新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療の質か費用対効果か:どちらかしか選べないのか?

2012-04-12 18:55:09 | 医療

こんばんは

 

今日はこの後、同じ敷地内にいるもう一人の医師と一緒に飲みに行きます。今まで何回か飲みに誘ったのですが、都合がつかなかったので、今回は強制連行ですw 一度、じっくり話を聞いてみたいと思っていたので。

 

それはさておき、その前に一つ記事を。

 

医療費抑制 費用対効果を検討へ

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120411/k10014372891000.html

4月11日 15時53分
医療費抑制 費用対効果を検討へ
 
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11日に開かれた中医協=中央社会保険医療協議会で、厚生労働省は、医療費の抑制につなげるために新たに開発された医療技術や新薬などについて、保険を適用するか判断する際に費用対効果の観点を導入することに向けて検討していく方針を示しました。

日本の医療費は年々増え続けて昨年度は39兆円余りに上り、抑制が課題になっています。このうち、医療技術の進歩や新薬の開発は、がんなどの病気の治療に新たな可能性を見いだすことができる一方、高額な費用がかかるケースが多く、医療費を押し上げる一因になっています。
厚生労働省は、11日の中医協の総会で、医療費の抑制につなげるために新たに開発された医療技術や新薬などについて、保険を適用するか判断する際に、費用対効果の観点を導入することに向けて検討していく方針を示しました。
具体的には、中医協に新たな部会を設置し、新しい医療技術や新薬などについて、価格の設定状況やこれまでの治療方法との違いを分析するなどして費用対効果の評価方法を検討し、早ければ来年度から試験的に導入したいとしています。
こうした方針は11日の総会で了承され、厚生労働省は、今月中にも新設する部会で議論を始めることにしています。

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この話に関して「混合診療の方向に持っていくのか」という意見もありましたが、それであれば日本そのものが「国民皆保険」をあきらめて、自らそれを壊しにかかったと考えるしかないだろうと思っています。

 

しかし、誰もがその個人に合わせた最高の医療を受けられるようにするべきだという考えが出てくるのは当然のことだと思う。このまま医療費が上がり続ければ、国家は崩壊する。昔言われていた「医療費亡国論」ではないですが、そういうことなのだと思います。

 

アメリカ人のPrivate teacherに英語を習っていたころ、このことに関して聞いてみました。

「日本の医療はおかしい。私はこの20年間、日本で病院にかかったことは2回しかない。しかし、保険はかなり高額な代金を払っている。払った金はほとんどがほかの人のためであり、アメリカではそういうことはありえない」

 

と、まぁ予想される答えをいただきました。

別にそれがおかしいとは思いません。それはそういう考え方だと思います。まぁ、「貧乏人は死ねというのか?」と言われたら、困るのでしょうけど。

 

この記事を見て、いよいよまずいことになってきたなぁ…と思い、無い知恵を振り絞って考えてみました

 

いかに効率をよく医療を配備するか救急医療以外は、正直時間はあるのです。がんの治療、手術は一刻も早くやってもらいたいというのが人情だと思います。しかし、今の状況でも数週間は待つことになります。

だったらそのような手術は特別な病院に集中させればよいのではないかということです。

 

仮に…北海道で考えます。

北海道は広いですし、500万以上の人が住んでいます。その中で手術などを中心とした治療をする施設、診断をする施設、予防医療を中心に家庭医・総合医として診療をする診療所など、完全に分業します。

 

一つの病院に機能とその関係の医師をできるだけ集約します。もちろん、その専門の医師だけでは何かが起きたときに対応が難しくなりますので、数人くらいずつは他の診療科の医師や総合医を配置しますが、病院ごとに専門の治療を決めてしまう。そうすれば「必要な医療器具」が限定されてきます。買ったけど、使わなかったというような医療器具はなくなると思いますし、医師もある程度集約化しているので疲弊もしにくいのではないか何よりも症例が集中するので、経験値が上昇し合併症も少なくなる。自然と今まで以上に、合併症に必要な医療費が減少するのではないか(質も向上、医師の経験値も上昇、医師の疲労も改善、医療費も下がるかも)

 

これだとアクセス制限がかかっているように見えますが、本来その病院に行く必要がある人が行けばいい話で近いからと言って、あまり得意かどうかもわからない病院に行ってどうするの・・・ということだと思う。

ちなみに僕の頭の中には「北楡病院」があるのですけどw

 

そういう施設を地域ごとに作る。大学病院や3次救急病院は総合病院として残ってもらう2次の規模の病院では基本的に手術などの必要性が低い患者の入院や、外来治療で開業医さんでは見切れないようなものを主体に診療する。開業医さんは地域の予防治療の要として、また家庭医として存在してもらう・

 

予防治療の要として…その地域の患者管理(生活習慣病などの2次予防)、患者の啓蒙活動(1次予防)、予防接種などを行う。

 

あくまで費用対効果と書かれたので、費用対効果を上げるには

1、集約化してコストの無駄をできるだけ省く

2、技能の高い人材をそろえて、患者を集中的に見てもらう

3、予防医療を考える

くらいだと思ったので書きました。

 

このアクセスをどうにかするために、生活保護の方で運転ができる人に、大型免許を国がとらせて専属のドライバーとして雇用する。働ける人は何らかの形で働いてもらった方がいいわけですし、そういう移動はどうしても必要になるので。

 

そんなことを考えてみました。

皆様はいかがお考えになられますか?

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また。

 

 

 

コメント
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