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風のささやき 俳句のblog

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貯金箱【詩】

2024年11月07日 | 

「貯金箱」

子供たちが50万円貯まる
貯金箱を缶切りで開けた

普段は棚の隅に、目立たない貯金箱
時間があると、色々なことを
考えつくらしい

期待して開けた、その顔が
目に浮かぶようだが
出てくる硬貨は、1円や5円、10円ばかり

それはそうだ、僕が机の上に
置き忘れられた、小銭などを
入れていただけだから

けれど、最初の内は
本当に、50万、貯めようと
思っていたのかも知れない

500円玉も出てきて
興奮する子供たち
硬貨を分けて、山積みにする
床の上には、小銭の山が並べられて

些細なことにも
楽しみを見つけて行くことは
生きて行く大切な力だと思う

そのご褒美にと
小銭は臨時のお小遣いとなり
小銭を濡れ手に粟の
子供たちだった


落ちた葉の色とりどりに惑わされ当てずっぽうの鳩のついばみ【短歌】

2024年11月05日 | 短歌

毎朝の道を
沢山の落ち葉が埋めています

色とりどりのその葉
まだ変わらない緑も
所々に混じっています

先日は何故か
その落ち葉が吹き溜まった所に
鳩が集まって
落葉の中に首をつっこんでいました

その中に何か美味しい餌があると
勘違いでもしているのでしょうか

もちろん落葉は
そんな美食を隠しているわけではなく
何も無くてあても外れたような様子を見せる鳩たち
それでもまた落葉の中をついばんだりします

鮮やかな色合いが鳩の感覚を狂わせるのですかね
人も色に惑わされることも多いのでしょうが
鳩のそんな姿を見たことが無かったので
ちょっと後ろを振り返り
その行動を確認してしまいました


溜息はなお深くなり冬を待つ【季語:冬を待つ】

2024年11月02日 | 俳句:秋 時候

特に何かを思い煩っている訳ではないのですが
気が付くと溜息をついていたりします
その溜息もまるで自分の知らない暗がりから来るようで
こんな暗い場所がまだ自分の中にあるのだと
我ながら驚いたりしています

やがて冬になり
その溜息は更に深く冷たくなるのでしょうか
その溜息ではきっと凍えた手は温められません
やがて心が凍ってしまうのではと
そんな予感を感じながら冬の足音を聞きます