60年代半ば、BLUE NOTEの若手ミュージャン達を中心に興った新主流派ジャズのtb奏者と言えば、GRACHAN MONCUR Ⅲ。
BLUE NOTEリーダー作2枚、兎に角、サイドが凄いです。
初リーダー作の”EVOLUTION”は半年前の”ONE STEP BEYOND / J・McLEAN”にモーガン(tp)を加え、2作目の”SOME OTHER STUFF”に至ってはマイルスのサイドですね。どちらもbの違いがあるもののキャリアの割に破格のセッティングです。収録曲はそれぞれ4曲、すべてモンカーのオリジナルで占められ、A・ヒル同様、いかにライオンがモンカーに期待していたか、を物語っている。
”EVOLUTION”はモーガンの復帰後、初めてのセッションで、果たして脱ハード・バップ路線への適合性はどうなのか、ライオンのもう一つの狙いも含んでいる。以前はモーガンへの同情を強く感じていましたが、改めて聴き直すとやはり孤立感を否定できず、この後、この分野へ深入りはしなかった。
やや消化不良を感じたのか?ライオンは翌年(1964.7.6)、これでもか、とばかり、ショーター、ハンコック、マクビー、ウイリアムスの最強サイドを用意したのが”SOME OTHER STUFF”。全員、体制内革新派なのでフリー・イディオムを積極的に取り入れているもののOBラインを深く越えてはいない。
問題はモンカーがこの格上サイドを率いて確りとリーダー・シップを取れたかどうか?答はラスト・ナンバー”NOMADIC”でウィリアムスのdsソロを大きくフューチュアーした点かな。
ま、あまりクリティカルな聴き方をせず、60年代のモダン・ジャズを語る上で最重要な「新主流派ジャズ」の1ページとして捉えている。
GW中、小鈴のような可憐な花をびっしり付けていたエゴノキ、
GWが終わると、今度はヤマボウシが咲き始めた。
多少の早い、遅いはあるけれど庭の花暦は例年通り恙なく進んでいる。