雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

遠州の遺跡・寺社・地名 77 東区神立町の蒲神明宮

2012年06月09日 11時17分00秒 | 遠州古代史

遠州の遺跡・寺社・地名 77 東区神立町の蒲神明宮

 浜松市内でも八幡宮とともに最も有名な神社でしょうね。「パワースポット」にもなっているようです(よくわかりませんが)。

 藤原鎌足の子孫がこの付近を新たに開拓して「蒲御厨(かばみくりや)」として伊勢神宮に寄進したので、当然、祭神はアマテラスさんです。

 全国各地にある「神明宮」はすべて伊勢神宮の内宮のアマテラス大神さんか、外宮の豊受大神さんのようです。

 神社の方向はまっすぐ南向きです。つまりボクたちは、真北向きに拝んでいます。神明軍の中には摂社(神社の中の神社)がいくつもあります。

  ☆

 この蒲神明宮が有名なのは、13世紀に鎌倉幕府ができる時、ここで育って「蒲冠者(かばのかじゃ)」「蒲殿(かばどの)と呼ばれた源範頼(のりより)さん、つまり源頼朝さんの弟が兄の呼び掛けに応えて、ここかラ出兵していったことです。正確には父の源義朝(よしとも)さんの六男で、頼朝さんや義経さんとは母親が違う異母弟になります。

 源平戦争で大きな役割を果たすのですが悲しいことに、源頼朝さんから謀反の疑いを掛けられて殺されてしまいます。平家に比べて、源氏の中は同じ一族で争いが多くて、それが北条家に幕府をのっとられる一因だったのでしょうか。

 悲しい主人公です。

 その範頼さんゆかりの桜が「蒲桜」で、今、ここへ里帰りして移植されたまだ小さい桜が咲いています。

 ところで、なぜここは「神立町(こうだちちょう)」なのでしょうか?アマテラスさんがここに降りたから?


本と映像の森 211 内田樹さん『ためらいの倫理学』角川文庫

2012年06月09日 10時43分39秒 | 本と映像の森

本と映像の森 211 内田樹さん『ためらいの倫理学 ー戦争・性・物語ー 』角川文庫、角川書店、2003年(平成15年)8月25日初版~2011年(平成23年)1月30日15版、373ページ、文庫版、定価629円+消費税

 内田さんは、「私は良くて、あなたは悪い」的な二元論立場を取らない。内田さんの語法で言うと「審問者」「検察官」にはなりたくない、もしくは「「勝ち負け」の語法、「停滞と乗り越え」の語法、「革命と反動」の語法、「健常と異常」の語法」は使いたくない、という立場です。

 世の中には「査定」されるのが好きな人もいる。そして「査定」するのが好きな人もいる。内田さんは、そういう「査定」は好きではない。ボクも好きではありません。

 内田さんは言います。「世の中を少しでも住み良くしてくれるのは、「自分は間違っているかも知れない」と考えることのできる知性であって、「私は正しい」ことを証明できる知性ではない」(p146)。

 内田さんは「正義の人はきらいである」。それは「正しい」というのは大きな間違いで、ボクもそれはきらいです。

 「正義の人はきらいである、というのは正しい」と言ってしまうと、ボクは「正義の人」と同レベルになってしまいます。内田さんは、そういう「正義」か不正義かではなく、別の尺度・別の角度で物事を見ようと提案しています。ボクも、その方が好きです。

 つまり、正しいか正しくないかではなくて、好きかきらいか、で感覚的にものごとをとらえることです、

 内田さんが重視するのは、たとえば「ねじれ」「いたたまれなさ」、あるいは「無意味なものは無意味なものと」する、ということでしょうか。

 他にも、おもしろい論点をいっぱい提供してくれる、いい本です。まずは、買って読んでも損はないと思います。

 この本を読むと、ボクはかなり生きやすくなりました。あなたはどうですか?