新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

多発性骨髄腫の患者さんへの助成:NPO法人「血液情報広場・つばさ」

2012-04-24 20:11:12 | 医療

さて、続けます

 

多発性骨髄腫を助成対象に

http://www.47news.jp/feature/medical/2012/04/post-663.html

 
 血液疾患に関する情報を発信するNPO法人「血液情報広場・つばさ」 は4月から、患者支援で実施している月2万円の医療費助成の対象疾患に多発性骨髄腫を加えた。慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、消化管間質腫瘍と合わせ、対象は4疾患となった。
 医療費の自己負担を一定額に抑える高額療養費制度を使っても、月に4万4400円以上の出費が生じた70歳未満の患者が対象。製薬会社の寄付などで9月までの助成期間を確保した。担当者は「それ以降も寄付が得られるよう努力したい」と話している。
 フリーダイヤル(0120)711656で、所得などの条件を確認してほしいという。
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ということで、つばさのホームページです
 
CMLの治療も昔は2~3年で急性転化して死亡する疾患であったものが、イマチニブ(グリベック)の出現により、寿命は大幅に延長しました。実施に5年生存率は90%と・・・まさに同種骨髄移植以外に治療法が無かった疾患に革命をもたらしたものです
 
この薬剤も高価なうえ、効かなくなった場合に対して使用するセカンドラインの薬剤も高価です。
 
実際に患者さんにもいましたが「お金が払えなくなる=命の切れ目」になりかねないものでした。
 
多発性骨髄腫も高齢者に多い疾患ですが、以前はMP療法などQOLが改善するものの延命は見込めないようなものが、サリドマイド、レラリドミド(レナリドマイド)、ボルテゾミブなどの薬剤の出現により自家移植を行えない高齢者にも延命が期待できるようになりました
 
ただ、この薬剤も高いんですよね。
 
 
この2つの疾患は薬でコントロールしているだけで、治癒はしていません。それ故に飲み続ける、使い続けることが必要になります。
 
その為にかなりのお金を使用してしまうことも考えられます。年金だけでは対応できないことも多々あると思います。そういう意味で支援はありがたい話ですよね・。
 
 
まぁ、製薬会社さんにとってはNPO法人に多少の寄付をしてでも薬剤を使用する人が増えるのであれば、儲けもんでしょう。それだけ自社の収入は向上するはずですから。ただ、それでも多くの患者さんの役に立つならぜひとも援助を継続していただきたいような気がします。
 
 
薬価を下げるのが一番と言われると微妙なところですがw
たぶん、高額療養費のラインは超えるでしょうから、製薬会社の儲けがなくなって支援がなくなるといやかも。今のところ、この制度は患者さんもWin、NPO法人もWin、製薬会社もWinだと思います
 

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医療現場の節電は困難:安全弁をうまく作って、原子力発電所の再開も検討するべきだと思う

2012-04-24 19:52:47 | 医療

こんばんは

 

先ほど帰りました。今日はとても暖かい日でしたね。タンポポやスミレの花が咲き、テントウムシがタンポポの花を登っておりました。

 

春ですね~

 

ちょっと気取ってみませんか・・・?

 

まぁ、それは置いておくとして・・・・。今日はこちらの記事を紹介します

 

医療現場の節電に難しさ
日医総研がアンケート

 東日本大震災と原発事故による計画停電や節電の影響は医療機関にも及んだ日本医師会総合政策研究機構 (東京)の鮫島信仁研究員が実施したアンケートで、医療現場での節電の難しさが浮き彫りになった。
2012.0424navi.gif 回答のあった東京電力管内計273の病院・診療所のうち、48%で計画停電が実施された。
 「救急患者を受け入れられない」「検査や透析ができない」といった支障のほか、投薬や電子カルテ、処方箋処理のシステムが停止。「エレベーターが止まり搬送、配膳が困難」「ポンプが止まるため水をくみ置きした」などの影響もあった。
 また、節電について全国776の病院から得た回答では、空調の温度管理(91%)、照明をできるだけ消す(76%)―などを実施したが「高齢者を多く抱え、安全面から問題がある」などの苦しい声も寄せられた。
 停電に備える自家発電の調査では「火災など非常用のみ」と「照明など保安用のみ」が合わせて33%。「医療のための発電容量を備えている」と答えた医療機関も大病院を中心に67%あったが、12時間以上の運転ができるのは、このうちの半数に満たなかった。
 医療機関ではそもそも、外来診察中の電力使用に目立ったピークがなく高原状態を保つことも判明。同機構では今後、中規模の病院で用途別、時間別の使用実態を詳細に調べ、さらなる節電が可能かを探る方針だ。
 日本医師会は「救急患者のほとんどを受け入れているこれらの病院、診療所が停電すれば影響は大きい」として、電力確保への配慮を要望。今村聡副会長は「自家発電を増強するにも経費やスペースの面で難しいケースも多い。国には補助や税制上の配慮を求めたい」と話した。
 
 
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今年も計画停電ということはないようにしてほしいところですが、実際に医療現場には影響が大きかったと思います。たまたま僕が所属していた病院は直接は計画停電の影響を受けなかったのですが、周囲の病院では急患の受け入れができなかったりしたようです。
 
まぁ、それに伴ってこっちの病院に患者さんが流れてくるという影響はあったのかもしれませんが・・・・。
 
 
僕は原子力発電所を全面否定するつもりはありません。火力発電にって温暖化という影響がありますし、水力発電もダム建設による自然破壊など地球に対して影響を与えています。利点も欠点もあるのはあたりまえ・・・。
 
僕は原子力発電所が悪いのではなく、それを使用している人間、つまり各電力会社だったり政治家だったりが悪いのであり、物をうまく使うシステムを使いこなす頭がないことが問題だと思う。
 
安全弁をうまく作っているのだから、それに過信することなく対応できていればよいのだ。
 
 
あと、1度あることは2度起きるともいうが・・・1度失敗した人間はふつう2度は起こさないように気を付けるものだと思う。だから、僕は日本の経済のため、医療や家庭の電力供給のためにもきちんとしたシステムを構築して原子力発電所を再開するべきだと思っています。
 
当然、システム作りが先ですけど。
 
あぁそれを言ったら医療もシステム作りをしてほしい・・・・。
 
 

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