SHURE M95HEのスタイラスをJICO製交換針に差し替えを。
リード線は今使用中のOFCもの(以前は6N)が良くマッチしているので同時に衝動買いした7Nへの交換は見送りました。初めはしょぼい音が出始めたけれど、4、5枚聴く内に徐々に変化が出てくる。期待と不安が交錯する瞬間ですね。
結論を先に言えば、〇です。ただ、オリジナル針とはクオリティの差はさほど感じないけど、音調がやや明るめでpを聴くと一聴瞭然です。ムクと接合の違いからなのでしょう。現時点ではオリジナル針の方が好みですが、tpやsaxのブライト感はJICOの方が増し図太いです。ま、よく出来ていると思います。
音質とは無関係ですが、ボディのトップはちょっと殺風景かな。
オリジナルは当たり前ですが、ブランド・ロゴが入っている。
今回、改めて感じたことは、このM95HEってホント、良い音がでますね。音に厚みがあり、芯もしっかりしていて、それでいて押しつけがましい所がなくAltec・クレッシェンドをナチュラルに、パーフェクトに鳴らします。
こちらは昭和51年(1976年)、今から40年以上前に書かれた本でCDもなく時代背景が全く異なるにも拘わらず全然、古さを感じさせない。勿論、アナログ・オンリーなのでそうなのかもしれませんが、オーディオ評論家とは違う視点から「音」を語っているからでしょう。キャッチ・コピーから受けるHOW TOものではなく「音楽・音」についてのノン・フィクション小説と思った方が良く、本作の肝は、「目的(音楽)と手段(音)を取り違えるな」と言っている所。だから、音を良くする具体的なテクニックなど殆ど触れられていない。せいぜい、「カートリッジ一つで音は全く変わる」程度で、強調しているのは部屋のコンディション位です。
「スケール・次元の違い、クラシック専門、大のJBL嫌い」という先入観を忘れさせるほど語り口が上手い。やはり「芥川賞」受章者です。
オーディオ評論家に対する辛辣な発言が述べられていますが、実はそれ以上にリスナーに対しシビアなコメントが書かれている。ドキッとします。
一番納得した言葉が「機械がいつも同じ音を出すと思う人には、音を語る資格はない」
つまり、湿気の加減、電圧のせい、あるいは耳の状態でイヤな音で聴こえると人は言うけれど、断じて違う。やはりSPの機嫌が悪い日がある、と割り切っている。やり尽くした人だけに説得力があります。
確かに、昨日は良かったのに、今日は何故か・・・・・・ってありますよね。
思わぬ展開に新しい知識も得ました。悪くないね、衝動買いも。