10数年前、このDCCレーベルの24KARAT GOLD DISCを弊HP“Bluespirits”で取り上げ、STEREOの録音エンジニアはLPに記載されているJ・ヒギンス(MONO録音と両方)ではなく、R・フォウラーではないか?と問題提起した。とういのは、このCDにエンジニアはR・フォウラーとはっきりとクレジットされている。その時、あまり反響はなく、むしろこのクレジットの方が信憑性に欠けるような形で流れた記憶がありますが、ひょっとすると、R・フォウラーで既に決着しており、知らないのは自分だけなのではないか、と不安が残ったままだった。
先日、カミさんのnet注文に合わせ、「ジャズの秘境」(2020年発行)を取り寄せた。てっきり通好み、マイナーなCD好録音盤群の紹介と思っていましたが、そうではなく冒頭から重苦しい展開に少々、辟易し、まず一旦軽く読み流す事にした。そして、後方の「ビル・エヴァンス:ファースト・トリオのベストCDを探る」の章で著者はこの24KARAT GOLD DISC(1994年)をベストと紹介し、STEREO録音のエンジニアはR・フォウラーと根拠を添えて明言している。文脈の流れからして、問題提起以降の話と読み取れます。
Engineer:Ray Fowlerとクレジットされている。
すべては、コスト削減なのか、ノー・チェックでMONO盤のカヴァ記載を流用した間違いから始まったわけです(笑)。
長年の疑問が氷解したものの、新たな疑問が・・・・・・、
この本の中で「”PORTRAIT IN JAZZ / BILL EVANS”のモノラル・マスター・テープは1970年前後に廃棄処分され、もはや存在しない」と、二度にわたり、何となく意味深に書かれている(こちらの邪推かもしれないが)。なお、どういう過程で廃棄処分になったのか書かれていないのがちょっと残念ですね。劣化があまりにも激しかったのかな。
つまり、それ以降、モノラル・マスター・テープを使ったLP、CDも存在しない事になる。ところが1999年に「オリジナル・マスター音源使用」と謳ったMONO盤(LP)がリリースされた。しかもSJゴールドディスク賞マーク付きで。
ちょっと待てよ、モノラル・マスター・テープは存在しないハズだが ?・・・・・・・ 曲者(笑)は「オリジナル・マスター」か、モノラルとはなっていないなぁ。
ステレオ・マスターをミックス・ダウンしたのかな?、また”Autumn Leaves”の音圧がガクンと下がるのも気になりますが、そもそもSTEREOヴァージョンとは違うので、この一曲はマスター・コピー?か、ディスク・ダビングしか考えられないのではないでしょうか。
もし大きな勘違いを犯しているならば、どうかお許しを。
とにかく、また疑問が湧き、楽しませてくれます(笑)。