前回UPした‘ALL MEMBERS / DON SLEET ’のライナー・ノーツ(by IRA GITLER)によると、スリートはL・McBROWNEが率いる‘AND THE 4 SOULS’のメンバーとしてレコーディングしている。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦」で、次の狙いの一つが決まった。
1stアルバム‘AND THE 4 SOULS’(PJ-1)、1960年1、3月録音。
‘ALL MEMBERS’と同じ「地下室」であっさりと。
カヴァにスレはほとんどなく、底割れがあったけれどノリで充分補修できる程度で、盤質はパーフェクト。まだこの頃は、P・Jの完コレを目指すコレクター、W・コースト・ジャズファン以外、あまり見向きもしなかったのでしょう、トントンされ底割れしているのが何よりの証拠で値段も想定内でした。
ちょっと味なアレンジが施されている点、W・コーストらしさが感じられるもののバリバリのE・コースト系のハード・パップ。
音」がイイ。 Engineeringは‘ Dino b.Lappas’と記載され、鋭いスリートのtpがビシビシ迫ってきます。H・ランドを若くしたようなD・ジャクソンのts、pはやや硬目でボリュームあるH・ルイスのb、兎に角、ゴリッとしたアウトプット感が満点。
McBROWNEは「小型M・ローチ」と異名と取るほどの正統派で、親分、M・ローチが日本であまり人気が無い?せいなのでしょうか、ほとんど話題に登りませんが、さすが律儀に決めてくる。
話が横道に逸れますが、以前、日本公演でローチの格調高い芸術的なドラミングに「この人、やっぱり本物や!凄い!」と聴き惚れました。レコードだけで決め付けるのは危険ですね。
なお、このオリジナル盤は後になって巷で「極めてRARE」と噂になったようです。
先週末、ぶらっと中古店へ
ずっと縁が無かった2ndアルバム‘EASTERN LIGHTS’(RLP346)にやっと。
コンディションはカヴァも盤も超美品!しかも納得が行くプライス。人気が無いのですね。
bがH・ルイスからJ・ボンドに替わった本作もスーツ姿通り、ビシッと決まっている。一流イースト・コースト派ハード・バップも顔負けです。
録音は1960年10月、西海岸屈指の名手WALLY HEIDER。タイト過ぎるモノラル音は本作にピリリ感を更に与え、リーダーの統率力が見事に発揮されている。
全8曲中、7曲がD・JACKSONのオリジナル(編曲は全て)で占め、一曲だけスタンダードの‘Like Someone In Love’を気持良く吹き綴るスリートのtpを聴くと、叶わぬ夢ですが、この人のスタンダード集を聴きたくなりますね。
‘ALL MEMBERS’に出会ってから、30年を越す歳月が・・・・・・・
DON SLEET、僅か3枚の道は完結したが、なんだか逆に寂しいね。