jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

TV番組 ジャズ喫茶 ベイシー 50周年記念 「レコードと万年筆」

2021-01-30 | ジャズ・etc

 

些か旧聞に属する話を。昨年の12/5に表題の特別番組が放映された。

この状況下、「ベイシー」が3月から休業状態で、また、延期されていた映画「ジャズ喫茶  ベイシー」が秋に公開されていた事を初めて知りました。残念ながら見逃がしています。

かれこれ20年ほど前、友人二人と東北地方の旅に出かけた際、一関まで足を延ばした。幸い「ベイシー」はオープンしており菅原氏に直々、注文を受けコーヒーを運んでいただいた。後から知った事ですが、ベイシーでは、それが流儀だそうです。

旅の途中、宿の女将さん、観光地の土産屋のおばちゃん達まで「ベイシー」の名を知っていて、その存在、知名度は平泉の中尊寺と肩を並べるほどの大きさに驚いた。一関の街では若い女性に場所を尋ねると、にっこり笑って丁寧に教えて下さった。

噂の「音」に関しては、もう菅原サウンドですね。決して耳当りが柔らかい、心地良い音ではなく、陳腐な表現ですが、まるで演奏者の魂がバンバン飛び掛かってくる感覚を覚える。平時モードではなく戦闘モードを求められますね。

今まで何人か「ベイシー」を訪れたオーディオ、ジャズ・ファンの方達にその「音」について話を耳にしましたが、皆、ネガティヴな内容ばかりでした。「疲れる」、「耳に突き刺さる、痛い」、「デリケートさに欠ける」等々、中には「観光スポットになっているので、一番良く聴こえるレコードばかり掛けている」とか、散々です。

番組の中で菅原氏は「絵は聴くもの、音は見るもの」と言われている。恐らく、ある境地にならないと「ベイシー」の音は解らないのだろう。

菅原氏の著作の一つにその件について、写真家・十文字美信さんの言葉(名著「澄み透った闇」の中)に触発された模様が書かれている(P40)。

 

 

レコードを上手く鳴らすには手間暇がかかるが、その分受ける感動も大きいと、ありふれた言い回しに確かな説得力があります。

 

 

「レコードを奏でる男」が所蔵する6万枚の中から、ずっと長く愛して聴き続けているLPが紹介されている。もっとマニアックなものかと、思ったら意外にもこの2枚だった。凡人はカッコを付けたがるけれど、うぅ~ん、やはり素晴らしいパーソナリティの持ち主ですね。

 

 

「カリスマ」とはこういう男を指すのだろう。


LIVE AT SLUGS' volume 1 & Ⅱ / MUSIC INC.

2021-01-19 | ジャズ・tp

 

1960年代後半から70年代前半に掛けて、多様性に富んだ当時のジャズ・シーンを活性化し、人気を博したグループと言えば、C・ロイド・カルテット ~ P・ウッズ & his ERM 、そして MUSIC INC.が思い浮かびます。

トリヴァー、カウエルを双頭とするMUSIC INC.の魅力は、何と言ってもtpワンホーン という難しい編制で、純度100%アコースティク・ジャズをグイグイと演ずる所でしょう。

本作2枚は1970年5月1日、ジャズ・クラブ「スラッグス」でのLIVEもの。「スラッグス」は2年後、モーガンの悲劇が起きた場所ですね。

リリースは自主レーベル”STRATAーEAST”の2作目となるVOL.1が1972年、Vol.Ⅱは1973年でグループの人気が上がったせいなのでしょう、カヴァはゲートホールドとなり、しかも、こってりとコーティングまで施されている。

それぞれ3曲ずつ、全てメンバーのオリジナルで構成されており、モチベーションが高く、バラード風のナンバーも含め、種も仕掛けもないクリエイティブなパフォーマンスが繰り広げられている。

その頃のジャズのトレンドに真っ向背を向けたプレイは多くのジャズ・ファンから支持され、人気絶頂の1973年11月末、来日し”LIVE IN TOKYO”(12/7)を残している。これも素晴らしい作品ですね。

そういえば、昨年のアルバム・スタートも同じMUSIC INC.でした。一年の初めに相応しい志高き熱演です。

 


2021 新春酒

2021-01-03 | 日本酒・洋酒

明けましておめでとうございます。

例年ならば、年末、一年間無事に過ごせた報告と御礼に多賀大社(滋賀県)に参拝し、近くの蔵元で正月の新春酒を調達する所ですが、今回は他府県への移動は自粛というお達しと、東京にいる娘も帰省せず、静かな正月に。

モチベーションが上がらず、近くの食品スーパーで以前、訪れたことのある蔵元の銘柄をアット・ランダムに3本、そして娘が帰省の代りに送ってくれた1本、寂しくなりました。

 

 

送ってくれた「SIRIUSU(シリウス)]、新潟柏崎の阿部酒造の所謂「スパークリング日本酒」です。初めて飲むタイプですが、口当たりが凄く良く美味しいですよ。直ぐ一本、空きました。フルーティで米から出来ているとは想像がつかないですね。シャンパン同様、乾杯向きで、若者達に人気があるのでしょう。ビールと同じ栓抜きが必要で、慎重に開けないと泡が吹き出しますよ。ちょっと遣らかしましたね(笑)。

 

 

一番左の「七賢・淡麗純米」、山梨県白州町(サントリーの白州蒸留所がある)の近くの山梨銘醸です。淡麗と謳っていますが本格派で旨い、最近の常用酒の一つ。明治天皇がお泊りにもなった名門中の名門ですね。屋敷内、お庭等、拝見したかったのですが、遅く到着し残念にも閉まっていました。

 

 

 

左から2番目が辛口で知られる「三千盛、純米大吟醸からくち」。岐阜県多治見市笠原の蔵元で、文豪達に愛されたディープな辛口は、他の辛口とは一線を画しています。これを飲むと筆が進む、と言われたとか(笑)。

 

 

右端が同じ岐阜県瑞浪市にある中島醸造の「小左衛門・純米吟醸」、普通グレードの「始禄」の上級モデルで柔らかく品ある味が魅力で、文句なしに美味しく、質の良い酒です。

 

 

来年は以前のように普通に賑やかな正月を迎えたいですね。