マッキンのパワー・アンプのイルミネーション・ランプが切れたので修理を。
ついでに長年、死蔵状態だったC34Vのメンテも。ボリュームがクリック・タイプのため微妙な音量調節が苦手で以前の狭い部屋ではあまり使い勝手が良くなかった。勿論、パワーの方でコントロールすれば済むことだけれど、煩わしくて。
もう処分を、と思っていましたが、あるブログで「決してC34Vを手放してはいけません!」の一言で目が覚めた。
C34VはVが付いているようにヴィジュアル対応のためオーデイォ・ファンからやや見下されていますが、マッキンの王道サウンドの最終モデルと言われる。
色んな機能が盛りだくさん組み込まれ、イルミネーションが点いた時のゴージャス感は他の追従を許さない。
幸いスイッチや接点のクリーニングだけで済んだC34Vが戻ってきたのでカウンターポイントのパワーと組合せてMONO盤再生をメインに聴こうと。
慣らしの後、選んだ一枚は”FOR LADY / WEBSTER YOUNG”、程度の良いオリジナルをずっ~と待っているが、縁がなく国内盤を。
印象的なカヴァ(by R・MILES)で知られる所謂、B・ホリディへのトリビュートものですね。
この国内盤(SMJ‐6614)は割と音が良い方ですが、今までと全然違う音が飛び出してきた。元々、C34Vは中域に独特の張りがありますが、ウェブスターのコルネットがオン・マイクでゾクゾクするほどリアルさを増している。手放さなくてよかった。修理期間中、電源コンセント類、インターコネクト・ケーブル等々、環境の見直し、強化を図り、その効果もあるのだろう。
中でも“Don't Explain”(言い訳しないで)の湧き上がる胸が詰まるほどの切なさをどう受け止めたらいいのでしょう?
ミュートを利かせたウェブスターが啜り泣き、クニシエットが噎び、嗚咽、マルがバッキングでもらい泣きし、今にも崩れそうな流れをメイの気丈なbで持ち堪えるストーリー、ありふれた感傷なんかどこかへ吹き飛んでしまう。
「奇跡」と言ってしまうと身も蓋もないけれど、凄いなぁ~、と思うのはA級でもないミュージシャン達でもこれほどまでディープな演奏が出来るということ。
人気の「レフト・アローン」に勝るとも劣らぬ名演だが、この“Don't Explain”が評判になったり、表立ったりしたことは今だかって一度もない。
今更、どうでもいい話ですが・・・・・・・・・