もう1つ記事を書きます
死因究明の法案 議員立法で提出へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120407/k10014281211000.html
犯罪による死亡を見逃さないようにするため、民主、自民、公明の3党は、遺族の承諾がなくても遺体の解剖を可能とすることなどを柱とした法案を、議員立法で今の国会に提出する方針を固めました。
死因の究明を巡っては、平成19年に大相撲の時津風部屋の力士が殴られて死亡した事件で、警察は当初、病死と判断するなど、遺体を解剖せずに犯罪を見逃すケースが相次いだほか、警察が取り扱う遺体の解剖率も10%前後で、死因を究明する体制強化が課題となっています。
こうしたなか、民主、自民、公明の3党は、犯罪の見逃しを防ぐため、死因究明に関する2つの法案を、議員立法で今の国会に提出する方針を固めました。
法案では、死因が分からない遺体を解剖する専門機関を全国に整備することや、事件性の有無が判断できない場合に、警察署長が、専門家の意見を聴いたうえで、必要と認める場合には、遺族の承諾がなくても遺体の解剖が可能だとしています。
3党は、犯罪の見逃し防止は喫緊の課題だとして、早ければ月内にも法案を提出することにしています。
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死因究明法案、月内提出へ 遺族の承諾なしで解剖可能に
犯罪による死を見逃さないよう死因究明制度の改善を進める法案を、民主、自民、公明の3党が議員立法で月内にも国会に提出することがわかった。法案が成立すれば、遺族の承諾がなくても、警察による解剖が可能になる。
提出されるのは、国の責任を示した「死因究明の推進法案」と、実務面の取り決めを定めた「警察などが取り扱う死体の死因、身元の調査に関する法案」の2法案。
現在の制度では、犯罪に巻き込まれた疑いが強い遺体では、裁判所の令状を取って「司法解剖」が行われる。事件性は低いものの死因がわからない遺体は、監察医による解剖か遺族の承諾を取っての解剖になる。ただ、監察医制度は東京23区など一部の都市にしかなく、大半は承諾を得る必要があるのが現状だ。
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死因究明と書かれて、医療事故調との関連を考えましたがどうやら違うようです。
監察医制度が一部の都市にしかないこと、現実的に解剖ができる医師が日本全国で不足している中・・・この法律がどれだけの実効性を持つのかはよくわかりません。ただ、それを補うかのごとく死亡時画像診断(Autopsy Imaging)が書かれています。
ちなみに法案は
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g17401030.htm
第一 総則
一 目的(第1条関係)
この法律は、我が国において死因究明(死体(妊娠4月以上の死胎を含む。)について、検視、検案、解剖その他の方法によりその死亡の原因、推定年月日時及び場所等を明らかにすることをいう。以下同じ。)の実施に係る体制の充実強化が喫緊の課題となっていることにかんがみ、死因究明の推進に関する施策についてその在り方を横断的かつ包括的に検討し及びその実施を推進するため、死因究明の推進について、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、死因究明の推進に関する施策の基本となる事項を定め、並びに必要な体制を整備することにより、死因究明を総合的かつ計画的に推進することを目的とするものとすること。
二 死因究明の推進に関する基本理念(第2条関係)
1 死因究明の推進は、死因究明が死者の生存していた最後の時点における状況を明らかにするものであることにかんがみ、死者及びその遺族等の権利利益を踏まえてこれを適切に行うことが生命の尊重と個人の尊厳の保持につながるものであるとの基本的認識の下で行われるものとすること。
2 死因究明の推進は、高齢化の進展等の社会情勢の変化を踏まえつつ、人の死亡が犯罪行為に起因するものであるか否かの判別の適正の確保、公衆衛生の向上その他の死因究明に関連する制度の目的の適切な実現に資するよう、行われるものとすること。
三 国の責務(第3条関係)
国は、上記二に定める死因究明の推進に関する基本理念(四において単に「基本理念」という。)にのっとり、死因究明の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有するものとすること。
四 地方公共団体の責務(第4条関係)
地方公共団体は、基本理念にのっとり、死因究明の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有するものとすること。
五 連携協力(第5条関係)
国、地方公共団体、大学、医療機関、関係団体その他の死因究明に関係する者は、死因究明の推進に関する施策が円滑に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならないものとすること。
第二 死因究明の推進に関する基本方針(第6条関係)
一 死因究明の推進に関して、重点的に検討され、及び実施されるべき施策は、次に掲げるとおりとすること。
① 警察における検視の実施体制の充実
② 医師の検案を行う能力の向上
③ 法医学に係る教育及び研究の拠点の整備
④ 死体の解剖の実施体制の充実
⑤ 死亡時画像診断の活用
二 死因究明の推進に関する施策は、死因究明に係る人材の育成、施設等の整備及び制度の整備のそれぞれについて、上記一の施策の総合性を確保しつつ、段階的かつ速やかに講ぜられるものとすること。
第三 死因究明推進計画(第7条関係)
一 政府は、死因究明の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、上記第二に定める死因究明の推進に関する基本方針に即し、講ずべき必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を定めた死因究明推進計画を定めなければならないものとすること。
二 内閣総理大臣は、死因究明推進計画につき閣議の決定を求めなければならないものとすること。
三 政府は、死因究明推進計画を作成したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならないものとすること。
第四 死因究明推進会議
一 設置及び所掌事務(第8条関係)
1 内閣府に、特別の機関として、死因究明推進会議(以下「会議」という。)を置くものとすること。
2 会議は、次に掲げる事務をつかさどるものとすること。
① 死因究明推進計画の案を作成すること。
② 上記①に掲げるもののほか、死因究明の推進に関する施策に関する重要事項について審議するとともに、死因究明の推進に関する施策の実施を推進し、並びにその実施の状況を検証し、評価し、及び監視すること。
二 組織(第9条関係)
会議は、会長及び委員20人以内をもって組織するものとすること。
三 会長(第10条関係)
1 会長は、内閣官房長官をもって充てるものとすること。
2 会長は、会務を総理するものとすること。
3 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理するものとすること。
四 委員(第11条関係)
1 委員は、次に掲げる者をもって充てるものとすること。
① 内閣官房長官以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者
② 死因究明に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
2 上記1の②の委員は、非常勤とするものとすること。
五 資料提出の要求等(第12条関係)
1 会議は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができるものとすること。
2 会議は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、上記1に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができるものとすること。
六 会議の運営の在り方(第13条関係)
会議の運営については、上記四の1の②の委員の有する知見が積極的に活用され、委員の間で充実した意見交換が集中的に行われることとなるよう、配慮されなければならないものとすること。
七 事務局(第14条関係)
1 会議の事務を処理させるため、会議に事務局を置くものとすること。
2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置くものとすること。
3 事務局長は、会長の命を受けて、局務を掌理するものとすること。
八 政令への委任(第15条関係)
その他、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定めるものとすること。
第五 施行期日等
一 施行期日(附則第1条関係)
この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。
二 関係法律(内閣府設置法)の一部改正(附則第2条関係)
死因究明推進会議の設置に伴い、内閣府設置法の一部を改正するものとすること。
三 この法律の失効(附則第3条関係)
この法律は、施行の日から起算して2年を経過した日に、その効力を失うものとすること。
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これが今後どうなっていくのか。臨床現場で使用する機会もあるかもしれませんので(今は、職場を辞めてしまった友人も使って良い結果につながったようです:死亡時画像診断)、見ていきたいと思います
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。