新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

歯学部と医学部では違う:オーダーメイド医療の時代に思う

2012-04-06 07:02:50 | 医療

さて、打ち合わせに行く前にいくつか記事を更新します。

 

まずは日本医師会の横倉会長の会見です。CBから。

横倉氏が見解「混合診療認めない」- 医学部新設も否定的

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36968.html

日本医師会(日医)の横倉義武会長は4日の会見で、保険診療と保険外の自由診療を併用する混合診療について、「保険給付範囲を縮めることになるため、安易な導入は認められない」と強調し、強く反対していく方針を明確にした。また、医学部新設にも否定的な考えを示した。

 横倉氏は、混合診療に反対する理由を、学校週5日制導入になぞらえ、「週5日制で何が起きたか。お金持ちの子どもが塾に行き、お金のないところは塾に行けないという教育格差が生じた。医療費が拡大しているとか、財源が足りないとかで、混合診療を認めることはできない」として、改めて混合診療に反対する姿勢を示した。

 医学部新設問題について、横倉氏は「歯学部をたくさんつくったことで、定員割れの大学が出てきている。この現状を見ると、安易に医学部を新設することはできない」と述べた。
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基本的に混合診療に関して反対の立場は僕も同じです。これは前も書きましたが命の平等性が、生きるチャンスの平等が奪われます。
 
それ故賛成することはできません
 
 
医学部新設に関して今すぐは対応できないというのは2008年ころ、医学部を新設するべきであるという話がネット上でも盛んであったころも、僕はすぐにはできないということを書き続けてきました。
それは今でも同じ考えです。ただ、歯学部をたくさん作ったことで定員割れの大学がいっぱい出てきているので反対って、馬鹿じゃないかと一瞬思いました。きっと頭はよいのでしょうけど・・・既得権益…もしくは国の財政・・・そういったものしか考えていないのではないかと
 
 
歯学部がカバーする範囲と医学部がカバーする範囲、新しい疾患に対し対応する可能性(例えば・・ウイルスが歯・口腔内だけに感染するという可能性は少ないでしょうけど、新しいウイルスがきっと世界中のどこかで出現していて、それに対する対応などが必要になってきます)も含めればと…定員割れの状況ってどういうことだと思っています。また、細分化していくレベルも一緒にできるレベルは少ないのではないかと思います。
 
歯科技術、歯科の就職ということでいろいろ見ていましたが、やはり多くはないように思います。やることが少なければ、最終的に過剰にもなるでしょう
 
 
あとは命にかかわるようなものをどれだけ扱うかです。僕が歯医者に行ったときに受ける説明は「何番の歯が虫歯になっていますので、治療を行います」くらいだったりする。もちろん大学病院の歯科口腔外科などは扱う範囲も広いと思うが、どちらかというと命に直結するようなものは少ないと思う。
 
医療従事者の心的負担の大きさは「仕事の量・質」に依存すると考えられています

医療従事者の心理的負担と・・・・おまけでゆで蛙

 

結論だけ言えば、歯学部と医学部と同じ「質・量」なのかと言いたいだけです。

 

また、極論をするのであれば「医療の供給」が「医療の需要」をはるかに上回る日が来るかもしれません

 

1、医療にパラダイムチェンジが起こるような出来事(万能薬のような、薬を飲んだらすべてのがんが治る)が発生した場合。
 
この場合、突っ込みたいのは現時点ではがんなどは「個人に合わせた治療」、オーダーメイド治療をやろうとしている状況である。今すぐにそんなことが起こるとは思えない。医療の需要が増えることはあっても減るとは思えない
 
2、医療の供給が維持されて、需要が激減(受診できない)する場合
 
需要が激減するというのは上と同じような理屈も考えられるのですが、それ以外に受診できなくなることを考える必要がある。今後の医療の問題ですがね。
ただ、患者が病院を受診したいのにできなくなるかもしれないので、医療従事者をこれ以上増やすことはできません…では本末転倒だと思う。
 
