玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*まだ見ぬアメリカ

2008年08月05日 | 捨て猫の独り言

 新聞には週に一回短歌と俳句の投稿作品の掲載がある。昨日その作品群の中に京都市の女性の歌があった。〈 「喜びは創り出すもの」言い遺し花の盛りにターシャさん逝く 〉 選評にはターシャ・チューダは米国の絵本作家、自然を愛し、ゆったりと生きた人。これは彼女の素敵な生き方を思う歌とある。時事性により選ばれたものだろう。

 昨日の夕刊にはロシアの作家ソルジェニーツィン氏死去が報じられた。国外追放された彼は76年から約18年間アメリカで暮らした。その場所はターシャも住んだバーモント州なのだそうだ。私はまだ一度もアメリカを訪れていない。MLBのテレビ観戦も増えた。最近では東海岸を中心としてアメリカへの関心が広がりつつある。

 例えばペンシルバニア州にはアーミッシュという独特の文化を形成している共同体が存在する。私がその存在を知ったのはハリソン・フォード演じる映画 「刑事ジョン・ブック/目撃者」 である。映画はあくまでも物語である。実際には共同体外部の異性と恋愛することは現在でも皆無とされるようだ。

 その共同体は東洋の僧を連想させる。僧というのは一人一人のお坊さんではなくそのお坊さん達の集団のことらしい。一人暮らしだと日々の雑事で時間を取られるし、病気や老齢で体が弱れば修行はストップする。しかし集団で暮らしていれば、分担制で仕事量を減らし、若くて健康なメンバーが、弱った人の面倒を見るという形で、皆がそろって修行を続けていける。僧とはこのように合理的な相互扶助システムと見ることができる。アーミッシュも僧も今後とも多くの人々にヒントを与え続けるに違いない。 

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