山の天気は変わりやすい。
一見恒常性を持つように見えることでも、変化という時限装置は内蔵されている。
一連の想定が首尾よくいっている間に快く引き受けた義務が、状況の大きな変化によって予期せぬ負担をなし会社を破滅させかねないこともある。
それぞれの立場での臨機応変は大事な采配スキルでもある。
ただしこれに「無責任」が加われば、その損失は濃霧となる。
自分で取れる責任の範疇をよく知っておくことは難しいが、せめて時限爆弾の存在を思い、前例の踏襲を少しは躊躇う知性は持ちたいとおもう。
山をなめての遭難しかり、多大な年金の約束しかり、「無責任の臨機応変」を積み重ねるのは、その行為の責任の所在が当事者においてさえ不明瞭な為だ。
予測のつかない変化に、我々は無力だが、可能性を思い、「考えてみた」対策で、思いがけず救われることもある。
思いがけていても思いがけないことが起こったのと、思いがけてもなかったのに思いがけないことが起こるとでは、天と地ほどの差がある。
晴れの予報にもかかわらず、思いがけず濃霧と驟雨にあい、
思いがけずの幻想的な内に身をおけることとなった。
思いがけないことは、いいことも同じようにあるものだ。