳は活性化されましたか!












TV番組『餅ばあちゃんの物語』が教える認知症予防

2020年11月03日 | 前頭葉の働き
文化の日。
居間のテレビから、ちょっと粘り気があるように感じられる言葉が聞こえてきました。長い間親しくしている青森市浪岡町のS野保健師さんと同じ語り口と思って画面に目を向けてみました。
流れていたのは「NHK プロフェッショナル仕事の流儀」
6月に放映された『津軽半島 餅ばあちゃんの物語~菓子職人・桑田ミサオ』の再放送でした。
「えっ。93歳って聞こえたけど。このおばあちゃん!」きれいな方!穏やかで優しい語り口。そしてその紡ぎだされる言葉のすばらしいこと。ひとつひとつが自分の心の底から沁みだしてきていることがよく伝わってきます。
(いろいろな富士山 photo by Kinuko)

どんな番組だったか。興味がそそられるでしょう。番組の宣伝文から転載します。
「本州の北端・津軽半島。日本の原風景が残る美しい土地で30年以上、たった一人で年間5万個のササ餅を作り続ける職人・桑田ミサオさん93歳。山に分け入ってササの葉を採り、材料の小豆から全て手作りで絶品のお餅を作る。「十本の指は黄金の山」という母の言葉を胸に営まれる、知恵と工夫でいっぱいの心豊かな暮らし。仕事とは?人生とは?幸せとは?こんな時代だからこそ心にしみる、つつましく温かな、餅ばあちゃんの物語」
 
60歳の時、近所にできた特別養護老人ホームを訪れたとき、お土産に持参したお餅を二人のおばあちゃんが涙を流して喜んでくれたのですって。
「今日はなんていいことしたんだろう。お餅一個で涙を流して喜んでくれた。一生作って喜んでもらおう」と思ったというのです。(この決意は前頭葉のなせるわざ)
試行錯誤を5年、満足のいく材料が作れるようになるまで10年。今では、年間5万個を一人で作り出荷。一人当たり5袋の制限を付けても即、完売してしまうほどの人気商品になったのだそうです。
93歳の今でも小豆を蒔くところから始まり、餅を包む笹の葉を吟味しながら自分で取る。しかも自転車に乗って。
そしてこういうことばが続きました。「おいしいって言ってもらうためには、もっともっと研究しなくっちゃあ」(これはまさに前頭葉機能。人間にしかない機能)
ミサオさん一人が立ち働く「笹もち工房」でどのように作られていくのかも丁寧に紹介されていました。
あいだあいだに珠玉の言葉がいくつも語られます。貧しさと病弱のために満足に小学校にも行けなかったそうですが、その言葉からは生活の信念や実感が伝わってきます。「勉強はだめだったけど、母が教えてくれて手先も器用だったので、何でも作ってほしくてみんなが寄ってきた」子供時代は左脳より右脳が優位なタイプだったのですね。
女手一つで四人の子どもを育てたお母さんから注がれた愛情の深さを、ミサオさんが語るたびに「ここに究極の認知症予防がある!」と何度も思いました。
お母さんと二人で草刈りに行った時に、昼寝をしてしまったミサオさんを起こさずにお母さんは一人で草刈りをした。それに気づいたミサオさんに「寝顔があんまりメンゴクテ起こすのもったいなかった」と声掛けをしてくれたお母さん。「思い出すと今でも涙が出る」とミサオさんが言いました。私も胸がいっぱいになりました。こういうエピソードが何十年もその人を支え続けるのですね。
子どもには、自分が今いる場所をどうとらえ、どう生きていくのかを生活に結び付けた形で納得できるように教え実行させる。そしてその前提として、いかにかけがえのない存在であるのかということも伝えてほしい。
老年期はどう考えても喪失の時代。その時に「(前頭葉だけが感じることができる)かけがえのない自分」という気持ちこそ、その波を乗り越える力ではないかと思っています。

番組の終わりごろ、シーンが変わったら溌剌として年齢を感じさせないミサオさんの表情が別人のようでした。ナレーションを聞いて納得。息子さん夫婦が二人ともガンの宣告を受けたというのです。
「代われるものなら代わってやりたい」と心配そうな姿。
お嫁さんのお世話のために母屋に急ぐ姿。
餅づくりに集中できないという姿。
そして「なるようになる」とつぶやく姿。
どんなにイキイキと生きている人でも、その生活がなくなったら、つまり脳の使い方が変わったら別人のようになっていくことは皆さんが承知しているはずです。
ハラハラしました。

再びシーンが変わると、夜中の2時半から「笹もち工房」でもち作りに励む姿が!
そして「90でこんなに忙しい人っているかしら」と語る笑顔のミサオさん。「こんなことでもないと落ち込んでると思うよ」といつものと同じようにもち作りをこなしていくミサオさん。
「自分自身の気持ちの持ち方ひとつでないかな」
「これが人生なんだよね」
ことばもですが、表情が、そしていつもと同じ規則的なもち作りの手がこの状況を受け止めそして乗り越えることを決めたと物語っています。
それを生み出したのが、ミサオさんの前頭葉。お母さんから育まれたところから始まり、ミサオさんの今までの人生を通じて完成された前頭葉が、こんなにもたくましく次の一歩を踏み出すことを決めました。

とてもやさしいアプローチから、示唆に富んだ「心豊かな生活」とか「生きがい」とか「自分らしいく生きる」とかに気づかされる番組だったと思います。そしてそれは「究極の認知症予防」を教えてくれることでもありました。
桑田ミサオさんを知ると「こういうふうに生きればボケない」と世の中の皆さんは確信するはずです。そうなのです。認知症予防を脳機能から考えると、ミサオさんのような豊かな前頭葉を育み使い続けるということに尽きるのですから。
番組を作られた方々は、そこまで気づかれていたでしょうか?伺ってみたい気もします。

ブログ村

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