boston acousticsで聴いた今日の一枚

Sliding Easy / Curtis Fuller (UNITED ARTISTS) * 1959. 3. 9
カミさんとデパートの新春クリアランス・セールに出掛け、ついでにCDショップを覘いてみたところ、おぉ~、やっと‘SLIDING EASY’がCD化されていた。しかも、なんと!昨年末の22日に発売されたばかり。やはり、たまには、立ち寄らないとマズイですね。
オビに「国内初CD化」と書かれているように、本作は他のUA原盤が次々にCD化される中、何故か見送られていたアルバム。
見送られていた理由は、3曲目の‘I Wonder Where Our Love Has Gone’でフラーのソロが始まる部分で、マスター・テープ(STEREO)の劣化?により、「音」が揺れているからではないか、と勝手に推測している。所有しているオリジナル・MONO盤は「揺れ」はありません。なお、STEREO盤は未聴です。
で、このCD(ステレオ・ヴァージョン)は、どうなっている?か大いに興味がありました。「揺れ」は解消されていますが、補正された跡(ほんの一瞬、音が途切れる)が判ります。だだし、知らなければ、気が付かない程度なので、ノー・プロブレムですね。
それとは別に、LPでもそうなんですが、モーガンのtpがやや歪みぽく聴こえるのが、気になりますね。
personnelは、LEE MORGAN(tp), HANK MOBLEY(ts), CURTIS FULLER(tb), TOMMY FLANAGAN(p), PAUL CHAMBERS(b), ELVIN JONES (ds)
目も眩む様な豪華陣でよね。何故かあまり陽の当らない作品ですが内容は一級品です。
ゴルソンが4曲、グライスが2曲、アレンジを担当していますが、バディ・ジョンソン作‘I Wonder Where Our Love Has Gone’(ゴルソン担当)のバラード演奏はどうでしょう!!!
曲自体も素晴らしいけれど、FULLERのソロはそれ以上の解釈で、「虚しさ」、「やるせなさ」を切々と訴えかけ、こんなtb、そうザラにあるわけではありません。FULLER、畢生の名ソロの一つと言っていいでしょう。でも、ほとんど知られていません。自分だけの名曲、名演、名ソロですね。
この曲を、車の中でも聴けるようになり、今年は春から縁起が良さそうです!
* 蛇足ですが、オリジナルLPのセンター・ラベルはこのサックス奏者ではなく、赤(MONO)、青(STEREO)ですね。
おっと、遅ればせながら、「今年もよろしく、お願い申しあげます」