風のささやき 俳句のblog

訪問ありがとうございます
オリジナルの俳句を中心にご紹介しています
詩や短歌も掲載しています

手袋も置き忘れられ温き朝 【季語:手袋】

2016年01月30日 | 俳句:春 時候
その日は朝から
随分と暖かく感じられました

口からは白い息が漏れることもなく
いつもはコートをしっかりと重ねながら
通り過ごす風も柔らかで
自然と歩みも速くなるぐらいです

そんな穏やかさに
油断したしたのでしょうか
駅の椅子に手袋が
置き忘れられていました

手袋がなくても気にならず
そのまま電車に乗って
持ち主はもうどこかへ
行ってしまったのでしょう

今日はあまり
役に立ちそうもない手袋は
気づかれることもなく
そこに置かれたままでした