いつもの検診の時は朝一番に予約を入れていただいて、昼からゆっくりと右脳訓練に励むと言うパターンなのですが、今回は「歯の一部が欠ける」と言う突発的な状況でしたから、受診が中途半端な時間で後の予定が立ちにくい状況でした。
予定を立てるときに、用意周到にタイムテーブルを作り水が一滴も漏れないように準備できる能力は、もちろん前頭葉を駆使することになります。
一方で、いくつかのケースだけ考慮しておいて、あとは臨機応変に対処すると言う能力はどこが発揮するのでしょうか?
これもまた前頭葉です!
「状況を判断し、見通しを立てて、決断する」
「決断に従って、行動に移し、意欲を持って継続していく」
「一旦動き始めた状況をさらに検討し、場合によってはその行動を変更もする」
ざっと考えても、臨機応変と言うにはこのくらいの前頭葉機能が関与していますね。
閑話休題
最後の写真は定式幕(じょうしきまく)です。
森田座由来の歌舞伎座の定式幕は黒ー柿色ー萌葱。
市村座は黒ー萌葱ー柿色の繰り返しで、現在は国立劇場と大阪歌舞伎座でつかわれているそうです。
中村座は黒ー白ー柿色。中村座の娘が市村座に嫁し、同じ幕を使ったが、白の汚れが目立つので萌葱に変えたとか。
定式幕は如何にも歌舞伎らしい印象を惹き起こしてくれるものですが、三種類あることも知りませんでした。その知識が特別何の役にも立つわけではありませんが、「私」の前頭葉は喜びました。
急な受診が決まった時に「今回の『東京を楽しむ』計画はどうしたものだろう」と、前頭葉が動き始めました。ところが何時から自由時間になるのかがはっきりしません。
ひょいと思いつきました。
歌舞伎座には一幕見というシステムがあるのです。体験したのはもう50年くらい前に一回だけ。でもこの知識が今に役立つのですね。
一幕見というのは、当日の一幕だけの入場券を、だいたい2時間くらい前に窓口で買っておきます。料金は幕ごとに違いますが格安です。指定時刻に集合し、特別の入り口から入場券番号順に入場していくシステムで座席は4階!
その座席から見下ろした舞台の様子は、上にあげた幕の様子から想像がつくでしょう。
主目的の歯科治療から解放される時刻がわからない状態で、事前に組んでおく予定としたらベストかもと自画自賛。チケットが入手できなかったら、映画観賞に変更することも考えておきました。
さてその次、チケットをゲットして1時間半ぐらいの時間はどうするか。
帰ってくるので動きたくはないし、まとまった時間なのでゆっくりしたいし。
新しくなった歌舞伎座には、歌舞伎座ギャラリー回廊というエリアがあります。資料展示ブースや屋上庭園、日本茶カフェなどがあるのです。創業160年の寿月堂がパリ支店に次いで開いたカフェは、ここだけの商品などもあり一度行って見たいお店でした。「寿月堂でお茶」これも決定。
時刻だけが決まらないまま、予定は着々とできあがっていきました。
思いがけず、歯科治療は短時間ですみました。夜の部最初の一幕見席発売時刻に間に合います。
無事チケットを手に入れて、待ち時間の間は予定通り寿月堂へ。
竹を多用したおしゃれな店内は、隈研吾設計とか。
いただいたのは正統的にお煎茶セット。お茶を楽しみながらブログを書きました。
窓の外には、日本庭園が広がってます。借景とまではいきませんが、庭の背景に見えるのがビル群というのはちょっと不思議。
帰りの時間も、前頭葉が考えて三幕、玉三郎の羽衣までで終わりにしました。
結論。とっても楽しかった!今まで何度か見た舞台とは視点が違うので、歌舞伎の持つスペクタクルな舞台転換がより一層楽しめたかもわかりません。玉三郎と佐渡鼓童とのコラボはなんとモダンだったか!
舞台の写真は撮れませんから、言葉の力だけでこの感動を伝えることは無理です。チャンスがあったら一幕見に挑戦してみてください。
ブログに書いて一夜明けて、今朝気づいたことがあります。
テレビで吉右衛門特集も組まれたし、評判のよかった「秀山祭」。そろそろ終盤、あと一週間を残す時期だったのでチケットは完売と、最初から思い込んでいて、当日券売り場に行かなかった!
もしかしたら、空席があったかもわかりません。ケースシュミレーション不足でした。ただ一番いい席だと2万円超えのはず。それなら歌舞伎鑑賞を第一目的にしたいですね。
こういう風に一連のことに思いをはせて、反省したり思い直したりするのも前頭葉の働きです。そしてそれがまた自分の行動を決断していく時に、自分らしさという前頭葉の色付けに一役買うことになっていきます。