この所オリンピックと高校野球の放送で世の中は一入熱く忙しない。そんな折かってJump競技が繰り広げられた白馬の競技場に立つ機会を得た。長野で行われた冬季オリンピック競技をTVで見入り、原田選手らの涙のコメントから10年が過ぎていた。
一人ずつリフトに乗り緑濃い山の斜面を望みながら展望台へ。そこからの眺望は丸で”スイスはこうか?”と思わせる程美しい風景が広がっていた。スタート地点迄は徒歩だった。除雪対策の為階段は全て網仕様になっており眼下が丸見え。高所恐怖症の一人を残しはしたものの、余りの高さに足元が震え手すりを持つ両手に力がこもり、皆寡黙になっていた。
目も眩む様な高さ。スタート地点ではJump台から先は全く見えない。高い斜面を助走をつけ乍ら滑走し、ジャンプ台から力強く空中に飛び出し、前傾姿勢と飛形を整えながら飛距離を競う競技で、金賞を得た彼らの涙を深く理解した。下に降りて再度見上げると、オールシーズン化した競技場で女性を含む学生数人が滑走を繰り返しており、彼らは楽しんでいる風にさえ見えた。