7月20日
ウルドカス〜ゴレⅡ
ウルドカス発 6時5分
標高 4240m
ゴレ着 14時5分(8時間)
気温 12〜20度
天気 快晴
pm 87
本日も朝からの晴天が続き、氷河上のトレッキングは余り大きなアップダウンも無く、特に朝は気温12℃とやや寒さを感じる位で心地よい。
処々氷が剥き出しで溶けた奇麗な水が流れているが、必ず馬糞まみれなのでつい飲んだらご想像の通り。
やがて、左岸方面の頭上にマッシャブルム峰の山頂が日差しに輝く様に姿を表し、一気にバルトロ氷河の巨大なスケール感を感じさせられる。
東方向に前進して行くとガッシャブルム4峰、ガッシャブルム2峰とブロードピークの頭が姿を表し、ようやくバルトロ氷河の核心部に近づいた様だ。
ただ、意外と鬱陶しいのはアーミー(パキスタン陸軍)のヘリの往来の多さで、カラコロムのはずが日本の山にいる様で我々トレッカーにとっては邪魔な感じ。
ゴレⅡに着いてみるとまたヘリが飛んで来て、日本のS社の体調不良の日本人トレッカー1名をピックアップしていった。アスコーレでも同じパーティーのお客さんが同じく戻っており、公募のパーティは意外と体調不良やトラブルが多いようだ。
今季はブロードピーク、G1、G2には大量の登頂者があった様だが、K2を目指したパーティはボトルネック上部にはこの冬に降った多量の雪が残っていて殆どの隊は諦めて降りてきた。また、毎年のようにK2に挑んでいる単独の日本人はABCで断念した様です。
7月21日
ゴレ2〜コンコルディア
ゴレⅡ発 6時
標高 4423m
コンコルディア着 13時50分(7時間50分)
標高 4691m
気温 ー5〜17℃
天候 晴天
pm 87
ゴレⅡのキャンプサイトの朝はマイナ5℃で、地面の水は氷っていて灼熱の地から冬の世界へ突然突入する。冬山用のウェアーへ切り替えるのだが、昼前になると厳しい日差しが指してきて調子が狂ってしまう。
ただ、気温は上がっても氷河の中は涼しく、比較的アップダウンも少なく、道も踏みならされて歩きやすい。
出発して1時間も歩くと壮大でピラミダルなマッシャブルムの北東面が姿を現すと、周りを圧倒する迫力と秀麗な山容に目を奪われる。未だに初登頂以来バリエーションルートで数パーティーしか山頂に立っていないが、その秀麗さに似合わず困難でかつデンジャラスな山だ。
3人ともパルキシオメーターの数値は平均以上で、心配された高度順化はクリアーされた様だ。
次第にガッシャブルム4峰の西壁が近づき、ブロードピークの西面も近づいてその巨大さと迫力に圧倒される。
コンコルディアに到着してみると、先行したポーターがk2、ブロードピーク、ガッシャブルム4峰に囲まれたベストポイントを確保してくれ、明日の休養日には最高の撮影場所を確保してくれて感謝。
ランチタイム後にガイドのベイグさんと今後の予定を検討した結果、当初の計画を大幅に修正して目標をk2ベースキャンプ一本に絞ることで合意。
残念ながら我々のペースではゴンドゴロラ峠超えとG1,G2ベースキャンプ行きは困難でと判断し、余裕を持ってk2ベースキャンプステイに目標変更となった。
なお、ゴンドゴロラ峠までの急斜面には多量の積雪がある様で、殆どのパーティーは諦めてアスコーレへ戻って行った。
7月22日
コンコルディア 休養日
気温 0〜15℃
天候 晴天
pm 87
ガッシャブルム4峰が姿を現したが、右側にガッシャブルム2峰の山頂が見える。
ゴレⅡキャンプサイト付近からマッシャブルム峰方面を振り返る。
左のムスターグタワーに至る氷河を通過して暫く歩くとようやくコンコルディアに至る。
人気集中のバルトロ氷河トレッキングは年間200パーディを超えると言われている。
1977年の日本山岳会隊(重広恒夫隊長)によるルートは、この北稜から北西壁を経由して登頂。13回もの雪崩に遭遇して奇跡の登頂と言われた。
上部の北西壁も困難かつ危険なルート。
ヒマラヤひだが美しいマッシャブルムの支稜。
カテドラル山群。山野井さんも正面から登ったらしい。
ゴレⅡの対岸にそそり立つbiarchedl Pks 6810m 北面。
マッシャブルムはどこから見ても美しさと気品がある。
ゴレⅡから先のコンコルディアがようやく視野に入る。
biarchedl Pks 6810m 北面。
日本人トレッカー1名が高所順応の不調によりヘリでスカルドへ。
広大なコンコルディアには多くのトレッカーがやって来る。
余り心地が良いので1枚。
ガッシャブルム4峰の山頂には何時も雲が掛かっている。
ガッシャブルム4峰西壁。右の後ろに見えるのがガッシャブルム2峰 8035m)
ガッシャブルムグループの無名峰。
氷河の奥に位置するムスターグタワー 7350m。
怪峰と言われる特異な山容に目を奪われる。
1956年にイギリス隊のジョン・ハートッグ、ジョン・ハーリンらにより西面の北西稜から初登頂。ネパールヒマラヤの怪峰がジャヌーならカラコラムの怪峰はこれ。異様な形状で屹立し多くのクライマーの憧れとなった。
ゴレⅡからコンコルディアを目指す。
左からブロードピーク 8,047m ガッシャブルム4峰 7952m。
コンコルディア付近の無名峰。
東京大学が初登したバルトロカンリ1峰 7274m 。インドとの国境(実効支配地)に位置し,この両側に両国の軍隊のキャンプがあるらしい。
バルトロカンリの右に位置するアイスドーム 7150m。
カミソリの刃のような鋭い稜線が天を衝く。
ガッシャブルム4峰右側の6980mピーク。
氷河からそそり立つブロードピークの山頂は高度差3360m。圧倒的な迫力と存在感。
カラコロムの盟主K2はブロードピークさえも圧倒される巨大な独立峰で存在感がすごい。
バルトロカンリ1峰は東京大学山岳部が1963年に初登頂。カラコロム山脈では珍しい白く穏やかな山容の山。
ガッシャブルム4峰の西壁7952m。山野井さんは7000mまで到達するものの、悪天候により敗退。
1985年に挑んだククチカも西壁を完登するものの登頂に至らず撤退している。
コンコルディアから見るブロードピーク(8051m)の南面。左の北峰 中央峰 南峰を縦走した日本人クライマーがいる。戸高雅史さん 1995年ブロードピーク峰縦走
コンコルディアから見るニュークリスタルピーク(6252m)?
今年はボトルネックから上部の斜面が首までのラッセルだったらしい。7隊が敗退して最後に残ったセブンサミット隊の5人のシェルパが突破して山頂に立った。
2年前に山頂からスキーで滑り降りた動画があったが、よくぞ単独で生還できたものだと驚いた。ドローンを使った動画も素晴らしかった。
K2のノーマルルートとはいえ南東陵は急峻で厳しい。
コンコルディアでは到着後1日の休養。