南無煩悩大菩薩

今日是好日也

格差の繕い方。

2014-07-15 | 古今北東西南の切抜
(’Recovery Plan’ from artist Mr Brainwash.)

『・・・国家間のものであれ国内的なものであれ、不平等が許容範囲を超えるのは、成功した個々人がさらなる前進を求めて、そして他人をより不利な状態にするために、自分の力を利用する場合である。

ビジネスマンや法律家、実業家、医師といった成功者がみずからの成功を利用して、政治家への働きかけや資金提供を通じて自分に有利なようにルールを変える。

この場合、いくら成功したからといってもその成功はもはや称賛には値しない。

例えば、富裕層は公的医療や公教育をほとんど必要としない。しかし成功者がみずからにとって重要だと思うことを要求すると、他の人が頼っている公共財の提供が害されることになる。

富を持たない人の本格的な社会参加を成功者が邪魔すると、民主的なプロセスが弱体化する。

・・・不平等の中にも「よい」不平等があるのは理解できるものの、我々はそれが非常にやっかいだと感じている。

自分一人だけ貧困から逃れようとする人がいてもかまわない。しかし、逃れたものが新たに手にした自由を利用して、自分自身で活路を開こうとしている人の行く手を阻んではならない。』

-抜粋/アンガス・ディートン「民主主義は経済格差を解消できるか」より-
コメント (2)
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