遠州の遺跡・寺社・地名 77 東区神立町の蒲神明宮
浜松市内でも八幡宮とともに最も有名な神社でしょうね。「パワースポット」にもなっているようです(よくわかりませんが)。
藤原鎌足の子孫がこの付近を新たに開拓して「蒲御厨(かばみくりや)」として伊勢神宮に寄進したので、当然、祭神はアマテラスさんです。
全国各地にある「神明宮」はすべて伊勢神宮の内宮のアマテラス大神さんか、外宮の豊受大神さんのようです。
神社の方向はまっすぐ南向きです。つまりボクたちは、真北向きに拝んでいます。神明軍の中には摂社(神社の中の神社)がいくつもあります。
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この蒲神明宮が有名なのは、13世紀に鎌倉幕府ができる時、ここで育って「蒲冠者(かばのかじゃ)」「蒲殿(かばどの)と呼ばれた源範頼(のりより)さん、つまり源頼朝さんの弟が兄の呼び掛けに応えて、ここかラ出兵していったことです。正確には父の源義朝(よしとも)さんの六男で、頼朝さんや義経さんとは母親が違う異母弟になります。
源平戦争で大きな役割を果たすのですが悲しいことに、源頼朝さんから謀反の疑いを掛けられて殺されてしまいます。平家に比べて、源氏の中は同じ一族で争いが多くて、それが北条家に幕府をのっとられる一因だったのでしょうか。
悲しい主人公です。
その範頼さんゆかりの桜が「蒲桜」で、今、ここへ里帰りして移植されたまだ小さい桜が咲いています。
ところで、なぜここは「神立町(こうだちちょう)」なのでしょうか?アマテラスさんがここに降りたから?