本と映像の森 190 押井守さん著『トウキョウ・ウォー』エンターブレイン、2005年(平成17年)7月12日初版、365ページ、定価1700円+消費税
押井守(おしい まもる)さんは「軍事アニメ」制作者なのかと思っていて、平和運動に長い間かかわっていて、「平和運動家は、軍事兵器に詳しくなければ平和運動をする資格がない」と異端の主張をして、半分「軍事オタク」であるボクにとって、関心がかなりある作者です。
2月18日(土)午後に、浜松市立中央図書館に、則子さんと車で行きました。土曜の午後なので、駐車場に入る車列がいっぱいで、即、則子さんが「智彦くん、浜松市役所の駐車場に行って」と即決して、すぐそばの浜松市役所へ回りました。
市役所から図書館まで数分ですが、真冬の寒い道をあるいて、「浜松城出丸」と書いた石を見て、図書館への階段を上りました。
則子さんが「出丸ってなに?」というので「本丸から離れた砦のことじゃないかな」と答えておきました。
図書館で前に予約した「小説 神曲 地獄編」を聞いたら「まだ前の方が借りてます」でした。
今日は、ぼくは、結局、押井守さんの小説3冊と、北森鴻さんの小説5冊など、10冊を借りました。
則子さんは2冊しか借りないので「12冊借りれるよ」と言ったら「そんなに読めないから」と。
ぼくは「1日1冊」「1年に365冊」を唱えているので。
もちろん、だいじな本は、何回も読み返します。
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押井さんの「東京戦争」ですが、ぼくの大好きな「機動警察パトレイバー」が全面展開というだけで感激しちゃいます。
とくに、ニヒルな後藤さん、可愛いノアさん。
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読後感ですが、もっと現代社会の矛盾とからませて、その「謎」を解き明かす設定が必要だったのではないでしょうか。
相手側の主人公の「柘植」さんの意図の範囲内での描写(つまり、小説の4分の3の範囲)は、すごくクリアーですよね。
ところが、柘植さんの攻撃する相手である、日本政府、警察、自衛隊などの「意図」がわからないです。
さらに、この事態に介入しようとするアメリカ軍の意図と目的も、明確にはされていません。
ボクなら、柘植さんを米軍の命令での作戦をしながら、自分独自の作戦をしようとする独自勢力として描くのですが。
後藤さん、あなたはどう考えますか?