たまに行く美味しい定食屋さんに、本宮ひろ志のコミックが、ズラッと並べてあったので、そのなかの『天地を喰らう』を二週に渡って読み終えました。
本宮ひろ志の描く主人公は、破天荒なんてもんじゃなく、現代ものでは、そんな事有り得ないみたいなストーリーが多く、私は余り好きではないのですが、一旦読みだすとその展開に引きずり込まれるような作品が多いのも事実です。
《男一匹ガキ大将》 《大ぼら一代》 《硬派銀次郎》 《俺の空》 などは、皆同じに見えて、私の中出は主人公がゴッチャになっています。
飲食店を経営している方には、本宮のファンが多いらしく、だいたいの食堂・レストランには何がしかの本宮作品が置いてありますね。
私はいわゆる『現代もの』では、TV化された《サラリーマン金太郎》は最後まで読んだ記憶がありますが、上記の作品はチョイ読みした程度です。
《天地を喰らう》 は中国 後漢の乱世に生きた、劉備・曹操・孫権などを描いています。いわゆる 《三国志》 の話でありますね。
コミックで描いた《三国志》と言えば、大御所 横山光輝の長編が有名で、私は全巻を二度読んだ程の大ファンでありました。
その三国志を、本宮がどう描くのか興味津々で読み始めたのですが、期待通りのハチャメチャな出だしです。劉備と曹操、そして孔明は天上界の世界と交わり、超能力に近い力を持って、人間界に舞い戻ったと言うような・・・。
まあそれでも相変わらずストーリーは面白いのですが、コミックは稀代の悪政を敷いた董卓が義理の息子の呂布に殺され、劉備や孔明たちがこれから頭角を現すところで、終わってしまいます。
本宮は期待された大作を途中で投げ出してしまう癖があるようで、《三国志》は呂布が天下人になったまでなんて、物語の本の序章じゃありませんか
実にもったいないですね。
とは言っても、本宮は“不良少年”が次第に成長し、のし上がるストーリーよりも、歴史ものを題材にしたモノに面白さを私は感じます。
本能寺の変で死亡した、織田信長が、実は裏の世界では生きて居て、朝鮮・中国・元に渡りその王となり、最後にはアメリカ大陸の覇者となる【夢幻のごとく】、
岩崎弥太郎を描いた 【猛き黄金の日々】、田中角栄をモデルにした 【大いなる】、
太平洋戦争前夜、満州国を舞台にした 【国が燃える】 など傑作が多いです。【国が燃える】 などは彼なりに昭和史を良く勉強してるなぁと思います。
【国が燃える】 と【猛き黄金の日々】は別な食堂で途中まで読んだのですが、そのお店が休業中で読めなくなりました。
古本屋(今はリサイクルショップと言うらしい・・・)を探せば何処かにあるのでしょうが、そこまではする暇はありません。