骨董は、偽物は見分けられても、本物の確証を示すことは難しいといわれます。
書画骨董とひとくくりに呼ばれることもありますから、絵画もそうなのでしょう。
フェルメールの絵に上塗りをしたひどい人もいます。
その人は、絵具の剥げ落ちたところを直すどころか、絵の構成まで変え、違う絵にしてしまいました。
小さな平面に描かれた絵画のようなものは、どこかに手を加えれば、そのことが履歴に加わり、決して元には戻りません。
ひどい目にあったその絵は、上塗りを落として修復されたと報じられていますが、元の絵らしいものになっただけで戻ってはいないのです。
そんなとんでもないことを、なぜしてしまうのでしょうか、真贋の世界には、魔物が潜んでいるようです。