3、医療の知識がある人を中心に生き残るような何かが発生した場合
 
なんか書いていてむなしくなってきましたが、要するに今の時点では「全体がこれ一つで治る」というものを作ることは難しく、個々人に合わせた治療を行う必要があるという筋書きです。
 
例えば慢性骨髄性白血病(Bcr-ablという染色体異常がかならずある)でもイマチニブが効かなければ(今はニロチニブとかもファーストチョイスで使用できますが)、この染色体異常にどのような変化が生じているかを調べます。その以上に合わせて薬をチョイスします。
 
様々な腫瘍性疾患でそのような細分化が行われています。細かくは存じませんがおそらく、難病と言われる疾患でも遺伝子関係がはっきりしてくると、それに合わせた治療を行うのだろうと思います。
 
歯学部でオーダーメイド化などをする治療がどれだけあるかは知りませんが、それだけでも明らかだと思う。比較の対象にするのがおかしい。
 
 
 
そういう意味でも…そして高齢化が進む現状での重症者が増える予測も含め、医師は不足すると思います。ただ、今すぐには医師を増やそうにも教育者が足りないというだけです。教育者を増やせるようにじわじわと既存の医学部の定員を増やして、ある段階で医学部新設が良いと僕は思っています。そのためには大学医局というものの変革と、待遇改善が必要だと言い続けているのは(昔も匿名で取材受けましたが)変わりません。
 
状況が変わらないんですもの・・・・。
 
 
追加でこちらの記事も紹介します
 

日本医師会の横倉新会長が会見
国民の理解得るよう努力

http://iryo.sanyo.oni.co.jp/news_k/d/2012040401001847

http://www.minpo.jp/view.php?pageId=21082&mode=0&classId=0&blockId=9958608&newsMode=article

 日本医師会(日医)の会長に新たに就任した横倉義武氏は4日、都内で記者会見し、これまでの日医の運営について「(国民に)理解してもらう努力が少なかった。日医は国民の健康を守る団体だと訴えたい」と述べ、一般市民への広報を強化する考えを表明した。近く内部で委員会をつくり、組織の目標などを掲げた綱領も策定するという。

 国が、病院ごとの役割分担を明確化する方向を打ち出していることには「医療機関が少ない地方では救急もリハビリもやっている。それに対応した計画を作ってほしい」と、地域の実情に応じて改革を進めるよう求めた。

 環太平洋連携協定(TPP)への対応に関しては「1990年代に米国に求められた規制改革でも日医は反対してきた」と強調、TPPがわが国の国民皆保険体制に与える影響を慎重に見極める姿勢を示した。

 1日の会長選で争点となった政治との関係では「一つの政党にお願いすれば解決する時代ではない。(日医も)少し変わった」と話した。

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この2つは全く同じ(一字一句変わらない)ですが、CBの記事とはメインテーマが違います。それ故、比較のためのせました。

 
マスコミの違いでこれだけ書き方が違うというのは、情報収集は広く行わなくてはならないと思い知らされますね。
 

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披露宴の打ち合わせ・・・

2012-04-06 06:41:37 | Weblog

おはようございます

 

桜が五分~七部咲きくらいになってきました。明日には満開になりそうな感じです。花見とかができるといいですよね。

昨日は仕事が遅くなり、記事の更新するタイミングを逸しました。今日は披露宴の打ち合わせをしに行く予定で、仕事は休ませていただいております

 

披露宴に招待する方々のリストを現在更新中ですが、そろそろ公私ともに忙しくなってきそうです。また、今日はうちの両親も上京してくるのでそちらの対応も同時に行います。

 

結婚式まであと3か月余り、仕事と結婚式準備との両立を頑張ります。

 

あと、忘れていたけど・・・・あれの準備もしないといけないのか・・・・。面倒なことだな・・・。

 

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