旧型Vmaxで、ドライブシャフトが折れるという事例がありますが、実際折れるのは、ギアケース側のシャフトを受けているカップのセンターのボルトが折れて、カップの部分が、フリーになってしまい、磨耗し、オイルが漏れる、ベアリングが破損する等につながります。
写真は、ギアケースをスイングアームから外した状態で、左がギアケースボディ、真ん中が、カップ、右側がドライブシャフトです。
この部分は、オイルシールのみで止まっているので、引き抜くと分割できます。(写真はオイルシールが外されています)
ドライブシャフトの先端のギアが、若干タル型になっているのは、意味が有り、最初から、この構造です。
カップの内側で、通常は、ナットで止まっています。
写真のように、ボルトが折れると、ナットごと外れ、カップがケースより抜けてきます。この状態になった場合は、部品が出ませんので、ギアケース交換です。90年代前半までは、ギアケース破損が、問題になっていましたが、90年代半ば以降は、ギアケースの型が変わり、破損するケースは、減少しました。純正車両の状態で、破損する場合は、低めのギアで、加速し、そこからアクセルを戻し、リアがホッピングするような、過度のエンブレ状態を行なった場合は、シャフトドライブのため、力が逃げにくく、弱い部分に集中する為です。現在は、材質も見直されたようで、破損のケースは、ほとんどありません。ただ、足回りが純正状態ではなく、ハイグリップタイヤを装着している場合や、リアサスの全長を伸ばし、スイングアームの垂れ角が付いている場合の過度のエンブレは、負担が大きくなるので、場合によっては、破損します。
エンジン側の挿し込み部分です。この部分は、差込だけで、前後に動くようになっています。
スイングアームを装着せずに、ギアケースを仮組みすると、この状態です。
スイングアームを上から見ると、エンジン側の入口のセンターとギアケース側のセンターが若干オフセットしているのが、わかると思います。
シャフトのみの状態で、上か見ると、シャフトが左側にオフセットされているのがわかると思います。
前後の挿し込み部分でも、角度がついているのが、判別できます。
エンジン側は、ユニバーサルジョイントがあるので、角度がついてもある程度大丈夫ですが、ギアケース側は、ジョイントが無いので、カップのセレーション部分と、シャフトのギアのタル型の部分で吸収します。
ユニバーサルジョイントは、角度がつけばつくほど等速度で回転しなくなるので、出来れば、走行状態で、水平位置に近い角度が望ましいです。
構造を考えると、リアサスの全長を伸ばし、垂れ角を増す、スイングアーム自体を左にズラし、シャフトのオフセットを増やすの等の状態は、負担が大きいので、行なう場合は、注意が必要です。ノーマルのスイングアームではなく、ロングスイングアームでドライブシャフト自体が長い場合は、シャフトの角度が緩和されるので、組み合わせによっては、問題が生じない場合もあります。
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