goo blog サービス終了のお知らせ 

風のささやき 俳句のblog

訪問ありがとうございます
オリジナルの俳句を中心にご紹介しています
詩や短歌も掲載しています

雪の降った週末に 【詩】

2021年12月23日 | 短歌

「雪の降った週末に」

ちょっと 可愛げの無い表情の
ニンジンの唇の 雪だるまが
少し離れて 僕らを
怪訝そうに 眺めている
誰だろう こんな雪の日に
わざわざ やってくるなんて と

 ○

顔に触れた 子供の手の冷たさ
僕の頬に そのまま
その手の跡が 赤く残りそうだ

 ○

干し柿に 選ばれなかった柿の実は
枝にぶらさがり 一年の終わり
晒しものにされ
ますます雪に 赤らんで行く

 ○

雪囲いが 間に合わなかったと
笑って話す 隣人
寒いですねと 言葉を交わした後には
黙々と 体を使った作業が続く

 ○

ちらり と 眺める
屋根の上の 雪の厚み
まだまだ 雪下ろしまでには
時間が ありそうだと
ほっ と している

 ○

静けさの中を 歩いてみれば
雪が 隠し忘れた 大根の葉っぱ

 ○

陽射しが覗いたのに 舞い降りる雪
まだ プレリュードだよと
僕の髪に 吹聴している

 ○

威勢よく 温風吹き出す
石油 ストーブ
ちらり ちらりと 
燃えている炎 見え隠れする
頑張ってくれ お前だけが頼りだ

 ○

子供の体が 温かい
寝かしつける 振りをして
ぎゅっと暖を とっている

 ○

布団の中に 入っても寒い
肩の辺りで 冷たい獣
凍った息を 吐いている みたいだ